【 比較優位 とは?】デキる人こそ知っておくべき概念!

比較優位~相対的な“得意”を活かす~

比較優位 とは?相対的な“得意”を活かす

比較優位 」は有名な概念ですので、ご存知の方も多いのでは?

ザックリ言ってしまえば、みんなが相対的な“得意”を活かせば幸せになれるよ!ってこと。

自由貿易において各経済主体が(複数あり得る自身の優位分野の中から)自身の最も優位な分野(より機会費用の少ない、自身の利益・収益性を最大化できる財の生産)に特化・集中することで、それぞれの労働生産性が増大され、互いにより高品質の財やサービスと高い利益・収益を享受・獲得できるようになる

Wikipedia:比較優位

なぜ「比較優位」をデキる人こそ知っておくべきなのか?

デキる人って何やっても“得意”だったりしますよね。でも時間は有限なので“得意”だからって全てを実行しようとしたらパンクします(笑)

周りにいるデキる人よりデキない人の「比較優位」を尊重する、言い換えれば、みんなの相対的な“得意”を活かせばwin-winな関係を築ける!

どういうことなのかを説明していきます。

そもそも 比較優位 は貿易理論の概念

『比較優位』はイギリスの経済学者デヴィット・リカードが提唱した国際貿易における有名な概念です。

デヴィッド・リカード(英: David Ricardo、1772年4月19日 – 1823年9月11日)は、自由貿易を擁護する理論を唱えたイギリスの経済学者。各国が比較優位に立つ産品を重点的に輸出することで経済厚生は高まる、とする「比較生産費説」を主張した。スミス、マルクス、ケインズと並ぶ経済学の黎明期の重要人物とされるが、その中でもリカードは特に「近代経済学の創始者」として評価されている。

Wikipedia:デヴィッド・リカード

英語では、コンペアティブ・アドバンテージ:comparative advantage と表現されています。D・リカードの名前をとってリカード理論とか比較生産費説とも呼ばれています。

D・リカードは学生時代の試験でよく出題された「国富論」の著者であるアダム・スミスが提唱した『絶対優位』を修正する概念と位置づけられているのが『比較優位』なんです。

2国間の貿易を例えに説明をしていきます。

A国とB国は自動車とビールを生産しています。A国で100人の労働者が生産できる自動車は100台、ビールは2000本です。B国で100人の労働者が生産できる自動車は50台、ビールは1800本です。

A国とB国を比較すると、自動車(A:100台>B:50台)もビール(A:2000本<B:1800本)も生産効率がよいことがわかります。このような状態をB国に対するA国の「絶対優位」といいます。

だったらA国が自動車もビールも生産し続けるってことで問題ないじゃん?

でも相対的に考えてみると様相が変わってきます。

B国に着目して自動車とビールの相対的な生産量をみてみましょう。B国のA国に対する自動車の相対的な生産量は50/100台で50%です。ビールは1800/2000本で90%です。

B国にとってA国に比較して生産量が50%の自動車と90%のビールを生産するのあれば、ビールの方が「比較優位」であると言えます。

ここでA国もB国も“得意”な生産品に注力したときを考えてみましょう。

A国は200人の労働者のうち“得意”な自動車の生産に180人を登用しました。残りの20人はビールを生産します。すると自動車は100台、ビールは500本を生産することができました。

B国はA国に対して『比較優位』である“得意の”ビール生産に特化して200人の労働者全員を登用させました。するとビールを3600本生産することに成功しました。

するとどうでしょう?

A国とB国の自動車とビールの生産量は、両国がそれぞれの生産品に100人ずつ登用していたときに比べて、全体で自動車は30台多い180台、ビールは300本多い4100本を生産したことになります。

比較優位

A国はB国よりも自動車もビールも生産効率がよく『絶対優位』ですが、B国がA国の生産量に『比較優位』なビールに特化して生産することによってA国とB国の全体の生産量は増加しました。

A国、B国のそれぞれが自分の“得意”を活かした生産をおこなえば、全体ではより多くの生産量が得られる!だから技術格差のある2つ国の間であっても国際貿易は儲かるんだ!という経済理論が『リカード理論(比較生産費説)』です。

自分でやった方が早い!?ソレ間違ってます!

この「 みんなが相対的な“得意”を活かせば幸せになれる 」という「比較優位」の考え方は仕事でも応用が効きます。

ありがちなシチュエーションで例えてみたいと思います。

あなたは今、古い資料にある数値をデジタル化するためにExcelに入力していく作業と大事な商談のプレゼンテーションを準備しなければいけません。

近くにはまだ社歴の浅い後輩がいて、Excelで作業することもPowerPointで資料作成することは可能です。ただしどちらも自分の方が早くできるとします。

どちらをやらせても…

「あ~もう!自分でやった方が早い! 」

そんな状況です。あなたはどちらも自分でやった方がよいのでしょうか?

違います!

状況から整理しましょう。 あなたが後輩に比べてExcelでの作業もPowerPointでの資料作成も早いので「絶対優位」であると言えます。Excelでポチポチと数字を入力していくだけなら、あなたと後輩に相対的にみれば大きな差はないはずですので 「比較優位」と想像できます。

時間は有限なので申し訳ないけれどExcel作業は後輩に任せて、あなたは大事な商談のプレゼンテーションを準備することに専念した方が全体的な生産性は高まります。

もう一方の目線として圧倒的に仕事がデキる同僚がいる場合も同じです。デキる同僚に鑑みて自分が“得意”なことを「手伝うよ」とみんなが相対的な“得意”を活かせるように促せば全体の生産性を高めることができるんです。

デキる人はビジネスリーダーになることが多いでしょうから「比較優位」の考え方をフル活用してチームビルディングに取り入れるべきでしょう!

まとめ

デキるひとこそ知っておくべき【比較優位】

・「比較優位」は、みんなが相対的な“得意”を活かせば幸せになれるっていう理論!
・「比較優位」は、そもそも国際貿易の概念!
・生産効率で絶対優位の関係にある両国間でも、比較優位の生産物に専念すれば両国とも利潤が得られるというスゴい概念が「比較優位」
・仕事においても「比較優位」な“得意”分野に専念することで全体の生産性は上がる!


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2019.07.20

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ABOUTこの記事をかいた人

2018年の夏、ひょんなことから営業マンから経営戦略室へ異動しました。 経営とは何ぞやという知識も実践経験も足りない… 学習したことをなるべく分かりやすく配信しつつ、経験値を稼ぐために アラサー親父、サイト運営に乗り出す!