わざふく ~自閉症児の父になって~

知的障害ありの自閉症息子と共に生きる父親のブログ

知的障害児、過去最悪の”脱走劇”。子どもの命を守るために。

知的障害ありの自閉症息子が、3重にかけられた窓のロックを破った。

 

そして、1人裸足で、家から飛び出した。

 

史上最悪の”脱走劇”が、幕を開けた。

 

 

 

 

こんにちは!まりたくです!

 

我が家の息子タクは、知的障害をともなう自閉症児です。

 

 

 初めての方はコチラもどうぞ↓

mari-and-taku.hatenablog.com

 

 さあ今日は、まさかまさかの、2日連続でおんなじような内容の記事ですw

 

昨日の記事にコメントいただいた方は、またおんなじような記事なのでコメントしづらいかと思いますw申し訳ございません。 

 

 

 

4歳、発語ゼロ、多動強め、重度知的障害。

 

これでもか!というくらいにいろんな障害を併せもっている我が息子タクが、先日、自宅から3度目の”脱走”を成し遂げました。

 

今回の記事では、脱走劇の状況、および、脱走を防ぐための対策について触れさせていただきます。

 

 

 

目次

 

 

 

過去最悪の脱走劇

f:id:sousou5kiyo:20191118233626j:plain

いつ脱走したのかわからない

9月4日 12時44分。

 

私は会社にいた。昼休み中。妻からLINEが届いた。

 

「薬飲んでウトウトしてたら、タクがいなくなってて、今110した」

 

 

「ウソだろぉ!?」

 

私はその場で思わず声をあげた。

 

すぐに妻へ電話をかけた。

 

前回同様、妻の声は明らかにうわずっており、激しく動揺していた。

 

私もあせっていた。

 

「警察には連絡したんだな!?」

 

「うん」

 

「過去に2度、踏み切りのほうで保護されてるってこと、伝えたか!?」

 

「うん。

 

 さっき踏み切りのほうにはさがしに行ってみたけど、いなかった。。。」

 

そして妻は泣きながら、衝撃的な事実を語った。

 

「(妻が)体調悪くてウトウトしている間に、窓のカギを開けて出ていっちゃったみたい。。。

 

 ウトウトしている間に出ていったから、

 

 出ていってからどれくらい時間が経っているのか、わからないの・・・

 

 

どれくらい時間が経っているのかわからない。だと?

 

つまり、長時間経過している可能性もある。

 

このとき、本気で思った。

 

(もうダメだ。

 

 死んだ。

 

 今回ばかりは助からない。

 

 もう、、、ダメだ。。。)

 

 

これまでの2度の脱走は、脱走後すぐに気がつき、事なきを得ている。

 

しかし今回は、脱走してからどれだけ時間が経過しているのかがわからない。

 

本当に、絶望的な状況に思えた。

 

 

 

妻の努力

ここで、1つだけ触れておきたいことがある。

 

「障害児が家にいる状況で、母親はなぜ呑気にウトウトしてしまったのか!?」

 

と、妻のことを責めないでほしい。

 

話の時系列が飛んでしまうが、このあと私が帰宅したとき、妻は40℃近い高熱を発症していた。

 

本当に体調が悪かったのだと思う。

 

ただでさえつらい障害児育児の中で、体調不良が重なった。ウトウトしてしまうのも仕方がないことだ。

 

私がこの日の朝出社する時点で、妻の体調の異変に気がつけなかったことが悔やまれる。

 

体調が悪い中、妻はよくやってくれた。

 

 

 

即座に早退を許可してくれた会社

さて、話はまた元に戻る。

 

警察が捜索してくれているときは、入れ違いになることを防ぐため、基本、家族は自宅で待機するように指示される。

 

それは前回経験済みだった。なので私は、

 

「とにかく、待つしかない」

 

と、妻に伝えた。

 

妻との電話を終えてオフィスに戻った私は、すぐに上司のもとへと向かい、こう話した。

 

「申し訳ないんですが、すぐに早退させてください。

 

 子どもが行方不明になってしまいました。」

 

唇が震えて、まともに話せなかった。

 

上司には、息子に知的障害があることを以前伝えていた。上司は状況を察してくれたのか、すぐに了承してくれた。

 

家庭都合を最優先に考えてくれる、素晴らしい会社に居られて良かった。

 

業務の引継ぎを簡単に済ませて、私は会社を出た。

 

1分1秒でも早く、帰りたかった。

 

 

 

人身事故のアナウンスは死の宣告

過去2度の脱走劇において、タクは2回とも同じ踏み切り付近で保護されている。

 

もし、遮断機のおりた踏み切り内に進入していたらアウトだ。

 

駅のホームで電車を待っているときも、走り抜ける電車を見るとタクは、その電車にさわろうとする傾向がある。

 

猛スピードで走り抜ける電車に4歳男児が触れようものなら、確実に死ぬ。

 

帰宅途中の電車内で、私は、恐怖に震えていた。

 

もし。

 

もしだ。

 

「●●線は、人身事故のため運転を見合わせています」

 

というアナウンスが流れたら。

 

それはすなわち、タクが電車にひかれて死んだことを意味する。

 

気が狂いそうになった。

 

(大丈夫。 

 大丈夫。

 大丈夫だ。

 信じろ。

 信じろ。

 信じるんだ。)

 

私は自分に言い聞かせた。

 

人身事故のアナウンスが流れないことを願い、信じた。

 

信じることしかできない自分の無力さに、泣けてきた。

 

 

 

保護のしらせ

私が電車の中で立っていると、妻からLINEが届いた。

 

「保護されました」

 

そのメッセージを読んだ私は、思わず声が出た。

 

「ああ、ああ。。。ああ。。良かった。。本当に、良かった。。。」

 

力が抜けた。

 

そしてへなへなと、その場に座り込んだ。

  

「ああ。。。良かった。。。。ああ。。。。助かった。。」

  

 

 

脱走劇の詳細

私が家に着くと、タクはもう元気に走り回っていた。

 

妻はもともと体調が悪かったことに加え、今回の脱走劇による精神的ショックの影響か、最悪の体調になっていた。

 

熱は40℃近くあり、立っていられないくらいのフラフラ状態だった。

 

きつい状態でありながらも、妻は当時の状況を語ってくれた。

 

「前に保護された踏み切りのほうにはいなくて、スーパーの近くで保護されたの。

 

 たまたま通りかかったオジサンが、1人で裸足で歩いている男の子(タク)を見つけて、『おかしいな』と思ってつかまえてくれたんだって。

 

 オジサンは警察に通報しようとしてくれたんだけど、電話しようとしたら、タクがすぐに逃げ出しちゃって、

 

 何度も車にはねられそうになったって。」

 

家に帰ってきたタクの足の裏は、土まみれで真っ黒だったそうだ。おそらくどこかの畑にでも突っ込んだのだろう。

 

奇跡的に、ケガはなかった。

 

ただし、脱糞した状態だったそうだw

 

保護および通報してくれたオジサン、そして警察の方々には本当に感謝しかない。

 

 

 

子どもの脱走を防ぐための対策

f:id:sousou5kiyo:20191118233729j:plain

暫定対策「4重ロック」

今回タクは、窓にかけられた3重のロックを破って逃走しました。

 

ここで、前回の記事でいただいたコメントを1つ紹介させていただきます。

 

自閉症の子は見ていないようでよく見ていますよ。

 よくわかったな!!と思うこともよくあります。」

 

ありがとうございます!まさにこのとおりです!

 

私や妻が、窓に3重のロックをかける場面を、タクは見ていたのかもしれません。そして、学んだのかもしれません。

 

3重ロックさえも破られるとなると、次なる対策は4重ロックです。

 

つっぱり棒を購入し、窓の外側・内側の両方にセットしました。

 

もはや、カギを開けられたとしてもウチの窓は開きません。

 

防災的な意味では危険かもしれませんが、火災が起きる可能性よりも、タクが脱走する可能性のほうが高いという状況であるため、

 

このような措置をとろうと決断しました。

 

 

 

恒久対策「躾ける」

もう1つ、前回の記事でいただいたコメントを紹介させてください。

 

「絶対に出ないように躾けた方が良いですね。出さないのは簡単ですが、頻度が多い、今がチャンスだと思います!」

 

窓から外に出てはいけないことを躾ける、という恒久対策です!ありがとうございます!

 

私の個人的な感想ではありますが、発達障害児の育児においては、

 

「正しいことを教える」よりも、

 

「やってはいけないことを教える」ほうが難しい気がします。

 

果たしてどのように教え込もうか、考え中であります。

 

 

 

さいごに

f:id:sousou5kiyo:20191118233822j:plain

少しずつ、涼しい季節になってきましたね。

 

窓を開ける機会も増えてくるかと思います。

 

脅すつもりはありませんが、みなさま、

 

窓を開ける際には、くれぐれもご注意ください。

 

 

人の命は、1つしかありませんから。。