エロチック乱歩 人間椅子。江戸川乱歩の人間椅子を原作とした映画。原作そのままじゃなくて現代を舞台にして翻案しているというか、人間椅子の設定だけ借りた別物。エロチックといいつつ全然エロくなかった。原作のほうがよっぽどエロかった。登場人物はどいつもこいつもド変態なんだけど、なんだろう…隠微なエロチックを描けていない。ストーリーも構成のせいか脚本のせいかわかりづらいし、テンポが悪いし、面白みに欠ける。描き方次第ではもうすこし面白くできたように思う。とはいえ、そもそも人間椅子を真面目にやったらダメなんじゃないかな（笑）。原作は小説という媒体を存分に活かした作りになってるし、何よりあのオチがあるからいいのであって、そこを無視してリアルに人間椅子を描くと何じゃこりゃというものにしかならない気が。ずっと椅子の中で過ごすとか無理じゃね？ 匂うぞ？ とかモヤモヤしてしまう。
