瑞原唯子のひとりごと

インセプション


インセプション。ライバル企業をつぶしたいという依頼を受けて、その跡取り息子の潜在意識に会社解体を納得させるアイデアを植え付けようとする話。主人公コブと亡き妻モルの話がもうひとつの軸となっている。難解だという噂を聞いていたので身構えていたけど、わりと普通にエンタテイメントだった。夢の設計で物理法則を無視した世界の映像はわくわくする。夢の共有だとか、夢の設計だとか、夢の中の夢だとか、潜在意識にアイデアを植え付けるとか、夢と現実で時間感覚が違うとか、そういう設定はとても興味深い。ただ、曖昧でふわっとしているように感じるところも多くて、もやもやしてしまう。あんまり深く考えずそういうものだと納得するしかないのかな。コブは独断専行というか不誠実なところがあるよね。夢の中で死んだら目覚めるだけと言っていたのに、鎮静剤を使っているから目覚めず虚無に落ちるって、そういう大事なことを仲間に言っておけよと。あと計画に影響があるにもかかわらずモルのことを隠そうとしたり。モルとの過去はいろいろと伏線回収みたいになっていて面白い。現実のものをそのまま設計するなと言ったのは、過去の自分の過ちから学んだことだったんですね。現実世界に戻るために囁いた言葉が、現実世界で妻を死に追いやることになったとか、アイデアを植え付けることがどれだけそのひとに影響を及ぼすかがわかる。モルは夢に入り浸って現実だと思い込むようになったり、老人たちも目覚めに行くといって夢に入っていったけど、夢の世界で楽しく過ごせるなら入り浸りになるのもわかる。特に余命がすくなくなったら夢の中で長い時間を生きたいと思うかも。ラストは…どっち?! ドキドキしながらトーテムを見てたけど、普通に現実と考えていいんですかね。これが夢だとしたら3層じゃなく4層だったってことになるよね。3層でも難しいという話だったはず。そもそも誰が何のためにそうしたのか理由がわからないし。まあ映画全編すべてコブの夢だったというオチでもいいんだけど、それならそれと察することができる描写がないと。見逃してるだけだったら申し訳ない。トーテムで現実か夢か正しく判断できるのかについては疑問がある。夢の主であればトーテムが現実のバランスでまわるようにすることも容易いのでは…? と思ったり。

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