病院栄養士が国家試験過去問を解く【臨床栄養のみ】vol.12

1. ×　エネルギー消費量が増える脂肪量の低下にとどまらず，生体活動に必要な筋肉などの低下も伴ってやせる事が多いです。
2. 〇　呼吸負荷の増大があり，エネルギー消費が亢進しているためです
3. ×　％1秒量は肺機能の指標のひとつです。検査で吐き出した空気のうち、最初の1秒間で吐き出した（1秒量）割合の事です。COPDでは吐く息の量が減るのでこの指標は低下します
4. ×　動脈血酸素分圧（Pa02）は、簡単に言うと肺でのガス交換（酸素と二酸化炭素の）の能力です。SOPDでは呼吸が苦しくなりますが、その原因の一つにガス交換の能力、つまりPa02が低下するためです。
5. ×　COPDはエネルギーの摂取不足、全身性の炎症、内分泌ホルモンの異常などにより、トラスサイレチン（プレアルブミン）が低下します。栄養状態が低下しやすい病態ですね

1. ×　エストロゲンは、破骨細胞（古い骨を吸収する細胞）と骨芽細胞（新しい骨を作る細胞）の両方に作用しています。閉経にともなうエストロゲン欠乏により、破骨細胞による骨吸収が亢進して、骨量が減少すると考えられています。出典：日本内分泌学会
2. ×　骨型アルカリホスファターゼは分解するときのマーカーですね。骨に異常を生じる病気によって血中濃度が上昇し、逆に骨を作る力が弱くなった場合には低下します。
3. ×　イメージ的には血中のカルシウムも低くなりそうですが、血中のCaが低下するとホルモンの働きによって、血中のCaは上昇します。骨粗しょう症だけでは血中Caは下がりにくいですね。
4. 〇　骨粗鬆症と予防のガイドライン2015で予防は見つけられませんでしたが、骨粗鬆症治療時に過剰摂取をさけたほうが良い食品として、リンを多く含む食品、食塩、カフェインを多く含む食品（コーヒー、紅茶）、アルコールが挙げられていました。
5. ×　薬物療法は整理しましょう。ステロイド薬はガイドラインで示されていません。

骨吸収を抑制：女性ホルモン薬、ビスホスホネート、SERM、カルシトニン薬、デノスマブ

骨形成を促進：ビタミンD3製剤、ビタミンK製剤、副甲状腺ホルモン薬

その他：カルシウム薬、イプリフラボン、タンパク同化ホルモン薬

参考：骨粗鬆症と予防のガイドライン2015

1. ×　食道切除後の合併症は設問の選択肢の中だと、嚥下障害ですね。脂肪吸収障害は食道切除後はおきにくいです
2. 〇　胃はビタミンB12の吸収に重要な役割を果たしているので、その胃が無くなると吸収不良が生じます。ビタミンB12不足による巨赤芽球性貧血に陥ります
3. ×　胆嚢摘出後の合併症で起きやすい項目はありません。脂肪吸収障害が体感的には低頻度で起きますが・・・。
4. ×　膵臓切除後の合併症で選択肢の中では脂肪吸収障害が起きやすいです。膵臓の機能の一つに膵液の分泌があります。膵液に脂肪吸収の役割があるためです
5. ×　直腸切除後によく起こる合併症で、選択肢の中にある項目はありません

1.〇

嚥下調整食学会分類2013 を下記に示します。設問の食品が分類のどこに該当するか見比べれば解けます。ピラミッド状の図と早見表をひとつずつ見比べるとピラミッドの概念がつかみやすいと思います。