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日本人の食事摂取基準2020年度版の変更まとめ【エネルギー・たんぱく質・食塩】

食事摂取基準の2020年度版が出たことは知っている、研修会もあったけど忙しくて参加できない。研修会の資料をみたけど、文字が多くて読む時間がない。

こんな悩みを抱えている栄養士さん向けの記事です。食事摂取基準2020年度版のエネルギー・たんぱく質・食塩のみをまとめます。その他の栄養素を知りたい方はこちら

重要2020年度版から食塩の目標量が下がりました。成人男性7.5g/日未満、成人女性6.5g/日未満

本記事の内容

食事摂取基準2020年度版 改定か所のまとめ
・エネルギー
・たんぱく質
・食塩

この記事だけでは食事摂取基準の全てを把握できませんので、詳細は厚労省のHPをご確認いただくか、書籍 を購入下さい。

目次

エネルギー   推定エネルギー必要量

男性 (kcal/日) ※50歳以上の区分が新設
身体活動レベル
0~5(月)550
6~8(月)650
9~11(月)700
1~2(歳)950
3~5(歳)1,300
6~7(歳)1,350 1,550 1,750
8~9(歳)1,600 1,850 2,100
10~11(歳)1,950 2,250 2,500
12~14(歳)2,300 2,600 2,900
15~17(歳)2,500 2800↓3,150
18~29(歳)2,300 2,650 3,050
30~49(歳)2,300 2700↑3,050
50~64(歳)2,200 2,600 2,950
65~74(歳)2,050 2,400 2,750
75(歳以上)1,800 2,100
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書より出典

↑:前回より増加 ↓:前回より低下

女性 (kcal/日)  ※50歳以上の区分が新設
身体活動レベル
0~5(月)500
6~8(月)600
9~11(月)650
1~2(歳)900
3~5(歳)1,250
6~7(歳)1,250 1,450 1,650
8~9(歳)1,500 1,700 1,900
10~11(歳)1,850 2,100 2,350
12~14(歳)2,150 2,400 2,700
15~17(歳)2,050 2,300 2,550
18~29(歳)1700↑2000↑2300↑
30~49(歳)1,750 2050↑2350↑
50~64(歳)1,650 1,950 2,250
65~74(歳)1,550 1,850 2,100
75(歳以上)1,400 1,650
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書より出典

↑:前回より増加 ↓:前回より低下

  • 65歳以上では、フレイル及び生活習慣病の予防の両方に配慮してエネルギーを策定
  • 成人は30~40kcal/BWkg/日の範囲で策定
  • 小児はエネルギーの幅が広い
  • 実際には摂取量のアセスメント、体格(体重・BMI)を把握しエネルギー過不足は体格(体重の増減等)で評価

たんぱく質    ※50歳以上の区分が変更

 (g/日) ※目標量のみ%エネルギー
年齢推定平均必要量推奨量目安量目標量
0~5(月)10
6~8(月)15
9~11(月)25
1~2(歳)152013~20%
3~5(歳)202513~20%
6~7(歳)253013~20%
8~9(歳)304013~20%
10~11(歳)404513~20%
12~14(歳)506013~20%
15~17(歳)506513~20%
18~29(歳)506513~20%
30~49(歳)506513~20%
50~64(歳)506514~20%↑
65~74(歳)506015~20%↑
75(歳以上) 506015~20%↑

↑:前回より増加 

女性(g/日) ※目標量のみ%エネルギー
年齢推定平均必要量推奨量目安量目標量
0~5(月)10
6~8(月)15
9~11(月)25
1~2(歳)152013~20%
3~5(歳)202513~20%
6~7(歳)253013~20%
8~9(歳)304013~20%
10~11(歳)405013~20%
12~14(歳)455513~20%
15~17(歳)455513~20%
18~29(歳)405013~20%
30~49(歳)405013~20%
50~64(歳)405014~20%↑
65~74(歳)405015~20%↑
75(歳以上)405015~20%↑

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書より出典

↑:前回より増加 ↓:前回より低下

  • 維持必要量:0.66g/BWkg/日。高齢者で下がる根拠なく、全年齢で同一
  • 耐用上減量:腎機能を考慮すべきであるが、設定の出来る根拠が無く見送り
  • 目 標 量:下限は推奨量以上、高齢者は引き上げ(フレイル予防ではないが、摂取の実態と栄養素としての重要性を考慮)

食塩   ※50歳以上の区分が変更

男性 ナトリウムmg/日(食塩相当量g/日)
年齢等推定平均必要量目安量目標量
0~5(月)100(0.3)
6~11(月)600(1.5)
1~2(歳)(3.0未満)
3~5(歳)(3.5未満)↓
6~7(歳)(4.5未満)↓
8~9(歳)(5.0未満)↓
10~11(歳)(6.0未満)↓
12~14(歳)(7.0未満)↓
15~17(歳)(7.5未満)↓
18~29(歳)600(1.5)(7.5未満)↓
30~49(歳)600(1.5)(7.5未満)↓
50~64(歳)600(1.5)(7.5未満)↓
65~74(歳)600(1.5)(7.5未満)↓
75(歳以上)600(1.5)(7.5未満)↓

↓:前回より低下

女性  ナトリウムmg/日(食塩相当量g/日)
年齢等推定平均必要量目安量目標量
0~5(月)100(0.3)
6~11(月)600(1.5)
1~2(歳)(3.0未満)↓
3~5(歳)(3.5未満)↓
6~7(歳)(4.5未満)↓
8~9(歳)(5.0未満)↓
10~11(歳)(6.0未満)
12~14(歳)(6.5未満)↓
15~17(歳)(6.5未満)↓
18~29(歳)600(1.5)(6.5未満)↓
30~49(歳)600(1.5)(6.5未満)↓
50~64(歳)600(1.5)(6.5未満)↓
65~74(歳)600(1.5)(6.5未満)↓
75(歳以上)600(1.5)(6.5未満)↓

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書より出典

↓:前回より低下

✔補足

食塩の目標量が低下。

通常の食生活では不足や欠乏のリスクはほとんどない。過剰摂取による生活習慣病の発症および重症化予防のために目標量を策定。 おおむね-0.5g、食塩の目標量が厳しくなった。年齢帯によっては-1.0g

  • 推定平均必要量は成人・高齢者:不可避損失量を補うという観点から設定
  • 成人の目標量の策定方法:WHOガイドラインの推奨量と日本人の摂取量の中間値から算定
  • ナトリウム/カリウムの摂取非を考慮することも重要。(低い方が全循環器病死亡リスクが低いとの報告があり)
  • HT・CKDの重症化予防のための量は男女とも6.0g/日未満

独り言

やはり近年流行のサルコペニア対策でタンパク質の目標量が増えたのと、世界的な流れである食塩が下げられましたね。疾患ガイドラインでも減塩の流れがありますし、ヒトの体はそもそも6g無くても良いですし。さぁて、献立の組みたて祭りがはじまるぞ・・・。

おわり

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