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DAZN観戦 2024年J3リーグ第3節 福島ユナイテッドFCvs大宮アルディージャ

2024-04-25 16:00:38 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 福島のホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。

4-3-3による攻撃サッカーを貫いている今季の福島。
その成績は芳しくなく、得点力も目を見張るものは無いという現状で、成果が表れているとは言い難く。
自分が観たのは開幕節(岐阜戦、1-4)で、その際も中盤で針谷を軸とした地上でのパスワーク主体の攻めには見るべきものはありましたが、結果は大敗。
守備時も4-3-3のままという、客観的なバランスの悪さはこの日も健在で、「とにかくスタイルを強固なものにする」信念の方が上回っていると言って良いでしょう。

対する大宮は、「1年でのJ2復帰」を半ば至上命令としているような今季。
放送席の談でも、「どう勝つかを第一に考える」というニュアンスの長澤徹監督の発言が聞けるという具合に、とにかく結果が求められる状況であり。
その姿勢に偽り無く、開幕から9戦無敗(6勝3分)で首位を走っています。
勝利、そしてJ2昇格への執念は、その数字を見るだけでも伝わって来るものであり。

そんな両者の、信念と執念がぶつかり合う好試合、とは言い過ぎか。

キックオフから、大宮は左サイドで泉の推進力を活かした攻撃を繰り広げ。
それを凌ぎながら、得意の中盤でのパスワークによる攻めに入りたい福島でしたが、大宮の圧をまともに受けてしまい果たせません。
前半3分にゲーゲンプレスの末に、浦上が前に出て左サイドでボール奪取、ここから泉・藤井の持ち上がりにより好機。
以降も、5分にパスミスを拾われワンタッチで繋がれた末に右サイドを突かれ。(下口が奥からマイナスのクロス)
6分にはフィードで逃げようとした所を泉にブロックされ、またも攻撃を浴び。(中央からシルバがミドルシュート、枠外)
続く7分には、GK吉丸のロングフィードを跳ね返されて再度大宮の攻撃(敵陣でパスワークも、エリア内への浮き球パスをクリア)と、ボールロストのフルコースといった流れを描いてしまい。

得意手を塞がれる形となった福島は、8分に森に対する反則で村上が警告を受けたのを境に、大宮に倣うように森の突破力を活かす手法に活路を見出し。
10分には秋山の相手ロングパスのカットから、左サイドで受けた森が奥に切り込んでクロス、ニアで矢島がヘッドで合わせ。(枠外)
それに伴い周囲も好循環を得たか、15分にはGK吉丸がプレッシャーに来た杉本をフェイントでいなした(右を切りに来た杉本を見て左へ切り返す)のちの繋ぎ。
低いフィードを矢島が収めたのち、左への展開でまたも森の前進に持ち込むと、奥を取った森はカットインの姿勢から小さい浮き球をエリア内へ送るという変化。
これを左ポケットを取っていた大関が受けるも、収められずに終わる惜しい攻め。

こうした攻撃により、徐々に信念ともいうべき中盤でのパスワークの姿勢も見られるようになる福島。
しかし22分に再びパスミスで(浮き球パスを直接藤井にぶち当ててしまう)大宮の攻撃となり、右からの杉本のクロスが上がると、ファーサイドに走り込んだ泉がフリーでボレーシュート。(枠外)
依然として大宮の強度が壁として立ちはだかり。

そして26分シルバの持ち上がりにより攻める大宮、彼の小島へのパスがズレた所で、拾いにいった石川が山田と交錯し両者倒れてしまい。
山田の反則・警告となるも、ダメージが大きいのは山田というギャップが生まれる事となりましたが、これにより齎されたのはエリアから直ぐ近くという大宮にとっては絶好の直接フリーキック。
場所も中央からと、狙わない理由は無いという程の位置でしたが、キッカー泉の直接シュートはゴール上へと外れ惜しくも決められません。

ホッとした福島ですが、その後大宮のプレッシャーの前に前進すら難しくなる時間帯に。
最終ラインにまで執拗に掛けられるプレッシングに、先程警告を貰った山田は特にナイーブになってしまった感があり。
33分に詰められて慌てて出したバックパスが強くなり、GK吉丸が受けきれず大宮のコーナーキックと、絵的にもそのビルドアップの硬さが伺えました。
この辺りは、各クラブを転々として現在福島に居る(その流れで相手の大宮にも在籍)という経歴にも示されているでしょうか。

そして一気に大宮ペースへと移り変わる展開。
34分に左サイドでのパスワークを経てクロスが上がり、下口の折り返しが杉本に当たってズレるも、藤井のポストプレイで繋いだ末に小島がミドルシュート。(堂鼻が前に出てブロック)
尚もこぼれ球を繋いで右からクロスの連続と攻め立て。
35分には村上が前に出てのパスカットから、ショートカウンターでエリア内を突いて左CKに持ち込み。
ここからニアにクロス→浦上フリックという定番の流れで、ディフェンスに遭った所をシルバがミドルシュート(前方の藤井に当たり枠外)と、立て続けにゴールに迫ります。

そんな劣勢の福島を尻目に、自身も最終ラインから繋ぐ姿勢を見せ始める大宮。
特に40分には、最終ラインが持った際に、相手ボランチを切る姿勢の矢島に対して小島が中央から動かずにピン止め。
そしてその脇をパスワークで抜くという具合に、相手の前線をいなす立ち回りでも上回らんとします。(その後ロングパスを左奥で受けた泉がクロス)
得意手でも相手より劣るという状態に陥らせる事で、心を折りに掛かるというのはまさに勝利への執念が感じられる一幕であり。

結局その流れのまま、ゴールは生まれずとなった前半戦。
福島は40分にパスワークで前進するも、その際も中央を避け、左サイドで秋山・大関・森の3人によるものであり持ち味は発揮できず。
この時に杉本が(大関への)アフターチャージで(アドバンテージの末に)警告を受けたのがまだしもの事であり。

劣勢感がありありの福島でしたが、ハーフタイムでの交代は無し(大宮も無し)と、あくまで信念を曲げない姿勢を貫き。

しかし展開的には変わらず、一重に大宮が押し込み続ける立ち上がり。
やはり4-3-3のまま守備を行う福島、前から行った際にウイングが中央寄りとなってしまうので、それを突かれてサイドに運ばれる不安を常時抱える苦しさがあり。
それを防ぐにはサイドバックが前に出て前進を阻むしかない状態ですが、この日のような圧され気味の中では難しく。

そして後半5分、GK笠原のロングフィードからの攻めで、セカンドボールを拾ったのち左から前進。
杉本がドリブルで奥を突き泉に託すという具合に、サイドで人数を過多にする攻めで福島に数的不利を押し付けた末に、上がった泉のクロスをファーサイドで石川がヘディングシュート。
GK吉丸が辛うじて腕に当て、左ポストを叩いて跳ね返るボールを何とかクリアし、寸での所で防ぎます。

この流れで攻撃に転じたい福島。
8分にはようやく中盤でパスワークによる前進に持ち込みましたが、前に出てパスを受けた針谷がトラップミスで終了。
ならばと10分、最終ラインから堂鼻縦パス→大関縦パスという流れで受けた針谷、今度はミドルパスを森に送り彼の前進に託す攻め。
その森がポケットを取った事で左CKに繋がるという具合に、苦しい前半の際の攻め手も組み合わせて好機を生み出し。
このCKから、ニアに入ったクロスのこぼれ球を堂鼻がシュート、ブロックされるも尚も繋いで左ワイドから森がカットインシュート。
GK笠原にセーブされるも、理想とは多少異なる立ち回りによるフィニッシュの連続でムードが上がる福島サイド。
やはり信念を貫いて無残な結果に終わるよりも、執念で最後まで抗う方がずっと良い、といった所でしょうか。

そうした信念・執念のせめぎ合いによる展開。
その影響か前半で既に3度警告が出ていましたが、後半も16分。
下口のミドルパスを受けた藤井、その落下点で堂鼻にすぐさま奪われたものの、追走して奪い返し。
その際に後ろからチャージする格好となった堂鼻が反則・警告となり、前半の流れは継続していたという事を如実に示す結果となりました。
ここは正直流れの中で生まれてしまったような絵図なので、これにカードを出すのはどうかと思いましたが……

水を差された格好の福島でしたが、それによるマイナスの影響はほぼ無く。
以降はようやく中盤3人が係わるショートパス攻勢と、本来の得意手を見せ始め。
18分に左ワイドで長らく繋ぐ上畑・針谷・森の3人、そして中央の大関を中継としてエリア内へと出されるスルーパス。
これは遮断されるも針谷がダイレクトでミドルパス、右奥で松長根が受けて尚も継続と、大分パスワークで押し込めるようになってきました。(その後右奥で針谷がトラップミスで途切れ)
それでも、24分中盤での右スローインから、受けた矢島のポストプレイで中央から素早く運び。
そして森のミドルシュートが炸裂(ゴール上へ外れる)という具合に、フィニッシュが生まれるのはパスワーク以外での攻め手からでしたが。

均衡した展開のなか最初にベンチが動いたのは福島で、上記の森のシュートの直後に、その森を退ける交代策。(清水と交代、同時に矢島→塩浜へと交代・樋口がセンターフォワードに回る)
これを見た大宮サイドも、間もない26分に動き。
シルバ・泉・藤井→中野克哉・泉澤・シュヴィルツォクへ3枚替え、投入した選手はいずれも一騎当千の猛者らしきネームバリューと、昇格を目指すクラブ故の層の厚さを見せ付けます。
尚この交代により、市原を右SBとした4-4-2へとシフトした大宮。(左SBに下口、ボランチは小島・石川)

結果的に、この交代の駒が試合を動かす事となり。
27分、小島のスルーパスを右ポケットで受けた中野克が、前進ののちシュート(GK吉丸セーブ)と早々にゴールを脅かし。
29分にも、左ワイドで縦パスを受けたシュヴィルツォクが、カットインに杉本とのワンツーも交えエリア内を急襲した末にシュート。
大関のブロックによる跳ね返りを更に自身で追撃するも、これも堂鼻がブロック。
投入された選手の矢玉により、再度劣勢の色が強まってきた福島。

そして30分、ここもシュヴィルツォクが小島とのワンツーの末にエリア手前からシュート(ブロック)と、短期間で3本目となるシュヴィルツォクのフィニッシュでCKに持ち込んだ大宮。
この左CK、ショートコーナーから泉澤の切り込みで奥からクロスと目線を変える攻めで、ファーに上がったボールを浦上がヘディングシュート。
GK吉丸がセーブするも、跳ね返りをすかさず市原が詰め、堂鼻のブロックで防がれた所を再度自ら押し込んだ市原。
ひっきり無しに放たれるフィニッシュによりとうとう決壊と、まさに執念が齎した大宮の先制点となりました。

追い掛ける立場となった福島。
尚も続く大宮の攻勢を何とか凌ぐと、34分に押し込んだのち、大宮の縦パスを松長根が前に出てカット。
ここから細かく繋ぎ、塩浜の右ポケットへのスルーパスに走り込んだ松長根のグラウンダーのクロスが入ると、ニアサイドで樋口がヒールで合わせてのシュート。
これがゴールへ向かったものの、ライン寸前で中野克がブロックと紙一重で防がれてしまい。
尚も秋山・上畑がシュートに持ち込むもそれぞれブロックに阻まれ、非常に惜しい逃し方となってしまいました。

するとチャンスの後にピンチが待っており。
直後のCKからの攻めを防ぎカウンターに持ち込む大宮、右ワイドで拾ったシュヴィルツォクの裏へのミドルパスを受けた泉澤がドリブルに入り。
細かいタッチでプレッシャーを与えながら、エリア手前から放たれたシュートが、松長根のブロックに当たった末にループの軌道でゴールへ吸い込まれます。
展開的にも、相手を奈落の淵へと突き落とすような追加点に。

それでも諦めは許されない福島、キックオフの前に大関・樋口→城定・澤上へと2枚替え。
38分、素早い繋ぎから左サイドで前進し、清水がカットインからシュート気味にクロスを送るもブロックされてCKに。
しかしこの左CKから、キッカー針谷のクロスに対し中央で山田が跳び、越えたその奥で堂鼻が合わせてのヘディングシュート。
潰れによる綺麗な二段攻撃を決め、1点を返す事に成功します。

これで水を得た魚のように攻め上がる福島。(40分に上畑→加藤匠人へと交代)
大宮も依然として前からいく姿勢は崩さずも、シュヴィルツォクが入った前線の規制が今一つで、悠々ビルドアップを果たしていきます。
そして43分、右ワイドで受けた松長根がカットインからのクロス、これをファーサイドで清水が合わせヘディングシュート。
しかし枠を捉えられず、結局これが福島最後のフィニッシュとなりました。

その後は45分に大宮も最後の交代。(市原・石川→貫・高柳)
逃げきり体制と思われましたが、それでも隙あらばプレッシングからボール奪取にいく姿勢は変わらず。
しかもそれが機能し始め、中々運べない状況に陥った福島、というアディショナルタイムの攻防となります。
そして最後までゴールを狙う姿勢を崩さなかったシュヴィルツォクのシュート(ブロック)がこの試合最後のフィニッシュに。

1-2のまま試合終了となり、無敗継続を果たした大宮。
敗れた福島も道中、信念の中に執念も感じる戦いを演じましたが、力及ばずという結果に終わり。
両面が巧くミックスされ、実を結ぶ時は来るでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第11節 V・ファーレン長崎vs横浜FC

2024-04-24 16:14:02 | サッカー視聴記(J2)

※前回の長崎の記事はこちら(9節・熊本戦、4-3)
※前回の横浜FCの記事はこちら(7節・仙台戦、1-2)

<長崎スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 水曜(4/17)にルヴァン杯2回戦(磐田戦、1-0)が挟まる。その試合からの連続スタメンは誰も居らず。櫛引・加藤・増山・笠柳が途中出場。
  • 6節(甲府戦、1-1)で負傷交代した飯尾の詳細が発表され、4/4に手術実施して全治6~8ヶ月との事。
  • 前節(徳島戦、6-1)負傷交代した新井一はベンチ外。
  • ユース所属の宇佐川・西村・宮崎が2種登録選手となり、前節から登録される。

<横浜FCスタメン>

  • 林がJ3・宮崎へ育成型レンタル移籍となり、前節(藤枝戦、2-0)をもって登録抹消。
  • 負傷離脱していたガブリエウが復帰し、前節の途中出場を経てこの日スタメンに復帰。
  • ユース所属の庄司・高橋友矢・前田が2種登録選手となり、今節から登録される。

同じ地方(九州)という事で、同時開催の大分同様に悪天候の中での試合となった長崎のホーム・トランスコスモススタジアム長崎。
当然ながらドーム設備は無いので、その水分が戦局を左右する状況となり。
パッと見、遠目からは判らなかったものの、バックスタンド側のサイド(主に中盤の位置)ではボールが転がると激しい水しぶきが上がる状態のピッチ。
これにより(あくまで一部分ですが)、地上でのビルドアップの際にはボールが止まるという懸念を抱えながらの試合となりました。

その、地上でのビルドアップを展開する長崎。
入りこそ、センターバックから右サイドへ送られるパスは、水しぶきを上げながらもしっかりと転がりモヨマルコムに渡るなど影響は小さく。
それでもピッチ状態を考慮してか、前半7分にはモヨマルコムが自陣からドリブルを仕掛け、多少強引ながら2人剥がした末に右ポケットへ切り込み。
奥からのクロスは流れるも、逆サイドで拾って継続の末に、米田のクロスをファーサイドで合わせたモヨマルコム。
そのヘディングシュートはGK市川にキャッチされたものの、雨もなんのそのという推進力を見せ付けました。
思えば2分の最初の長崎の好機も、米田が自陣からドリブルを仕掛けてのもの(その後グラウンダーでクロスが防がれコーナーに)であり、両SBの躍動がカギとなりそうな予感を膨らませ。

しかし止まない雨によりピッチ上の水分も増大し、その結果ショートパスが止まるという絵図が見られ始めるバックスタンドのサイド。
長崎は15分に、最終ラインでの繋ぎでその事態に見舞われ危うく奪われかけたものの、何とか事前に危機を防ぎ冷や汗。

これを好機と見た横浜FC、その後ハイプレスの意識を高めた事で、長崎はひたすらGK原田のフィードによるプレス回避を強いられます。
その結果、このフィードの跳ね返しによりペースを掴み始める横浜FC。
22分にはンドカの跳ね返しを拾った伊藤、そのままミドルシュートを放ち、GK原田がセーブし何とかCKに逃れ。
当然、福森の控える横浜FC相手ではCKは更なる絶好機を与えるのと同義であり、上げられるクロスに肝を冷やすという展開に。

結局20分台で横浜FCが得たCKは3本でしたが、いずれもシュートには繋がらずとなり。
苦しい時間帯を脱した長崎は、雨対策として本格的にロングボールを使ってのビルドアップを混ぜ始め。
34分櫛引のロングパスからセカンドボールを繋いでの攻撃、左サイドへの展開を経て笠柳がワイドで持ち。
カットインかクロスかの二択という所でクロスを選択した笠柳、ファーに上がったボールに増山が脚から跳び込んだもの僅かに合わず。
これで好循環を呼び込めたか、続く35分には横浜FCが敵陣でパスワークを展開するも、福森のパスミスを拾った事でカウンターに繋ぎます。(ジェズスのスルーパスにエジガルが走り込むもンドカがクリア)

迎えた37分、敵陣に押し込んだ状態から最終ラインで繋ぎ、田中縦パス→ジェズス受けて右へ→モヨマルコムドリブルで奥を突き。
上げられたクロスはクリアされるも米田が拾って逆サイドから……と、7分のシーンのような流れですが、米田のスルーパスに駆け込んだ加藤がスライディングでクロス→クリアを拾ったモヨマルコムが右からクロスとさらに続くクロス攻勢。
その最中に中央で増山がンドカのチャージを受けて倒れ込んだ事で、一瞬横浜FCサイドも意識を止めてしまったのが運命の分かれ道となったでしょうか。(試合を止めるべくのアピールをした選手も居た)
3本目のクロスで、ニアで跳んだ笠柳(ここにGK市川が跳び出すも触れられず)を越えたボールに、ファーサイドでエジガルが脚で合わせてゴールネットを揺らします。
分厚い攻撃をモノにした長崎、無敗(3節以降)を保つべくの先制点を挙げました。

やや納得し難い失点となった横浜FC。
その負の感情か、得点シーンの際に倒れ込んでいた増山は、その後も横浜FCサイドのスライディングを受けて倒れ込むシーンを幾度も発生させてしまい。

しかし当然ながらそんな態度(あくまで偶然でしょうが)が好循環を齎す事は無く、以降前半終了まで長崎の独壇場という試合展開になり。
水分の少ない左サイドで地上から前進し、幾度も好機を作り。
そして何度もCKに繋げるなど、先程の横浜FCのお株を奪う流れに持ち込みます。

45分、笠柳のスルーパスに走り込んだ加藤、先制のシーンと同じような左ポケット奥の位置でのクロス。
それを防がんとしたGK市川がかわされた横浜FC、撃たれれば失点という場面でしたが、大外に流れたため収めたエジガルは撃てず。(その後戻しからモヨマルコムがシュートもブロックされる)
失点により文字通り崩壊の危機といった横浜FCでしたが、何とか1-0のまま凌いで前半を終わらせます。
そしてハーフタイム、巻き返しを図るべく2枚替えを敢行。(中村拓・小川→村田・カプリーニ)

迎えた後半、村田の投入により山根が右ウイングバックへと移った横浜FC。
後半1分、ガブリエウ→ユーリ→カプリーニと助っ人3人で繋いだ末に左の村田へ展開し、奥へ切り込んでクロスが上がり。
早速投入された選手により齎されたこの好機、クリアボールを拾った井上を経由しカプリーニのシュートで締められます。(ブロックされCKに)

これでペースを掴んだ横浜FC、長崎の逃げのロングフィードを跳ね返して好機を作るなど、前半の良かった時間帯を思い出すかのように押し込み続け。
3分には再び村田が左からクロス、合わずに流れるも逆の右からガブリエウが今度は手前から角度を付けてのクロスがゴールへ向かい。
ニアでユーリがフリックに入った事もあり際どいボールとなりましたが、GK原田が惑わされずセーブして防ぎ。
6分には長らく敵陣右サイドでパスを繋ぎ、カプリーニのエリア内のロビングで乱戦に持ち込み。
クリアされるもエリア内にパスを送るの繰り返しを経て、高橋利がシュートしましたがこれも防がれ。(ブロック→GK原田キャッチ)

このまま同点まで辿り着きたい所でしたが、8分には自陣での繋ぎのミスでボールロスト。
これでショートカウンターに持ち込む長崎、エジガルが秋野とのワンツーで左ポケットに切り込み、反転ののちシュートを放ちましたがGK市川がセーブし何とか防ぎ。

これにより正気を取り戻した長崎。
横浜FCは前半よりも一層プレッシングの圧を強め、長崎の2CB+アンカーに対し1トップ・2シャドーがキッチリ嵌めにいく体勢を作り上げ。
それに対しても、唯一フリーマンのGK原田のパス出しや、エジガルが自陣に降りてのポストワークを絡める事でプレス回避の精度を高めます。
14分、降りてきた笠柳への遊びのパスののち、櫛引縦パス→エジガルポストプレイ→ジェズススルーパスと本命の繋ぎで右奥を突き。
受けた増山が溜めを作ってクロス、ファーで合わせにいった笠柳は撃てずも、こぼれ球をエジガルがシュート(GK市川キャッチ)してゴールを脅かし。

長崎のリードを広げるべくのプレッシャーにより、横浜FCも矛が鈍ってきたでしょうか。
12分にカプリーニが右からのカットインでシュートレンジに持ち込んだものの、クロスかシュートか中途半端なキックとなってしまい、ゴール左へと外れ。(もしかするとコントロールショットにも見えましたが)
その後もボールポゼッションは高まるものの、クロスに辿り着くのがやっとという攻めを繰り返し。
(19分に長崎は笠柳→松澤へと交代)

その均衡を崩しにいったのが、やはり福森の悪魔の左足。
22分、中央へとミドルパスを送った福森から、高橋利の落としで一気にエリア内を突く攻撃。
これは跳ね返されるも、拾ったユーリの前進を反則で止めてしまったエジガルにより、絶好の直接フリーキックを得ます。
当然ながら蹴るのは福森(一応右足の山根もキッカーの位置に)で、この中央やや左寄り・エリアから近くの位置で放たれたシュートが壁を越えてゴール左へ。
しかし落ちきらず僅かに上へと外れてしまい、モノに出来ず終わりました。

冷や汗を掻いた長崎サイド、26分にジェズス・エジガル→澤田・フアンマへと2枚替え。
同時に横浜FCも、井上→中野へと交代します。

攻撃的な中野がボランチの位置に投入された事で、一層の攻めの姿勢を見せた横浜FC。
しかしそれが良い方向に流れるとは限らず、長崎の好機が続きます。
28分にモヨマルコムがミドルパスをカットしたのち縦に素早く前進、スルーパスに走り込んだ澤田が放った右ポケットからのシュートがゴールポストを直撃。
30分には裏へのロングパスを収めたフアンマを、防ぎにいったンドカが激しく寄せるも、結局フアンマの前進をオブストラクション気味に阻み倒してしまった事で反則・警告。
これで通算4枚目で次節出場停止と被害も広がりますが、当面考える事はこの試合で勝ち点を得る事のみであり。

突破力を発揮し辛いボランチに入った中野ですが、33分にはロングパスを左奥で受けた村田からの戻しを受けると、カットインからの直進でポケットへ切り込み。(その後対応されクロスは上げられず)
村田の推進力に慣れられた感があったのを打破する切り札になり得ると思われましたが、その後は良くも悪くもボランチに徹して目立たず。
ならばと右に回った山根を活かさんと攻めますが、折角奥を取ってもそのクロス精度は今一つな山根により、これもフィニッシュに繋がる事はありません。
38分にはカプリーニとスイッチ気味でのパス交換を経て奥へ切り込んだ山根、シュートのように強く速いクロスをゴール前へ送り。
これをGK原田がパンチングでCKに逃れるという具合に、精度よりも思い切りの良さを前面に出した方が好結果に繋がるかのようでした。

次第に村田からの左での攻撃は尻すぼみとなり、それに釣られるように福森が上がって受ける事も減り。
(ンドカの反則以降)10分以上も攻撃機会を独占した横浜FCでしたが、それにより決定打に欠けゴールに辿り着けず。
そして終盤、気持ちが切れるかのように打って変わって長崎ペースへ。
敵陣深めでの左スローインによる攻防で、止めようとした山根が連続で反則を犯してしまうなど、焦りによりプレーを止めてしまい時間も進む結果を招き。
それを尻目に長崎は45分に最後の交代。
加藤・秋野→山田・瀬畠へと2枚替え、同時にその2人をドイスボランチとした4-2-3-1へとシフトします。

その山根の反則により、さらにFKからコーナーでキープに入るという具合に逃げ切り体制に。
何とかその流れを切った横浜FCは、左ポケットを取ったカプリーニにより左CKに持ち込み。
キッカー福森のクロスにンドカがヘッドで合わせたものの、撃ちきれず浮いてしまいモノに出来ません。

結局これが横浜FC最後の好機となり、1-0のまま試合終了に。
勝利した長崎、この日は自慢の攻撃力は影を潜めたものの、それでも接戦を制する形でチーム力を発揮。
これで4連勝・9戦無敗と、順調に昇格すべきチームへと育ってきた感がありますが、今後の展開は如何に。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第11節 大分トリニータvsいわきFC

2024-04-23 16:00:34 | サッカー視聴記(J2)

※前回の大分の記事はこちら(7節・岡山戦、0-0)
※前回のいわきの記事はこちら(6節・山形戦、0-0)

<大分スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節(千葉戦、1-1)は、yahooスポーツナビによると渡邉がトップ下の4-2-3-1だったとの事。
  • 野村が前節に復帰し途中出場。
  • 茂が前年からの長期離脱を経てついに復帰、ベンチ入り。

<いわきスタメン>

  • 水曜(4/17)にルヴァン杯2回戦(新潟戦、0-2)が挟まる。そこからの継続スタメンは石田1人のみ。
  • 前節(清水戦、2-3)の3-4-2-1からマイナーチェンジし、山口・谷村がそれぞれ一列上がっての3-3-2-2(3-1-4-2)で挑む。
  • 速水の負傷離脱が発表され、発生日不明だが全治3ヶ月との事。
  • ルヴァン杯2回戦で負傷交代(脳震盪)した杉山の詳細が発表される。

この日の大分のホーム・レゾナックドーム大分は、天候の影響で屋根が閉められての開催に。
そのため、それによる影響が放送席内(解説・増田忠敏氏)で熱く?語られる事となり。

曰く、サポーターの歓声が反響するので、ピッチレベルでコーチングがほとんど通らなくなるとの事。
それにより、出場選手達は監督が思い描く戦術の共有に難儀するという要素が加わり、難しくなったこの試合。
いわき・田村雄三監督が、ライン際で盛んに選手に声掛けをしていたのが印象的なシーンでもありました。
一方ホームの大分も、こうした環境で常にプレーしている訳では無いので、いくら片野坂知宏監督が喉が潰れんとばかりに声を上げようともほぼ同様の条件といえたでしょうか。

大分から見て左サイドでの攻防が多くなった立ち上がり、ライン際の攻防でスローインの数が膨らむ展開に。
その最中に五十嵐がボールを顔に当てた事で痛み、堪えながらもプレーを継続するという珍妙なシーンも生まれる中、ラインアウトを繰り返すボール。
全体的にも、所謂アクチュアリープレイングタイムの短い試合となりましたが、これも恐らくコーチングが出来ない故のセーフティなクリアが多くなった故でしょう。

そのスローインでの攻防で、前半8分大分の自陣からの左スローインで、投げられたボールをラフに蹴り出そうとした保田がキックミス。
これを拾った谷村から短い距離間で繋いだ末に、西川潤がカットインからミドルシュートを放ちましたが、惜しくもゴール左へ外れ。

環境が泥仕合を齎した感がありましたが、その対応力に一日の長があったのはいわきの方となり。
ひたすら押し込まれる展開を強いられた大分、11分に左からの大迫の低いクロスを、中央の西川潤の手前で戻って来た薩川が足でクリア。
しかしこのプレーで、着地の際に筋肉系トラブルを起こした薩川が負傷交代の憂き目に遭ってしまいます。
担架で運ばれた薩川を尻目に、早くも宇津元が同ポジションで投入されました。

フィジカルを生かしてのデュエルから、こぼれ球を素早くワンタッチで繋ぐという攻めが中心となったいわき。
そして前述のような、左の大迫からの鋭いクロスでスコアを動かさんとします。

いわきの流れとなって来たものの、その矢先の18分。
最終ラインから繋ぐ姿勢も見せ始めたいわきですが、その基点の五十嵐に対し、プレッシャーを掛けた宇津元が彼のフィードをブロック。
これが五十嵐を掠めてゴールラインを割った事で大分の左コーナーキックとなり、キッカー保田のクロスはライナーでゴール前を通過する際どいボールとなり。
GK立川がフィスティングで逃げた事で右CKとなると、ゴール前即ちGKの前に密集を作る大分。
絡め手を使いながら、クロスの跳ね返りを繋いだ末に松尾がミドルシュート(GK立川キャッチ)と攻め立て。

これで一転大分の攻勢となりますが、それでもタイトに寄せてくるいわきの姿勢には試合環境とは関係無く苦しむ事となり。
21分に宇津元のポストプレイが五十嵐に後ろから倒され、繋がってアドバンテージとなったその先でも保田が山口に倒され、結局反則で途切れ。
こうした激しいデュエルにより選手が倒れるシーンが続発した大分、既に負傷者を出している(接触無しだったとはいえ)事もあり募る苛立ちとの戦いも強いられた感があり。

迎えた31分、こぼれ球を拾わんとした弓場と大西が交錯し、弓場が削られる事となっていわきの反則に。
すると大分は側の長沢が怒りの様相を見せながら大西に詰め寄らんとし、一触即発の状況となってしまうピッチ上。
これに渡邉も呼応し、収まった後も主審へのクレームを続けるなど、そのフラストレーションは既に最高潮という感じが窺えました。

これを境にいわきへとペースが移り、今度は攻撃終了後も敵陣で奪い返し継続という具合に、大分陣内でのサッカーが続く状況に。
その中でゴールに迫ったのは西川潤で、立ち上がり同様に隙あらばミドルシュートを狙う姿勢で脅かし。
35分、大西の左からのクロスの跳ね返りをダイレクトでシュート。(弓場がブロック)
37分にはCKから大分のカウンターとなりかけた所を奪取して防ぎ、そのままミドルシュート(ゴール左へ外れる)と、まさに「ゴールが見えたら撃つ」という意識となっていたかのような西川潤。

それでも全体的にラフな攻めが目立っていたためか、40分台になるとその攻勢も止み。
お互い決定打が出ない流れになると、大分サイドも自陣からのフリーキックで放り込みを選択するなど、アバウトな姿勢への傾倒を見せるようになります。

迎えたアディショナルタイム、いわきがロングスロー→CKとセットプレーで攻め立て。
左CKからの二次攻撃、大西の逆サイドからのクロスをファーで照山が足で落とし、そして山口がダイレクトでシュート。
GK濱田がセーブ、跳ね返りを谷村が詰めてゴールネットを揺らしたものの、オフサイドを取られて無念のノーゴールに。
決定機を迎えましたがモノにならず、結局スコアレスで前半終了となりました。

流れの悪い大分は、ハーフタイムで2枚替え。
保田・松尾→小酒井・野村へと代えて巻き直しを図ります。

早々の後半1分、左サイドで藤原が裏へロングパス、走り込んだ宇津元のグラウンダーのクロスを中央で合わせた渡邉。
少ない手数による一気の好機を作ったものの、放たれたシュートはGK立川の正面で終わってしまいます。

その後も投入された野村を中心に、鋭いスルーパス一本でいわきの強度をスキップするように好機を作らんとしますが、オフサイドも取られるなどで実にならず。
いわきサイドも、3分に西川潤の反則気味のボール奪取でショートカウンター。
谷村がエリア内へ切り込んで放ったシュートが惜しくもゴール左へ外れ、という具合にゴールに迫り。

変化を付けに掛かった野村でしたが、10分に谷村に反則を受けると、激高して逆に谷村に報復行為のチャージをしてしまい。
これにより警告を受けた事で、谷村が腕を使ってチャージしていたのもあり、長らく主審に異議を唱えるなど納得出来ない様相でありました。
確かにいわきサイドは腕を使ってのディフェンスが前半から目立っており、何処かでカードを出して(前述の31分のシーンとか)一定の歯止めはすべきだとは思いましたが、野村サイドもそんな試合展開に乗れていないような一幕にも見え。

そしてそれがスコアにも影響したでしょうか。
直後の11分、いわきのロングパスを藤原がクリアミスし、拾った有馬が右ポケットを突く好機に。
バックパスを経て西川潤がシュート、ブロックされるも右CKで継続、という所で動くいわきベンチ。
有馬→近藤を投入し、フレッシュなターゲットマンの存在で打開を図る采配。
これが奏功し、このCKからの二次攻撃、後方からパスを繋ぐ最中に大西が弓場のアフターチャージを受けて反則。
これで右サイドからのFKと尚も続くセットプレーの流れ、キッカー大迫はファーサイド奥へ高いクロスを送り、そこに谷村が走り込み。
手前でパンチングにいったGK濱田でしたが、体勢悪く小さく弾いてしまったのが運の尽きで、すかさず近藤が詰めてゴールネットを揺らします。 
いわきにとっては采配もズバリというゴールで、ついにスコアを動かし。

リードした事で勢いに乗るいわき、16分にもショートカウンターを発動し、西川潤のラストパスから大迫がシュート(安藤ブロック)とゴールに迫り。
反撃したい大分ですが、元々流れに乗れていないのもあり、焦りの方が先に立ち。
そして逆に反則を量産してしまった事で、いわきに余裕を与える結果となりました。

そんな大分に対し、一方的に攻めるいわき。
25分、左スローインからひたすら敵陣でパスを繋ぎ、西川潤が右からカットインしてまたもミドルシュート。
これをブロックしたのがFWの長沢という面からも、同点どころか専守を強いられる絵図で、苦しいの一言であり。

この直後(26分)にいわきは2枚替え、大迫・西川潤→坂岸・白輪地。(谷村が一列降りてシャドーに)
何とかムードを高めたい大分は、27分に長期離脱から復帰したての茂の投入に踏みきります。
長沢と交代し、渡邉を1トップとした4-2-3-1へシフト。(野村がトップ下で茂は右サイドハーフ)

しかしその采配も実らず、28分には敵陣でパスカットした石田が、そのまま前進の末にミドルシュート(小酒井がブロック)とまたもいわきのショートカウンターにより左CKに。
そしてこのセットプレーで止めを刺され、キッカー坂岸のクロスが流れるも逆の右サイドから再度のクロス、これをファーサイドで照山が合わせヘディングシュート。
GK濱田がここもパンチングにいきましたが触れられずと、再びのセットプレーでの対応力が仇となり2点差が付く事となりました。

ビハインドが広がったものの、依然として反撃の糸口が掴めない大分。
32分に最後の交代を敢行し、渡邉→伊佐に代えるとともに再度4-4-2へシフト。
伊佐・宇津元の2トップで、右SHに野村・左SHに茂と、試行錯誤を重ねます。

それでもいわきペースが続くと、36分にはGK立川からショートパスによるビルドアップ。
大分のハイプレスをいなしていき、山口の大きなトラップで剥がしきる事に成功すると、そのままエリア内へスルーパス(白輪地が走り込むもクリアされCKに)と地上からの前進も冴え渡り。
しかし好事魔多しのように、この際エリア内に走り込んだ近藤が足を痛めてしまい、続行不可能となり。
負傷によるインアウトを強いられ、既に交代を準備していたものの取り下げを余儀なくされたため、担架で運ばれて直ぐの再開で数的不利での戦いに突入します。
それでもいわきのCKからだった事が幸いし、敵陣でボールを蹴り出して交代させる事に成功。
近藤・加瀬→大森・加藤への2枚替えで、これにより五十嵐が右ウイングバックに回り、山口をボランチに降ろしての3-4-2-1へとシフトします。(1トップは谷村で、白輪地・加藤がシャドー)

結局18分~42分の間、全く好機を得れないという時間を強いられた大分。
それが途切れたのちも、目立つのはハイボールの競り合いで痛む選手の続出(双方とも)と一向に攻勢を掛けられず。
仕舞には、ボールと無関係な所で五十嵐を倒してしまった茂が警告を受けるなど、ほろ苦い復帰戦ともなり。

最後は安藤が前線に上がり、パワープレイに全てを賭ける体勢を採ったものの、結局シュートは生まれる事は無く。
0-2のまま試合終了の時を迎え、いわきが勝利に辿り着きました。

この日はボール支配率でも上回るなど、フィジカル一辺倒からの脱却は順調である風のいわき。
しかし全体を通せば、パワーをもって大分を圧倒していたという印象であり、その特徴は健在。
類まれなパワーをどう生かすかという課題に真摯に向き合う事で、J2への順応を果たしつつあるでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第11節 ヴァンフォーレ甲府vsザスパ群馬

2024-04-22 16:00:59 | サッカー視聴記(J2)

※前回の甲府の記事はこちら(6節・長崎戦、1-1)
※前回の群馬の記事はこちら(9節・水戸戦、0-0)

<甲府スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節(熊本戦、3-3)出場停止だった今津がスタメンに復帰。
  • 遠藤がJ3・宮崎へレンタル移籍となり、7節(山口戦、0-2)をもって登録抹消。
  • 9節で負傷交代した井上の詳細が発表され、全治3~4ヶ月との事。
  • 前節負傷交代(脳震盪による)した神谷の詳細が発表され、やはり脳震盪との事で復帰時期は未定。
  • 同じく前節負傷交代したGK渋谷も、今節ベンチ外に。
  • 熊倉(日大)の来季加入が内定し、同時に特別指定選手となり9節(清水戦、0-1)から登録される。
  • ユース所属のGK宮下が2種登録となり、今節から登録されるとともに即ベンチ入り。

<群馬スタメン>

  • 負傷離脱していたGK櫛引が復帰し、前節(山口戦、0-4)のベンチ入りを経て今節スタメンに復帰。

ACLは敗退したものの、それに備えていた戦力をもって昇格を目指す。
そんなプランで挑んだ(と思われる)今季の甲府ですが、10戦で4勝止まり(3分3敗)とはやや不本意なものだったでしょうか。

しかしプランを乱す要素である負傷者の多発に見舞われたのは、完全に想定外といった所か。
正GKの河田のみならず、特にディフェンスユニットの被害が留まる所を知らずと、厳しい人選を余儀なくされる状況に。
ユース所属のGK宮下を急場凌ぎのように、2種登録・即ベンチ入りという措置を採る程となりました。
そういった後方の安定度に不安を残す状況なので、不振の群馬が相手とはいえ予断を許さない今節。

3-4-2-1への布陣変更から、特に立ち上がりはハイプレスを諦めるような格好となっている群馬。
この日もその例に漏れずとなり、結果ショートカウンターが持ち味の甲府としても、最終ラインからのビルドアップの精度が問われる試合展開が予想され。

前半2分早速その攻撃場面が訪れ、今津の縦パスの打ち込みから右サイドでパスワークに入る甲府。
結局ここは佐藤和が手前からクロスを上げるに留まるも、慎重な姿勢の群馬に対し、ゆったりとしたテンポから縦パスで変化を付ける攻めは有効となったでしょうか。
続く3分には左サイドで、スルーパスに走り込もうとした関口が佐藤亮に倒されて反則と、その甲府の立ち回りについていけない感が醸し出される群馬サイド。

そして6分、その差が歴然となるかのように、得意手のハイプレスを嵌める甲府。
左サイドで木村がパスカットに成功すると、戻しを経て逆サイドへパスを繋いでいき、右奥を取った飯田のクロスが低いボールで中央へ。
これをウタカが脚で合わせ、大畑のブロックに阻まれるも眼前にこぼれた所を再度シュートしたウタカ。
ゴールネットを揺らし、早くもスコアを動かす事に成功します。

これで0-0の時間を長くする事すら出来なくなった群馬。
止むを得ず、自身でのボール保持による攻撃に活路を見出さんとしますが、そこに襲い掛かる甲府のハイプレス。
ウタカ・三平・アダイウトンの3人で、群馬の3バックを監視しつつボランチへのパスコースを切るという、前年の町田を彷彿とさせるビルドアップ対策の体勢を採る甲府。
群馬もそれに対し3人の間に位置取りをズラしたボランチへとパスを送るものの、すかさず前に詰める木村のディフェンスに遭うという具合に、ボランチ経由での前進はあっさり頓挫します。

そして10分左サイドから前進を試みた群馬でしたが、高橋とパス交換したエドオジョンがスリップしてしまい、その隙に宮崎に詰められてボールロスト。
これで再びショートカウンターに持ち込んだ甲府、ウタカが中央へと向かうドリブルでバイタルエリアを急襲し、エリア内へラストパス。
アダイウトンのダイレクトシュートが炸裂し、ゴール右へと突き刺さります。
早くも2点差と、戦力・順位の差が露骨に現れるような展開に。

こうなると、前線の守備もハイプレスに舵を切るしかない群馬。
しかし甲府のビルドアップを阻む事が出来ず、縦パス→ポストプレイによる前進を次々と成功させられ、苦しい状態は尚も続く事となり。
14分には三平のポストプレイに対し後ろから激しくチャージするも、倒されながらも繋いだ三平によりアドバンテージ。
その後ウタカのスルーパスを受けた宮崎がポケットを取ってカットイン、ディフェンスでこぼれた所を木村がシュートし、GK櫛引がセーブ。
甲府の課題と(勝手に)予想した地上でのビルドアップによる攻撃も、悠々とクリアされる展開となります。

群馬は17分にやっとこの日初の攻撃機会を得た(左サイドからエドオジョンの前進を経て和田がクロス)ものの、直後の18分。
またも甲府のパスワークに翻弄され、何とか遮断するもその際に大畑がボールを腕に当ててしまいハンドとなり、フリーキックでピンチは継続。
この左サイドのFKからのクロスはクリアするも今度は右コーナーキックとなり、キッカー佐藤のクロスがニアサイドへ。
そして三平がピンポイントでフリック気味に合わせると、ここしか無いという軌道を描いた末に左サイドネットへと突き刺さります。
前線3人が全て得点を果たし、後方の不安を最前線の力でカバーするといったような甲府。

3点差となり、甲府が無理なプレスを仕掛けなくなった事で、以降ボールを握る事には成功する群馬。
しかし当然ながら「ボールを持たされる展開」の域を出ず、これを動かすには何とか1点を返して突破口を開く事が重要であり。

プレス位置を下げながら(加えて、サイドハーフが前に出ず)も、ボランチへのパスコースは依然として切ったままの甲府。
それに対し群馬は左では和田、右では田頭が降りてパスコースを作る事で対応します。
29分には左での前進から敵陣でサイドを変えるパスワークを経て、右サイド奥へ切り込んで佐藤亮がクロスを上げ、和田が中央からヘディングシュート。(ゴール右へ外れる)

しかしそれでは足りないと大槻毅監督が判断したか、30分に早くも動き田頭→山中へと交代、エドオジョンが右ウイングバックへと回り。
一種の喝のようなベンチワークでしたが、これにより右ワイドが流動的となり、佐藤亮とエドオジョンのどちらがビルドアップの出口となるかで甲府ディフェンスを混乱させ。
そして好機を連発した事で、何とかファイティングポーズを取り直したでしょうか。

それでも辿り着くのはクロスによる攻撃が精一杯で、その間にロングカウンター狙いに切り替えた甲府の圧力にも脅かされ。
35分には最終ラインでの繋ぎを経て、ロングパス一本でウタカが裏を取りにいったものの、GK櫛引の飛び出しによるクリアで難を逃れます。

このまま前半終了の雰囲気となるアディショナルタイム。
ハイプレスに出た群馬、平松が反則気味のボール奪取でショートカウンターの機会を得た事で、一騒動の種となり。
そして佐藤亮を経由し、パスを受けた和田がエリア内へ切り込んだという所で、今津のアタックで倒れてしまい。
しかし反則の笛は鳴らずと、群馬にとっては納得いかない場面と化してしまいます。
これが切欠か、前半終了後(ないしは終了直前?)に異議を唱えた大槻監督が警告を受ける事態に。
それでも場面的には、平松のディフェンスも反則になっても可笑しくないものだったので、帳尻合わせのような判定だと思えば仕方無いものだったでしょうか。

結局3-0のまま折り返す事となり。
巻き返したい群馬はハーフタイムでも平松→佐川に交代と動き、積極性を示す事でモチベーションを保たんとします。

迎えた後半のキックオフ、いきなり山中のドリブルが宮崎の反則を呼び込んだ事で、群馬の左サイドでのFKとなり。
クロスの跳ね返りを拾っての二次攻撃から、さらにエリア内への放り込みが乱戦を呼び込み、収めた城和がシュート。
ブロックされるも尚も繋がる群馬の攻撃、大畑の右からのクロスをファーサイドで佐藤亮がフリーでボレーシュートを放ち。
しかしやや左足アウトに掛けたためか、左ポスト外側を叩いてしまい決められません。

一方3点リードした時点から、ややもすると押され気味にも見える立ち回りの甲府。
群馬のベクトルの逆を突く体制を取っていた前半から、後半は自身でボールを持ち、群馬の前線を走らせる意識を強め。
GK山内も加わりながら、ハイプレスにも恐れず最終ラインでショートパスを繋ぐ事でそれを果たしていきます。

これにより前半の終盤ほど、攻撃機会を握れなくなった群馬。
焦りが増幅した事で、最悪の結果を招いてしまいます。
甲府のロングボールを確保した城和ですが、視野に宮崎が入った事でバックパスに切り替え。
しかしこれが実に読み易い選択となり、出足良く回り込んだウタカによりカットされ、さらに中塩がかわされた事でGKと一対一に持ち込まれます。
止むを得ず飛び出したGK櫛引のスライディングもかわし、無人のゴールへシュートを転がしたウタカにより追加点。
群馬の僅かな望みを折るかのような、4点目が齎されました。

さらに直後の19分、スルーパスで抜け出したウタカがまたも前に出て来たGK櫛引をかわすという局面を作り。
しかし今度は大畑が追走し、それをかわして角度の無い所から放たれたシュートはゴール左へ外れと、ハットトリックは何とか阻止します。

良い事尽くめといった甲府ですが、直後の20分には群馬のゴールキック、ロングフィードをマンシャが目測を誤り後逸してピンチを招き。(エリア内で佐川が拾いにいくもGK山内が抑える)
やはり後方は万全では無いという事が伺えるシーンとなり。
21分に再度交代する群馬、和田→北川へと代え、2トップとした事で4-4-2へシフトします。
当然ながら、攻撃時は3バックへ可変するという前年同様のシステムであり。

何とか反抗の機運を高めたい群馬でしたが、ここからミスが目立ち果たせず。
24分にパスミスを拾った三平から甲府がショートカウンターに持ち込み、アダイウトンがドリブルから強烈なミドルシュート。(GK櫛引セーブ)
27分には群馬がCKから攻め立てる(山中がミドルシュートを打つもブロックされる)も、佐藤亮がスリップしロストすると、甲府のカウンターを阻止せんとして反則。
すると佐藤和のロングパスで素早くリスタートさせた甲府、裏に蹴られたボールに対しまたもGK櫛引が飛び出してパスカットにいきゴールを開ける事態となります。
カットには成功するもこぼれ球をアダイウトンに拾われ、そのまま遠目からゴロでシュートを狙ったアダイウトンでしたが、ここは戻っていた中塩がカバーし失点は防ぎ。

甲府ベンチが最初に動いたのは31分で、アダイウトン・三平→鳥海・飯島へと2枚替え。
ウタカが選ばれないのは意外でしたが、それはその後も続き結局フル出場となりました。

積極姿勢が影を潜める甲府により、ボール保持から何とか反撃の目を掴まんとする群馬。
間を通すボランチへのパスも躊躇わず、攻撃を組み立てますがやはり苦しさを拭う事が出来ず。
32分には最終ラインでの繋ぎから大畑が対角線のロングパスで左サイドを突いての好機、一度は山中のクロスがクリアされるも再度のクリアを風間がブロックして二次攻撃。
そして高橋の縦パスを受けた北川が右ハーフレーンからシュートするも、GK山内のキャッチに阻まれます。

ここから甲府が長らくパスを繋ぐ時間に突入し、既に最後の交代を準備していた群馬サイドは長く待たされる事となり。
やっと攻撃権が移り、佐藤和の(北川への)反則で途切れた所で交代となりましたが、既に甲府も準備していた事で同時交代に。
群馬はエドオジョン・佐藤亮→酒井・高澤で、酒井が最終ライン・高澤がFWに入る事により大畑が右サイドバック・北川が右SHにシフト。
一方の甲府は飯田→三沢へと代え、木村が前年の愛媛時代同様の右SBに回りました。

時間も押し迫り、中塩のロングスローを活用し始める群馬。
43分にはそこから、こぼれ球を拾った大畑がシュートに持ち込み、ブロックで防がれるも尚も繋ぎ二次攻撃。
そして左からの中塩のクロス、大外で大畑が合わせヘディングシュート、これもブロックされ尚もゴール前にチャンスボールが転がりましたが詰められず。

直後に甲府も最後の交代を敢行し(木村・佐藤和→ゴンザレス・山本)、いよいよ甲府の逃げきりの流れとなる最終盤。
しかしこれにより、宮崎が右SBに回る事となったのが守備固めにしては違和感があり。(点差もあったためテストの一環か)

こうして突入したAT。
後は逃げるだけという甲府も、またも好機に持ち込みウタカのミドルシュートが炸裂、GK櫛引がセーブしたこぼれ球を鳥海が拾い。
ボックス内で鳥海シュート(中塩ブロック)→ウタカシュート(酒井ブロック)と追撃も放ち、5点目こそ決められずも盤石のように見えた流れ。

しかし群馬も必死に、クロス攻勢に持ち込んではCKや中塩のロングスローと、ゴールを狙う姿勢は保ち続け。
そして最後の好機、右スローインながら中塩が逆サイドまで来てロングスローを送ります。
この執念が実り、誰も触れずに(ここもクリアにいったマンシャが触れず……)流れて来たボールをGK山内が慌てて弾く格好となり、これを北川が詰めた事でゴールネットを揺らし。
そして試合終了の笛が鳴るという具合に、ラストワンプレーで1点をもぎ取った群馬。
大勝した甲府でしたが、後方の不安定さは完全には払拭出来ずとなりました。

意地は見せた群馬ですが、それでもまだ今季1勝のみという現実は健在であり。
前年はあれだけ町田・清水といった上位相手にも一歩も退かずの戦いを繰り広げ、それが昇格争いのモチベーションに繋がっていた感がありましたが、今季は最下位の徳島に勝利した(7節、1-0)のみでほぼ雲散霧消状態。
逆にこの日の敗戦で最下位となり次節は上位の長崎が相手と、踏ん張りどころとともに、結果次第では一種のフロントの判断を招くカードとなるかもしれません。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第10節 いわてグルージャ盛岡vsFC大阪

2024-04-20 16:09:36 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

1年で終わったJ2生活を経て、岩手のJ3での歩みはどうなったか。
監督としてその場に持ち上げ、そして戦い抜いた秋田豊氏が社長へ転身したという人事政策からも、継続性を保つべくの思惑が感じ取れます。

その選手編成を見てみると、前年途中での西・深津の加入を皮切りに、有名選手の獲得に舵を振ってきたという印象。
今季も都倉・GK大久保・高橋とその路線そのままに、戦力に加える事で何とかチーム力に還元しようという立ち回り。
しかし未だその成果は表れず、成績面はおろか興行の面(集客)でも伸び悩み。
前節ようやく2勝目を挙げる(奈良戦、2-1)という具合に、昇格争いに加わる事は難しい滑り出しとなりましたが、巻き返す術はあるでしょうか。

この日は反面、出だし好調のFC大阪との一戦。
キックオフからラフなボールの応酬に突入すると、前半2分にオタボー狙いのロングパスのセカンドボールを拾って岩手の好機に。
右サイド奥を突いた加々美の横パスを受けたオタボー、ポケット奥からマイナスのクロスを送ったものの、中央に走り込んだ新里は合わせられず。

まず一つ形を作った岩手。
異様なまでの堅守が特徴のFC大阪相手だけに、こうして乱戦の様相を生み出す事により崩しを図りたい意図があったのでしょう。
しかしオタボー狙いのロングボールに傾倒する攻撃姿勢に、以降その反動を嫌という程浴びる事となります。

つまりはトランジションの連続により、相手のみならず自身も陣形が乱れがちとなり、その隙をFC大阪に突かれる事が多発。
FC大阪もロングボール中心の振る舞いは変わらずですが、それを送るのはGK永井からという局面が圧倒的に多く。
岩手がストーミング気味にプレスを掛けて来るので、戻しから素早く永井が裏を突く事で、簡単にひっくり返して好機に持ち込む事が出来。
憚らずも、「早く攻めようとすれば、それだけ早くボールが自陣に帰って来る」という事を証明するに至ってしまいました。

ロングボールで敵陣を急襲し、岩手のセーフティなクリアによりさらにロングスローに繋がるという具合に、短期間で数多攻撃機会を得るFC大阪。
地上での組み立ては10分に斉藤が縦パスを木匠に通し、左サイド奥を窺った末にポケットへスルーパスと、こちらもやはり縦に速い攻め。
走り込んだ舘野のマイナスのクロスをニアで合わせたのは、逆サイドから走り込んできた久保。
ここは左サイドネット外側に終わるものの、確固たる道筋があれば、ポジションチェンジでの攻撃もやり易いといった印象を残す久保のフィニッシュでした。

一方その間に、ロクに攻撃を組み立てられずにいた岩手。
ようやくやりたい事が見えて来たのが20分台で、それまでも何度か西が右ワイドに位置取りパスを引き出しに掛かるシーンがあり。
そして20分には左で前進する姿勢から佐古が中央へロングパス、裏に西が走り込むも跳ね返され、回収したのちは右サイドから攻め。
高橋のスルーパスにまたも西が走り込みポケットへ横パスと、2分の好機と似た局面を作りましたが、受けた高橋はディフェンスにあってクロスは上げられず。
薄いサイドを西に突かせるその姿に明確な狙いを感じながらも、同時に百戦錬磨の西のアイデアに頼る他無いという暗い影も見え隠れしているようであり。

結局岩手の流れは一過性で終わり、再び押し込むFC大阪。
主に得意手のスローインから好機を作り、26分にはロングスローフェイントから繋いだ末に、右ポケットを突いた下澤のクロス。
ファーでの落としを経て秋山がボレーシュート(枠外)と、センターバックがチーム得点王(2点、斉藤と同数)という状況を反映する攻撃。
28分にも今度は左から素直に(舘野が)ロングスローを投げ入れると、誰にも合わずバウンドした所を古川がシュートにいきましたが、その足が西に入ってしまった事で反則を取られ。

好調を維持するFC大阪でしたが、その後アクシデントに襲われてしまい。
30分にライン際にてスライディングで守備をした秋山が、そのまま筋肉系トラブルで起き上がれなくなってしまいます。
すかさず交代の措置が採られ、結局立ち上がれず担架で運ばれる事態となった秋山を尻目に、江川が投入されました。

そんな相手の乱れを突きたい岩手。
オタボーを中心にパワーを押し出す姿勢を高めましたが、FC大阪もそれに応戦した結果、激しいデュエルにより荒れ模様となる試合。
33分に木匠と高橋によりハイボールの競り合いで、木匠の腕が高橋の頭部付近に入ってしまった事により反則・警告となり。
その後も空中戦で反則を取られる場面が増幅したのは、よほどラフな姿勢が高まったか、ないしは審判が簡単に笛を吹く傾向に陥っていたかですが今回は前者のように見え。
その流れで岩手がフリーキックを得たのが37分で、右サイドからという位置でキッカー加々美がクロスを入れると、中央でこぼれ球となった所にオタボーが詰めにいくもクリアされて撃てず。
その後美馬が持ち上がりFC大阪のカウンターか、という局面で、戻ったオタボーがショルダーで美馬を倒しそれを止めて反則。
これにも警告が出るという具合に、やはり本来反則になり辛いショルダーチャージにもこうした判定が出る以上、前者の傾向が高まっていたのでしょう。

終盤に突入し、反則も増えて来た事で展開もラフなものとなり。
こうした展開ではやはりFC大阪の方に一日の長があり、その通りに再度押し込み。
アクシデントもあり長めのアディショナルタイム(目安4分)な中、守勢の岩手は集中を切らさない事が問われます。
そして浮き球が右往左往する空中戦となると、小暮の足でのクリアがあろう事か岩手ゴール方向に流れてしまう恐れていた事態が。
これに反応した武井がダイレクトでボレーシュートを放ちましたが、枠外に終わり決められずと、冷や汗を掻いた岩手。

結局スコアレスのまま前半が終了。
既に交代カードを使っていたFC大阪、ハーフタイムでも動き木匠→島田へと交代します。
やはりパワーサッカーのスタイルでは前線の消耗も早い、という事が伺え。

後半も大きくは変わらない立ち回りの下、優勢に立つFC大阪。
岩手は早々の後半1分に、久保のドリブルを反則で止めた小暮が警告を貰う等苦しみを変えられず。
何とかディフェンスリーダーの深津を中心に凌ぐなか、気を付けたいのはミスとともに相手の変化を付けた攻撃。
5分に左スローインからのFC大阪の攻撃、ロングスローは行わずに舘野は島田に返されたボールをさらに戻し、武井が遠目からエリア内へロビングを送り。
手前からのクロスに見えたそのボールは一気にゴールを襲い、僅かに上に外れてまたも冷や汗を掻く岩手。

岩手は攻撃も、西を右ワイドに張り出させて人数を掛ける姿勢に活路を見出すのは変わらず。
9分にそこからパスワークに持ち込み、奥を突いた西がポケットへ横パスと変わらない流れから、受けた加々美がマイナスのクロス。
オタボーがニアに走り込んだものの、ディフェンスに入った江川を倒してしまい反則で終わり撃てず。

折角狙いを持った攻めもフィニッシュに繋げられずとあっては、劣勢に陥るのもある意味当然であり。
しかし11分、FC大阪の地上からの攻撃で、江川の縦パスからダイレクトに繋いでいく縦に速い前進。
しかし久保へのパスを小暮がカットした事で逆にカウンターに持ち込む岩手、西のスルーパスを左サイドで受けたオタボー、そのままカットインして左ハーフレーンからミドルシュート。
ゴール左へ外れたものの、逆にFC大阪に「素早く前に運ばんとした反動」を植え付けるに至ります。
直後にFC大阪はまたもベンチが動き、田中→利根へと交代。

FC大阪は原点に立ち返るように、再度GK永井のフィードによる攻めで押し込み。
そこから繋がるロングスロー・コーナーキックからフィニッシュを浴びせ、有利な展開に戻さんとします。

対する岩手は18分、小暮のボール奪取からショートカウンターに持ち込み、小松→西と経由して新里がミドルシュート。
GK永井のセーブで、この日初のCKを得るという具合に、徐々にFC大阪の守備が薄い状況を突ける流れに持ち込み。
しかしこのCKからFC大阪がカウンター、美馬のラフなロングパスに久保が走り込むと、岩手のクリアミスもありこれが繋がり。
そして左奥を突いたのちの戻しから下澤がミドルシュート、ブロックされるもこぼれ球を確保し、舘野がさらにシュート体勢に入った所を西に倒されて反則。
シュートを妨害した形でしたがカードは出ずと、西のマリーシアぶりを改めて実感した場面でしたが、引き続き直接FKでFC大阪の好機は継続。
キッカーの位置で、下澤のスルーを経て蹴ると見せかけた舘野は中央への横パスを選択し、ダイレクトでの古川のミドルシュートがゴールを襲い。
これをGK大久保がセーブ、さらに齊藤が詰めにいきましたがオフサイドと、間一髪で凌いだ岩手。

優勢に立った中で、あの手この手でゴールを狙うFC大阪ですが、ここまでスコアレス。
鉄壁の守備力は健在なものの、4試合連続スコアレスドローも記録した今季のこれまでの戦績が、再度頭を過る展開ともなります。

一方岩手は巻き返しを図りベンチが動き、22分に高橋・小松→桐・松原へと2枚替え。(桐は左ウイングバックに入り、小暮が右WBに回る)
左サイドをテコ入れしたその采配どおりに、以降左からの前進を増やし変化を付ける岩手の攻撃。
26分には桐が松原とワンツーで左奥へ切り込んでカットインと、交代選手の力で好機を作り。
そのままポケットへ進入した桐でしたが、追走した美馬のディフェンスで倒れ、反則の笛も鳴らずに終えてしまいます。

何とか好循環をモノにせんと、直後に小松→都倉と再度交代カードを切る岩手。(オタボーがシャドーにシフト)
しかし勝負に出たのが裏目に出てしまったか。
あくまでペースを維持するFC大阪、29分にまたもGK永井のロングフィードからの攻めで、久保がこれをフリックで敵陣へ送り。
そして中央で持った利根が溜めたのち右スペースへ展開し、走り込んだ久保のマイナスのクロスで受け直す利根。
そこは既に右ポケットと絶好の位置でありながら、防ぎに来た岩手ディフェンス2人(新里と佐古)をフェイントで剥がすという具合に、焦りを全く見せずのプレーの末にシュート。
これがゴール左隅を突き、ポスト内側を叩いてネットに突き刺さった事で、とうとう先制点に辿り着きました。

失点場面でも必死に食い下がったものの、及ばずという流れに陥った岩手。
何とか、ターゲットをオタボーから都倉に代えてのロングボールを送って反撃体制を取るものの、依然としてペースを掴めず。

逆に、35分にFC大阪のセットプレー(FK)の好機から、クロスを収められなかった齊藤のこぼれ球を拾った松原のドリブルでカウンター。
スルーパスを受けたオタボーが右ポケットに切り込む(その後パスに切り替えもシュートには辿り着けず)好機となるも、やはりFC大阪の堅守の前に能動的な崩しは厳しく、こうしたトランジションを突くしかない事を示すかのようでもあり。
直後に深津がスタミナ切れか交代となり、深川を投入します。(同時に新里→安達へと交代)

前半にも訪れた、反則量産の流れは後半も健在で、38分には桐がパスを受けた所を久保が倒してしまい反則。
すると勢い余った久保がボールを蹴り出してしまい遅延行為で警告と、リードしている側のFC大阪もその精神状態は決して楽では無く。
直後にFC大阪が最後の交代を敢行、下澤・古川→禹相皓(ウサンホ)・武へと2枚替え。
その後ハイボールの競り合いでの都倉に対する江川の反則で岩手のFK(左サイドから)となるもモノに出来ず。
その流れで、禹が自陣で浮き球をクリアした際に深川に倒されて反則・警告と、エアバトルでの反則が異常に目立っていたこの日。

この反則の流れはまだ続き、今度は42分にチャンスエリアで久保が安達に倒された事で、直接FKの絶好機を得たFC大阪。
中央やや左寄りという位置から直接狙ったのは禹で、ゴール左下を襲ったこのシュートをGK大久保がセーブ。
その後のCK、時間稼ぎも含めたショートコーナーからのパスワークを敢行するも、遮断した岩手が矢印を反転させ。
そして左サイド奥まで運んだ末にCKまで持っていき、CK攻勢に突入してその3本目の右CK。
キッカー安達のクロスをニアで西がフリック、浮かせた所に中央で都倉が跳ぶという流れるような攻撃も、GK永井も跳んでキャッチした事で両者交錯し反則で終了となります。

既に時間はATで、FC大阪は前掛かりな岩手の裏を突くロングパスでこちらもCKに持ち込むと、今度はキープの体勢で完全に逃げ切り体制に。
それをスローインも絡めて何度も続け、時計の針を進めたものの、最後はまたも反則絡み。
何とか敵陣に運び返した岩手は、左スローインからオタボーがドリブルで切り込む体勢に入った所、後ろから禹が腕でチャージして反則。
これによりエリアからすぐ手前という位置(左ハーフレーン)での直接FKとなるも、時間も押し迫り事実上最後のチャンスに。
これを蹴ったのはセンターバックの深川でしたが、シュートはゴール左上へと外れて、同点にする事は出来ませんでした。

そのまま試合終了の時を迎え、0-1で逃げきったFC大阪。
10試合で失点4と、その堅守は伊達では無い事を証明する試合となりました。

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