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DAZN観戦 2019年J2リーグ第40節 徳島ヴォルティスvs横浜FC

2019-11-14 19:55:42 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の徳島の記事はこちら(36節・岡山戦)
※前回の横浜FCの記事はこちら(32節・大宮戦)
※前回の両クラブの対戦はこちら(18節)

J1の舞台をほんのりと知る者同士の対決。

28節・福岡戦から12戦無敗、しかもその間に4連勝を2度達成(9勝3分)と、破竹の勢いでプレーオフ圏内にまでのし上がっている徳島。
勢いは確かに感じますが、野村を筆頭にヤンチャ者揃いという感じの陣容で、警告による出場停止で好調ぶりに水を差す傾向があるのは前回述べた通り。
大事な終盤戦、メンバーも固定気味になってきただけに、その愚は避けたい所でしょう。
この日はその野村の古巣である横浜FCとの上位対決。

立ち上がりの前半2分、横浜FCの攻撃。
ボランチ・佐藤の右への展開から右サイドバックの北爪がクロス、ブロックされてこぼれたボールを拾おうとした北爪、同じく拾いにいった徳島・杉本を倒してしまい反則。

この反則で幕を開けた事が、その後ヤンチャ者の血を滾らせる事になったのでしょうか。
野村は古巣対決という事もあったのか、闘志を前面に出すものの、それが反則ないしはスレスレのプレーに対する文句という姿で露わになる場面が多々。
それは今季横浜FCに加入した、特に因縁の無い大ベテラン・中村に対しても容赦無く。
中村の野村に対する反則(腕を引っ張っていた)に対しても、表情を荒げる野村に対し困惑の表情を浮かべる中村という場面は、ある意味最も印象に残ったものでした。

しかしこの試合、反則というファクターが牙を向いたのも事実。
21分、横浜FC陣内でのルーズボールに対し、横浜FCカルフィン・ヨン・アピンと徳島・岸本がスライディング同士で激突。(横浜FC側の反則)
両者負傷するという事態になり、共に復帰しヨンアピンは問題無くその後プレーしたものの、岸本はプレー不能となり29分に途中交代(藤田が交代出場)となってしまいました。

試合内容の方は、双方ボール支配を根底に置いたチーム同士の対決らしく、最終ラインからのビルドアップの応酬という展開を描きます。
ホームの徳島は、いつもの3バック(左から内田裕斗、ヨルディ・バイス、石井)を、内田裕に高い位置を取らせた上でボランチ(岩尾・小西)が降りて来るという攻撃。
そのため攻撃傾向は左サイド中心で、ウイングバック・杉本の跳梁も絡めて攻勢に。
14分の攻撃、バイス→内田裕→野村と渡り、野村のスルーパスを受けた渡井がエリア内左に入ってグラウンダーでクロス。
野村が合わせるもブロックされ、跳ね返りを杉本がシュートするもGK南が足でセーブして防がれる、という場面が代表例だったでしょうか。

一方の横浜FC、4バックという事で、主なビルドアップは2CB(ヨンアピン・伊野波)とドイスボランチ(中村・佐藤)。
4人がボックス型を形成しつつ、両サイドバック(右北爪・左武田)を上がらせるという形が基本形でした。
以前は丁の字型が見られたものの、中村の起用とともに変化を見せたのか、あるいは田代が不在だからなのか。
前半こそ中村のスルーパスが散見されましたが、後半は決定的なパスを送る役目は佐藤に移っていました。

前半も終わり際になって、徳島が怒涛の攻撃。
流れの中からシュートまで持っていけない一方で、40分以降は反則を受ける場面が頻発、直接フリーキックを3本得て横浜FCゴールに迫ります。
43分、左サイドでエリアからやや手前という位置で野村がクロスを上げ、GK南が飛び出すもボールがこぼれます。
それを杉本が詰めにいくも辛うじてクリア。
アディショナルタイムに突入(岸本故障のため5分と長かった)し、右ハーフレーンでエリアから直ぐ手前という近い位置で得た2本目。
野村・小西だけで無くバイスまでがキッカーの位置に着く中、小西が直接シュートを狙いますが、壁に当たってモノに出来ず。
その後もう一本得ますが、決定機とはならず。
結局前半はスコアレスで終えます。

押し込まれた横浜FCは、後半になって反撃体制。
先程述べたように佐藤が前線へ縦パス・スルーパスを送る場面が目立ち始め、それに3人の若きオフェンシブハーフ(松尾・中山・齊藤功佑)が反応し好機を作るという得意の形に。
佐藤自身も後半6分、右サイドを突破した中山のパスを受けてミドルシュートを放ちます。(ゴール右に外れる)

11分、後方でパスを散らせた後ヨンアピンがロングパス、FW皆川が落としたボールを齊藤功が拾うも一旦戻されます。
そして受けた佐藤は右サイドへスルーパスを通そうとしますが、徳島・内田裕にカットされて繋がらず。
23分、再びビルドアップから右サイドを使い、徐々に敵陣へと押し込んでいった後北爪のバックパスを受けた佐藤。
縦パスを齊藤功に通し、齊藤功はエリア内に進入するも、徳島ディフェンスに囲まれて阻まれ得点ならず。

1年間J1を戦ったのが遠い昔になりつつある(2007年)横浜FC。
当時を知る選手は三浦知良ただ一人(10年以上も経っているのだから居ないのが当然ですが)。
南・松井そして今夏の中村と、過去の名選手が集まったかのような編成になっているのは、必然である世代交代の波に逆らうかのようでもあります。

そんなクラブの指揮を今季途中から執る事となった下平隆宏監督。
ポゼッションサッカーを横浜FCに持ち込む事で、一本芯を通す事に成功したのが好調の要因なのは確かでしょう。

かといって、無闇にポゼッションを押し出したりはせず。
就任当初こそ、3トップでボール支配を重視したシステム(今季ではヴェルディや京都で見られたシステム)を採りましたが、それはあくまで「芯を通す」という作業の過程でのものだったと思われます。
そして現在の4-2-3-1のフォーメーションにシフトし、最終ラインのビルドアップ力を維持しつつ、オフェンシブハーフの飛び出し・1トップのポストプレイを絡めた攻撃を展開。
こうしたバランスの良さで、「得点を取るためのポゼッション」に巧く昇華させ、チームをJ1昇格に導かんとしている現在。

30分、再び佐藤が前へスルーパスを送るも、徳島・石井がスライディングでカット。
この時点で横浜FCサイドは、切り札といえるレアンドロ・ドミンゲス(以下Lドミンゲス)をスタンバイさせ、1点を取りにいく姿勢を見せていました。

しかしその最中に試合が動きます。
右サイドからのスローインを受けに入った皆川がフリックし、追い越した中山へ渡ると齊藤功へとパスして右サイドを突破。
齊藤功がグラウンダーでクロス、走り込んだ中山がスルーしたボールは、ファーサイドの左SB・武田の下へ。
武田は躊躇なく左足を振り抜くと、シュートはGK梶川に弾かれるも勢いそのままにゴール。
大事な先制点をついに手にした横浜FC。
そしてその直後に齊藤功→Lドミンゲスへと交代。

徳島側は既に2枚交代しており(2枚目は河田→清武)、勝負手は小西→内田航平。(37分)
ディフェンスにカードを切ったと思ったら、CBのバイスをFWへと上げる策を敢行します。

攻勢を強めんとする徳島でしたが、先んじてFWの位置で起用されていた清武が、周囲との連携が今一つな場面を露呈。
パスワークに加わるも、パスミスやボールロストが多く、徳島は流れを掴めず時間だけが過ぎていきます。

44分内田裕がドリブルからパスを出し、野村のフリックから清武・渡井・野村がパス交換するも左サイドへこぼれます。
それを杉本が拾い、彼のクロスに合わせにいったのは清武でしたが、届かずにボールは流れ攻撃終了。
アディショナルタイムには中盤からのフリーキック、放り込みと見せかけて左サイドから攻撃し、再び杉本のクロス。
今度はヘディングシュートに持っていった清武でしたが、ボールは威力無くゴール右へ外れます。
名誉挽回とはならなかった清武、残念無念。

そのまま0-1で勝利に辿り着いた横浜FC。
これで残り2試合で4位集団とは勝ち点差6と、今後は2位の座を争う大宮とのマッチレースになる事でしょう。
前年の衝撃的なプレーオフでの敗戦を払拭する前に、何としても自動昇格を勝ち取りたい所です。


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