台北市役所から程近い、高級百貨店が立ち並ぶ街の一角にある安くておいしいベトナム料理を食べられるお店、武鼎越豐越南麺食館。

台湾市役所付近で働く人たちにとって強い味方のレストラン。お昼時は特にお店が混雑します。本格的なベトナム料理を台北でそれもお安く食べられるのは、台湾に出稼ぎに来ている外労と呼ばれている人たちのおかげです。今回はその事情を少し説明しながらきっちりと食レポもこなします。


評価

  • 味 7点
  • 予算 200台湾ドル/人
  • サービス 普通
  • 客層 現役世代

外勞とは?


出典:自由時報様

外勞とは外籍勞工の略で、いわゆる外国人労働者のことです。

台湾では2018年10月末のデータによるとその人口が70万人を突破しました。

(ちなみに日本では2018年10月末の厚生労働省の統計によれば、外国人労働者の数は約146万人で過去最高を記録しています。)

その外国人の人口比は、インドネシア人が一番多くて次にベトナムそしてフィリピンの順番になっています。

そして興味深いことに、女性外国人の数は男性の数の約1.5倍あります。


彼たちの主な仕事は、いわゆる3Kの仕事です。

(この日本語である3Kという言葉、台湾の中国語でも普通に使われていて、3K行業と呼ばれています。)

仕事場として一番多いのは製造工場での労働で、 台湾桃園国際空港でおなじみの桃園市には製造工場がたくさんあることからこの一帯は外国人労働者が特に多い地域となっています。

そして注目すべきは次に多い介護事業です。

少子化が叫ばれて久しい現在台湾での高齢者の数は右肩上がりに増えています。

その高齢者の福祉を支えているのがこの外国人労働者なのです。

これが男女比率で女性が多い理由ですが、介護現場で働いている外国人労働者のほとんどは女性です。

実際台北の街を歩いていても車椅子にのった高齢者のかたの介護をしている外国人女性労働者をよく見かけます。


時代とともに増えてくる外国人労働者ですが思わぬ副産物が生まれるのが、その外国人労働者をターゲットにした外食産業です。

台湾に詳しい方はご存知だと思いますが、台湾には外国の大衆レストランの数が非常に多いです。

普通のレストランではなく大衆レストランというところがポイントで、台湾では現地の方を対象とした本格的なお安い外国のお料理が食べられます。

ですので個人的には旅行者であっても、台湾に来たときこういった外国の大衆レストランでお食事をするのもいいのではないかと思っています。

これからも台湾飯では、台北のおいしくて安い外国料理のレストランをどんどんご紹介していきますので楽しみにしていてください。


どんなレストラン?


お店の外観

青い看板が台湾の夏空に映えます。

場所は地下鉄市政府駅の裏手に位置しています。

ここらへんは大衆レストランが多いので平日のお昼時にはサラリーマンの方でいっぱいになります。



店内の様子

微妙にベトナムを意識したつくりになっていますがそこまでのこだわりはないみたいです。

店内は、大衆ベトナムレストランとしてはかなり綺麗です。

建物自体は新しくはないので何回か改装を重ねてるのだと思います。



入り口右手レジのところには写真つきのメニューがありますが、これは一部で実際選ぶときは写真がないメニューを見ながら文字だけで判断しないといけません。


メニュー


メニュー

越式というのがベトナム式という意味で泰式というのがタイ式という意味です。

河粉とはベトナムの有名な麺、フォーのことです。

卓號のところにお座りのテーブル番号、内用(店内)のところにチェックをして、メニューの数量のところに必要な数字を書いていただいたら店員さんにお渡しください。

お会計は食べ終わった後にレジにてお支払いしてください。


お料理


越式生春捲(90元)

ご存知ベトナム生春巻き。

お米の皮がもちもちしていて中の具も丁寧に巻かれていて食べやすいです。

海老も新鮮そのもので、少し甘めのピーナッツソースとの相性も抜群でした。



越式鮮牛肉河粉(150元)

牛肉がたっぷり入ったフォーです。

スープはあっさり塩味で、たまねぎの甘さ、パクチー、ミントの香りが食欲をそそります。

味の濃さもちょうどよく、お肉と一緒に飲むとスープのこくが一段と強まり、麺料理としての完成度がぐんとあがります。

また麺がこのすばらしいスープに負けてなく、歯応え、のど越し、全てが調和している感じです。

個人的にはもう少し酸っぱくてもいいような気がしましたが、これだけは好き嫌いなのでなんともいえません。

ベトナム料理のお店でよくある小さめのライムの無料提供はこのお店ではありませんでした。



泰式酸辣牛肉河粉(150元)

タイ式の辛さと酸っぱさが混じった味付けのフォー。

こちらも薄切りのお肉がたくさん入っています。



辛さ酸味ともにそれほどではなく、辛いのが苦手な私でも問題なかったです。

スープのうまみは十分で最後までしっかりとうまみを感じる味付けでした。

フォーに関しては先ほどと同じなので省略します。


まとめ

台湾でなぜベトナム料理を食べるのかと疑問に思われるかたもいると思いますが、台湾は実は本格的な東南アジア料理がお安く食べられる場所なのです。

日本では考えられないぐらいのお値段で、本格的な東南アジア料理がいただけますので、こだわりがない人なら台湾でそれらのお料理をたべるのもぜんぜんありだと思います。

さすがに初めて台湾に来られる方にはおすすめしませんが、リピーターさんなどには自信をもっておすすめするレストランです。

今回は注文しませんでしたが、台湾人が発明したなんちゃってタイ料理の月亮蝦餅なども台湾だけで食べることができるお料理ですよ。



ごちそうさまでした。


武鼎越豐越南麺食館お店情報

営業時間
11:00-15:00/17:30-21:00

定休日
月曜日


最寄のMRT駅
市政府 BL18
台北地下鉄路線図

アクセス
MRT市政府駅4番出口から徒歩5分

住所
 台北市信義區永吉路30巷167弄2號