トチカガミのトチはスッポンの方言で、スッポンが眺める鏡ということらしい。不思議なに名前をもらったものだ。沼などに生える水草だが、絶滅危惧種に指定されている。神代植物公園の水槽でたくさん咲いていた。
(2019-09 東京都 神代植物公園)
トチカガミ
Hydrocharis dubia (Bl.) Backer
トチカガミ科トチカガミ属
トチカガミは北海道を除く全国の池、川に群生する浮葉性の多年草。
葉が丸いため、スッポン(鼈;方言でトチ)のカガミ(鏡)の意味から名前がついた。水温の高い時期はほふく茎を伸ばして広がり、水面を覆う。茎は淡緑色で水中を直進し、5~20cm位に葉と根を出す。葉はほとんど円形のハート型で濃緑で光沢がある。裏面気嚢(浮袋)があるのが特徴だが、葉が混み合って水上に伸びた葉(気中葉)では気嚢は未発達で、水上葉よりも葉の基部の切れ込みが浅い。花期は7~10月。花は白色で3枚の花弁を持つ。雌雄異株で雌花と雄花がある(写真は雄花)。越冬は種子または殖芽。
環境省レッドリスト(2012)「準絶滅危惧」、大阪府レッドリスト2014「絶滅危惧Ⅰ類」。