時の流れに目を向けると、時は過去、現在、未来の3つで捉えることができます。

1回の動作を時の流れに照らし合わせると、動作の開始、動作の途中(進行中)、動作の完了という3つの段階を考えることができます。

英語では動詞を語形変化させたり、助動詞を用いたりすることで、現在や過去、未来といった時を表現することができ、これに加えて、開始した動作が途中(進行中)の状態であるか、完了した状態であるかについても表現することができます。

現在形について

現在形とは、動詞の活用の5つ(原形、現在形、過去形、過去分詞形、ing形)の中の一つです。

英語で動詞の現在形を用いる意図として、『時に意識を向ける場合』『事実に意識を向ける場合』の2通りがあります。

それぞれについて解説します。

<現在形> 時に意識を向ける場合

時の流れに目を向けると、時は過去、現在、未来の3つで捉えることができます。

過去とは、既に過ぎ去った時間のことです。

未来とは、これから先に訪れる時間のことです。

現在は、今のこの時です。言葉を発する際は、その言葉を発したまさにその時点で、文章を書く際は、その文章を書いたまさにその時点になります。

現在や過去、未来という時の概念は、動詞の表す動作や状態がいつの時間のことであるかを示します。

さて、現在形を時に意識をむけて考える時、動詞が状態性動詞であるか、動作性動詞であるかを考慮する必要があります。

状態性動詞の現在形

状態性動詞の状態とは、変化する物事の、その時その時の様子です。

状態を時の流れに照らし合わせると、過去の状態、現在の状態、未来の状態の3つを考えることができます。

状態性動詞を現在形で示した場合、現在の状態を表わすことになります。

状態性動詞には次のようなものがあります。日本語で「~ている」という訳に該当するものです。

<状態性動詞の例>

<知覚動詞> see(~が見える), hear(~が聞こえる), smell(~のにおいがする)等

<心理状態の動詞> love(~を愛している), like(~を好んでいる), hate(~を嫌っている), think(~と思っている), believe(~と信じている), hope(~を望んでいる)等

<状態を表わす動詞> live(住んでいる), belong(属している), include(~を含んでいる), remain(~のままである)等

<存在・所有・認識を表わす動詞> be(~ている/ある), have(~を持っている), seem(~のように見える), own(~を所有している), possess(~を所有している)等

例文で確認してみましょう。

例文 <現在形 - 状態性動詞>

⑴ I like to travel alone. (私は一人旅が好きだ。)

⑵ He lives in Osaka with his mother. (彼は母親と大阪に住んでいる。)

⑶ We have a lot of work to do. (私たちはしなくてはならない仕事をたくさんかかえている。)

例文⑴では、過去や未来は関係なく、現在の時点で一人旅が好きだということが分かります。

同様に、例文⑵では、現在の時点で彼が母親と大阪に住んでいることが分かります。

例文⑶では、現在の時点で私たちがしなくてはならない仕事を沢山かかえていることが分かります。

動作性動詞の現在形

動作性動詞の動作とは、動きを伴なって何かを行うことです。

1回の動作を時の流れに照らし合わせると、動作の開始、動作の途中、動作の完了という3つを考えることができます。

また、1回の動作ではなく、日常的に繰り返される動作は習慣と呼ばれます。

動作性動詞を現在形で示した場合、習慣としての動作を表わすことになります。

例文で確認してみましょう。

例文 <現在形 - 動作性動詞>

⑴ She often takes a walk in the park. (彼女はよく公園を散歩する。)

⑵ I usually bring my lunch from home. (私はたいてい昼食の弁当を家から持ってくる。)

⑶ The super express starts at 8:45. (特急は8時45分に出る。)

⑷ In winter they enjoy skiing and skating. (冬になると彼らはスキーとスケートを楽しむ。)

例文⑴では、公園の散歩が習慣となっていることが分かります。

例文⑵では、昼食としての弁当の持参が習慣であることが分かります。

例文⑶では、特急が通常8時45分発であることが分かります。

例文⑷では、冬にスキーとスケートを楽しむ習慣があることが分かります。

以上のように、動詞の現在形で『現在という時』について言い表すことができます。

次からは、時に関係なく、事実に意識を向ける意図で現在形を用いる場合について説明していきます。

<現在形> 事実に意識を向ける場合

英語では、時とは関係なく、事実を述べる際にも現在形を用います。これを『直接法』といいます。(ちなみに、事実ではなく、非現実的な想像について述べる場合には、過去形を用い、これは『仮定法』と呼ばれます。)

『直接法』では、事実や一般的な真理を述べる場合に現在形が使われます。

例文で確認してみましょう。

例文 <直接法>

⑴ The earth moves round the sun. (地球は太陽の周りを回っている。)

⑵ Light travels faster than anything else. (光は他のあらゆるものより早く進む。)

⑶ Water boils at 100℃. (水は摂氏100度で沸騰する。)

⑷ Two and four makes six. (2たす4は6。)

⑸ A healthy person has an even pulse. (健康な人は規則正しい脈拍をしている。)

いずれの例文も事実や一般的な真理が述べられています。

現在形の説明は以上です。次に現在進行形について説明します。

現在進行形形について

現在進行形とは、動詞の活用の5つ(原形、現在形、過去形、過去分詞形、ing形)の中のing形と助動詞〔be〕の現在形を組み合わせて用いる形〔am/is + 動詞のing形〕です。

現在進行形は、動作が現在進行中であることを表わします。

したがって、基本的には動作性動詞に使われ、状態性動詞には使われません。

前に説明した通り、動作性動詞の動作とは、動きを伴なって何かを行うことです。

1回の動作を時の流れに照らし合わせると、動作の開始、動作の途中、動作の完了という3つを考えることができます。

また、1回の動作ではなく、日常的に繰り返される動作は習慣と呼ばれます。

現在進行中の動作を表わす現在進行形

動作性動詞を現在進行形で示した場合、1回の動作を考えると、その動作が現在進行中であることを表わします。

例文で確認してみましょう。

例文 <現在進行形 - 動作性動詞 1>

⑴ She is now playing the piano in her room. (彼女はいま部屋でピアノを弾いている。)

⑵ Someone is knocking on the door. (誰かがドアをノックしている。)

⑶ He is still sitting on the bench. (彼はまだベンチに座っている。)

例文⑴は、ピアノを弾くという動作が現在行われている最中であることが述べられています。

例文⑵では、今まさにドアがノックされていることが述べられています。

例文⑶では、ベンチに座っている状態が続いていることが述べられています。

現在の一時的な習慣を表わす現在進行形

繰り返される動作について考えると、現在進行形は一時的な習慣としての動作を表わします。一時的な習慣とは、将来的になくなることがあらかじめ分かっている習慣のことです。

現在進行形の現在進行中という状態は、言い換えると、何かを始めてそれが終わりを迎えるまでの途中の状態であると考えることもできます。

つまり、習慣として始まって、それが終わりを迎えることが意識されている一時的な習慣の場合は現在進行形を使うことによって、一時的である様子をはっきりと言い表すことが可能になります。

例文で確認してみましょう。

例文 <現在進行形 - 動作性動詞 2>

⑴ I’m currently working on a new project. (私は現在新しいプロジェクトに取り組んでいます。)

⑵ They are living separately now. (彼らは今は別々に住んでいる。)

⑶ They are having breakfast at eight this week. (彼らは今週、8時に朝食を食べている。)

例文⑴は、一時的に新しいプロジェクトに取り組んでいることが分かります。取り組みが近い将来に終わることが意識されています。

例文⑵は、別々に住んでいることが一時的なものであるという判断のもと述べられています。

例文⑶は、一時的な習慣として8時に朝食を食べている様子がうかがえます。何か一時的な用事によって、いつもと違う時間に朝食をとっているような印象です。

進行中の予定や計画を表わす現在進行形

現在進行形は、さらに『現在予定していること』『現在計画していること』を言い表すことができます。

先ほど説明しましたが、現在進行形の現在進行中という状態は、何かを始めてそれが終わりを迎えるまでの途中の状態であると考えることができます。

これを予定や計画に当てはめると、予定や計画の現在進行中とは、予定や計画を立て、それらが実行されるまでの間(途中)の段階であると考えることができます。

このような感覚で、まだ実行されていない予定や計画については、現在進行形を使って言い表すことができるのです。

例文で確認してみましょう。

例文 <現在進行形 - 予定や計画>

⑴ We are going to a musical show tonight. (私たちは今夜、ミュージカルに行く予定です。)

⑵ He is leaving for Paris tomorrow morning. (彼はあすの朝パリに出発する予定です。)

⑶ The department store is having a sale on December 28th. (そのデパートは12月28日にセールを行うことになっています。)

いずれの例文も、事前に立てた予定や計画が実行に向かっている様子が述べられています。

達成への移行を表わす現在進行形

状態の変化や動作が達成される方向に向かっていることを表現する場合に、現在進行形を使用する場合もあります。

現在進行形の説明の最初の方で、基本的には動作性動詞に使われ、状態性動詞には使われないと説明しましたが、このように状態の変化が進行中であることを表わす場合には、状態性動詞に現在進行形を使用することがあります。

このように達成への移行を表わすのに現在進行形を使う動詞には次のようなものがあります。

<現在進行形で達成への移行を表わす動詞>

<動作性動詞> arrive(到着する), fall(落ちる), go(行く), land(着陸する) , stop(止まる)

<状態性動詞> become(~になる), die(死ぬ), get(~の状態になる), lose(負ける), resemble(似る)

例文で確認してみましょう。

例文 <現在進行形 - 達成への移行>

⑴ The bus is stopping for two people to cross the street. (そのバスは2人の人に道路を横断させようとして止まりかけている。)

⑵ He is resembling his father more and more these days. (彼は最近父親にますます似てきている。)

⑶ He is dying of acute alcoholic poisoning. (彼は急性アルコール中毒で死にかけている。)

いずれの例文も、動作の達成や状態変化の途中の段階である様子がうかがえます。

現在進行形の説明は以上です。次からは現在完了形について説明します。

現在完了形について

現在完了形とは、動詞の活用の5つ(原形、現在形、過去形、過去分詞形、ing形)の中の過去分詞形と助動詞〔have〕の現在形を組み合わせて用いる形〔have + 動詞の過去分詞形〕です。

現在完了形は、過去に起こったことの影響が現在まで及んでいることを表わし、過去と現在に繋がりを与えることを目的としています。

したがって、単純な過去とは全く違う表現であり、現在完了形という名前の通り、現在に注目を置いていることに注意しなければなりません。

現在完了形には4つの用法があります。完了用法、結果用法、継続用法、経験用法です。 それぞれについて詳しく解説していきます。

現在完了形の完了用法

完了用法とは、過去の時点で始めた動作が、現在の時点にあるいは現在までに完了したことを表わします。

完了用法は、just(ちょうど)、now(今)、already(すでに)やyet(〔否定文で〕まだ/〔肯定文で〕もう)といった『瞬間』、『現在』や『完了』を表わす副詞とともに用いられることが多いです。

例文を確認してみましょう。

例文 <現在完了形 - 完了用法>

⑴ Your order has just arrived at our website. (ご注文はちょうど私どものウェブサイトに届いたところです。)

⑵ Have you eaten dinner yet? (もう夕食を食べましたか?)

現在完了形の結果用法

結果用法とは、過去の時点で完了した動作の結果の影響が現在の時点まで及んでいることを表わします。

例文を確認してみましょう。

例文 <現在完了形 - 結果用法>

⑴ She has lost her watch. (彼女は時計を無くして現在に至る。)

⑵ He has gone to the doctor. (彼は医者に行って今いない。)

現在完了形の継続用法

継続用法とは、過去の時点で開始した動作や状態が現在まで継続していることを表わします。

継続用法は、since(~以来)やfor(~の間)といった『期間』を表わす副詞とともに用いられることが多いです。

例文を確認してみましょう。

例文 <現在完了形 - 継続用法>

⑴ I have lived in New York for ten years. (私は10年間ニューヨークに住んでいます。)

⑵ We have never argued since we got married. (私たちは結婚してから口げんかをしたことがない。)

現在完了形の経験用法

経験用法とは、過去から現在に至るまでに経験したことについて表わします。

経験用法は、ever(これまでに)、never(1度もない)、before(以前), often(しばしば), once(1度)や~times(~回)といった『現在に至るまでの期間』や『回数』を表わす副詞とともに用いられることが多いです。

例文を確認してみましょう。

例文 <現在完了形 - 経験用法>

⑴ He has seen this movie three times. (彼はこの映画を3度見たことがあります。)

⑵ Before I entered high school I had seen her once. (高校に入る前に彼女には1度あったことがある。)

⑶ Have you ever been to Spain? (スペインに行ったことがありますか?)

⑷ I have never owned a car nor learned to drive. (私は車を所有したことはないし運転を習ったこともない。)

現在完了形と過去形の違い

現在完了形と過去形の違いが分からないという声を多数耳にします。

ここで、現在完了形と過去形の違いについて、解説したいと思います。

現在完了形は過去から現在に至るまでの過去と現在の繋がりを示しますが、過去形はあくまで過去のことであり、現在とは切り離された過去を示します。

現在完了形と過去形を例文で比較してみましょう。

例文 1

⑴ I have lived in Japan for 3 years. (私は日本に3年間住んで現在に至る。) <現在完了形>

⑵ I lived in Japan for 3 years. (私は日本に3年間住んでいた。) <過去形>

現在完了形の例文⑴は、過去のある時点から現在に至るまで住んでいるという過去と現在のつながりが意識されています。

過去形の例文⑵は、現在とは切り離された過去のある時点に住んでいたという単なる過去の事実を言い表しています。現在も住んでいることを表わす場合に現在完了形を用いるため、その対比として、過去形を用いた場合、現在は住んでいないであろうという意識が働きます。

例文 2

⑶ I have lost my watch. (私は時計を失くしたまま現在に至る。) <現在完了形>

⑷ I lost my watch. (私は時計を失くした。) <過去形>

現在完了形の例文⑶は、過去のある時点から現在に至るまで失くしたままであるという過去と現在のつながりが意識されています。

過去形の例文⑵は、現在とは切り離された過去のある時点に失くしたという単なる過去の事実を言い表しています。現在も失くしたままであることを表わす場合に現在完了形を用いるため、その対比として、過去形を用いた場合、現在は見つかっているであろうという意識が働きます。

例文 3

⑸ We have contracted with them. (我々は彼らと契約して現在に至る。) <現在完了形>

⑹ We contracted them. (我々は彼らと契約した。) <過去形>

現在完了形の例文⑸は、過去のある時点から現在に至るまで契約しているという過去と現在のつながりが意識されています。

過去形の例文⑵は、現在とは切り離された過去のある時点に契約したという単なる過去の事実を言い表しています。現在も契約が続いていることを表わす場合に現在完了形を用いるため、その対比として、過去形を用いた場合、現在は契約が終了しているであろうという意識が働きます。

現在完了形の説明は以上です。最後に、現在進行形と現在完了形が組み合わさった現在完了進行形について説明します。

現在完了進行形について

現在完了進行形とは、動詞の活用の5つ(原形、現在形、過去形、過去分詞形、ing形)の中のing形と助動詞〔have〕の現在形と助動詞〔be〕の過去分詞形を組み合わせて用いる形〔have + been + 動詞のing形〕です。

現在完了進行形は、現在完了形と同じで、過去に起こったことの影響が現在まで及んでいることを表わします。

現在完了進行形には2つの用法があります。継続用法継続完了用法です。

現在完了進行形の継続用法

継続用法は、過去の時点で開始した動作や状態が現在まで継続していることを表わします。現在完了形そのもので過去から現在への継続が表現できるため、継続の意味がありますが、現在完了進行形にすることで状態の継続を強調し、表現に臨場感を与えることができます。

例文を確認してみましょう。

例文 <現在完了進行形 - 継続用法>

⑴ I have been studying rainforests for many years. (私は熱帯雨林を長年研究し続けています。)

⑵ The police have been watching your movements for a week now. (警察はここで1週間あなたの動きを監視している。)

⑶ He observed that people have been arguing about abortion for centuries. (妊娠中絶(の可否)については何世紀もの間議論されていると彼は述べた。)

現在完了進行形の継続完了用法

継続完了用法は、過去の時点である動作や状態が継続していたことに意識を向けつつその動作や状態が現在に至るまでに完了する(した)ことを表わします。

例文を確認してみましょう。

例文 <現在完了進行形 - 継続完了用法>

⑴ I have been waiting to receive this letter for a long time. (私はこの手紙を受け取るのを長い間待っていました。)

⑵ Obviously somebody has been burning trash here. (明らかに誰かがここでごみを燃やしていたのだ。)

⑶ You have been grinding your teeth all night. (あなたは夜中ずっと歯ぎしりをしていましたよ。)

現在形、現在進行形、現在完了形、現在完了進行形の説明は以上になります。

最後に

冒頭で説明したように、英語では動詞を語形変化させたり、助動詞を用いたりすることで、現在や過去、未来といった時を表現することができ、これに加えて、開始した動作が途中(進行中)の状態であるか、完了した状態であるかについても表現できることが理解できたかと思います。

英語を機械的に日本語に訳すのではなく、助動詞と動詞の語形変化のこのような狙いを認識して英語に触れることで、それぞれの表現が使われる場面を意識でき、実践的な英語を理解する力を身に付けることができるようになります。英語話者の言語使用感覚が身に付くまで訓練を重ねましょう!

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