東洋医学

【東洋医学】七情(しちじょう)について解説します!

こんにちは!癒し師きゅうらくです!

今回は「七情(しちじょう)」について解説していきますね。

七情とは「七つ」の「感情」のこと。本来は感情なので、何の問題にもならないのですが、何かのきっかけで発病因子になってしまうのです。

これは東洋医学に限ったことではなく、西洋医学でもにたようなことはありますよね?

いわゆる「ストレス」です。ストレスも感情だけの話から、状況によっては体の方にも影響が出ますし、病気にもつながっていきますよね?

そんな「感情」と「体への影響」を関連づけているのが「七情」なのです。中医学(東洋医学)では七情が内傷疾病(ないしょうしっぺい)の主な原因にもなることが多いので「内傷七情(ないしょうしちじょう)」とも言います。

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七情(しちじょう)の種類

七つの感情なので、七種類あります。

怒(ど)・喜(き)・思(し)・悲(ひ)・憂(ゆう)・恐(きょう)・驚(きょう)の七つの感情をひとまとめにして、「七情」と呼びます。

本来は普通であれば何の問題もないのですが、「〜過ぎる」とその感情に対応した部分に悪い影響が出てしまいます。

人の感情と体の臓腑気血には、とても深い関係があるのです。

七情と五臓の関係

七情と五臓(肝・心・脾・肺・腎)とはとても深い関係があります。

その関係を簡単に説明しますと、以下のような文になります。

先に言葉の説明を。

主る(つかさどる)→すごく関係が深いこと

損傷する→悪い影響が出てしまうこと

 

肝は怒を主るが、怒り過ぎると肝を損傷する

心は喜を主るが、喜び過ぎると心を損傷する

脾は思を主るが、思い過ぎると脾を損傷する

肺は悲憂を主るが、悲しみ憂い過ぎると肺を損傷する

腎は驚恐を主るが、驚き恐れ過ぎると腎を損傷する

五臓との関係はこんな感じになっていますが、中でも「肝・心・脾」の3つを損傷させやすくなっています。

七情の発病メカニズム

七情が影響を与えるとどのようになるのかを簡単に解説していきます。

①怒(ど)

怒り過ぎると、肝気(かんき・肝に関する気のこと)が流れに逆らってしまいやすくなります。特に気血が上昇しやすく、意識不明などになりやすいです。

イメージ的には、怒って、カーッとなりのぼせがひどく倒れてしまったりするような感じです。

②喜(き)

喜び過ぎると、心気(しんき・心に関する気のこと)が緩み安定しないで、精神が一つに集中できなくなるために失神や狂乱を起こしてしまったりします。

このイメージが非常に分かりにくいかもしれませんが、心(東洋医学で言う「心臓」のこと)は精神的な関係がとても結びつきが強く、一つの方向に締まっていてほしいのです。喜び過ぎると気持ちがあちこちに乱れてしまうので、心に負担がかかりやすくなるのですね。

③思(し)

思慮し過ぎると、気の流れを悪くさせてしまい、心を傷めて(いためて)脾を損ないます。心気を損なうと不眠や多夢(たむ・夢をすごくたくさん見る)動悸・物忘れが起こりやすく、脾気を損傷すると食欲不振や上腹部の脹満(ちょうまん・ふくれること)が起こってきます。

簡単に言うと、思い悩み過ぎると眠れなくなったり・胃が重たくなってきたりする、現代人に多い症状です。鬱病(うつ)も多くはここから発展していくのがよくみられますね。

④悲・憂(ひ・ゆう)

悲しみ過ぎると、肺気が弱まり意気消沈するようになります。

肺気が弱まってしまうと、呼吸や肺の機能が落ちてしまうため気の流れなどが上手く全身に回らなくなるので、意気消沈のように全体的に落ち込みやすくなります。

⑤驚(きょう)

突然驚くと、慌ててしまいどうしたら分からなくなるような混乱状態になってしまいます。

急にびっくりするような感じの、とてもひどいバージョンなイメージですかね。取り乱す、と言う表現がしっくりきます。

⑥恐(きょう)

恐れ過ぎると、腎気が上手く止まらない(腎気不固・じんきふこ)状態になり、気が下に漏れてしまい二便(にべん・小便と大便のこと)の失禁が起こります。

ものすごく恐いことがあると、おしっことか漏らしてしまうアレです。腎気によって小便などは膀胱にとどめているので、恐れが強いととどめておけないので漏れてしまうというメカニズムになっています。

まとめ

人間の感情と体は深いつながりがあります。

心と体は繋がっているのです。

東洋医学では昔から、そのことを七情と五臓の関係として診てきました。

臨床上、特に覚えていて欲しいことは

「感情と関係深いのは肝・心・脾」

本当に多くの方が、影響として出ています。五臓を勉強しつつ、七情も関連するものとして覚えていけたら良いのではないかと思いますよ。