推定IQ70前後の「バカ」と呼ばれた母親

9月のお彼岸に母親が死んだ。母親が死んだのに正直ホッとして、悲しくて泣くことはなかった。母親らしい事は何もしてもらえず、幼い頃に母親に頼ること事を諦めた筆者。現在2人の子を持った筆者が母親に対して思った「やっぱりバカだったんだなぁ」というエピソードを綴っていきたいと思います。

これから人口血液透析を始める人へ:医療費控除などの制度のあれこれ

今まで散々私たち家族に迷惑かけてきたおとよさん。

最後、晩年に一つだけ良い事をしました。

それは「人工血液透析」をするようになったこと。

 

何故かというと慢性腎不全で人工血液透析をしていると、

それは国が指定する「特定疾病に係る高額医療費支給特例」による医療費の公的補助制度によって、毎月上限¥1万の負担でいいのです。薬代も申請すれば戻ってきます(やり方は自治体によって違います)。

毎月1万円以上支払わなくていいのです。

さらに透析患者は身体障害者1級となるので、自治体からのサポートも手厚く受けられます。

1級なので重度心身障害者医療費助成制度も利用できます。

これにより窓口で支払った医療費1万円が申請すれば戻ってきます(いくつか条件あります)

 

お金の負担がなくなりました。

 

たくさん調べて活用しましたので、経験談も踏まえ記す事で参考にしていただけたらと思います。

 

 

人工透析とは

 

(医療用語や機械の事など交えると難しくなってしまうので、おとよさんでも理解出来るくらいざっくり説明します)

 

糖尿病、高血圧、等のさまざまな病気により腎臓の働きが悪くなると慢性腎不全をいう状態になり、腎臓がほとんど働かなくなってしまいます。

この働かなくなった腎臓の代わりをしてくれるのが人工透析です。

 

では、腎臓が働かなくなると、どうなってしまうのか?

腎臓は色んな働きをします。

1番は「尿を作り出すこと」

尿は体の老廃物(毒素)を外に出してくれます。余分な水分も外に出してくれます。

腎臓が働かないということは、おしっこが作り出せないということ。

毒素も水分も体に溜まりっ放しです。

そして「尿毒症」という状態になります。

異常に気持ち悪い、吐く、怠い、酷くなると痙攣、意識もうろう、錯乱状態となってしまいます。

腎臓はその他にも、血圧を調整したり、血液を作ったりする働きもあるため、高血圧、貧血状態が顕著にでます。

 

貯まった毒素や水分を除去して血液を綺麗して体に戻す。

これが人工透析です。

 

透析の医療費

 

透析の医療費ってとても高額です。

血液透析は40万/月

腹膜透析は30~50万/月

(全腎協より引用)

健康保険を利用しても、3割負担だと毎月12万。1割負担でも毎月4万。

 

もし私が透析となって毎月12万の負担があったら、家族を犠牲にしてしまうことになります。

日々の生活が立ち行かなくなります。

食べることで精一杯で、娯楽なんで無理です。

子供に塾も通わせられない、大学なんで進学させてあげられなくなります。

 

年間480万~600万・・・。

この年収があればうちのような4人家族は生活出来ます・・・ね。

 

 

透析医療の公的補助制度

 

 

 「特定疾病に係る高額医療費支給特例」という医療費の公的補助制度

長期間にわたって継続しなければならず、著しく高額な医療費が必要となる疾病については自己負担限度額を通常より引き下げ。1万円(人工腎臓を実施している慢性腎不全の上位所得者は2万円)とするとこにより、医療費の負担の軽減を図る特例制度

 

この制度は、昔に透析患者が国に訴えかけて、勝ち取ったおかげだそうです。

本当に感謝します。

 

 

重度心身障害者医療費助成制度

この制度は障害がある方とその家族の経済的負担を軽減するため、医療機関を受診した場合の医療費の1部負担金を県と市町村で助成する制度

 

透析患者は身体障害者1級を取得できるので、この助成制度の対象となります。

 

つまり、特定疾病による高額医療費支給特例により、透析の医療費の負担が1万円となり、さらに重度心身障害者医療費助成制度によって医療費の1万円も申請すれば戻ってくるのです。

 

これらの制度がなければ、今頃、うちは皆共倒れになっていました。

(*自治体によって異なるので詳細はお住いの自治体でご確認お願いします。)

 

 

医療費補助制度の申請の仕方

 

おとよさんが透析になるとなった段階ですぐに市役所の年金課へいき、「特定疾病認定申込書」をもらってきました。

・うちは国民健康保険だったので市役所へ行きました。自治体によっては申込書をダウンロードできることろもあります。

国保以外の方は、加入している健康保険組合に問い合わせてください。

必要書類(加入している保険組合に確認してください)

・申請書(医師の意見欄もあり)

・印鑑

・保険証

マイナンバーカード(当時はなかったです)

(申請当時おとよさんは入院中だったので、本人確認書類として住民票も用意しました。)

 

市役所で身体障害者の申請も出来ることを教えてもらい、福祉課に行って「身体障害者申請書」「身体障害者診断意見書」も貰ってきました。

必要書類(住んでいる自治体に確認ください)

・申請書

・診断意見書

・写真(入院中だったので、外出してとった記憶があります)

・印鑑

 

身体障害者1級だと窓口で負担分の医療費も申請すれば戻ってきます。

この制度により、自己負担¥1万も戻ってきます。

実質¥0円です。

支払った医療費の領収書を持って市役所に申請に行くという手間はかかります。

食事作ったり、掃除したりの自分の身の回りの世話はしないくせに・・・。

こういう時だけ、タクシー券使って行ってました。

(*うちの自治体では身体障害者1級だとタクシー券がもらえました。)

 

 

書類の用意で市役所へ行き、

必要書類の記入してもらうため病院へ行き、

医師の記入をお願いしに行きました。

おとよさんに書類を書かせたり(本人記入項目もあり)

証明写真を撮りに行き(身体障害者手帳の顔写真です)

あちこち言って忙しかった記憶しかありません。

仕事しながらで大変だったけど、

透析すれば体が楽になって動けるようになるのかな?とか、

しんどくなくなるのかな?とか、

お金で困ることがへるのかな?

等と思い、おとよさんのためだから頑張った記憶があります。

 

 

おとよさんは透析になって苦痛だったと思います。

週3回通って、透析するために太い針を刺して、数時間拘束され・・・。

おとよさんの場合、食事管理も出来てなくて、また長年の糖尿病のため血管はボロボロで透析すると血圧が乱高下して、体力的にも大変だったようです。

透析の日は帰ってくると動けなくて寝込んでいたそうです。

 

 体調面では顔色は良くなりましたが・・・。

管理が上手に出来なかったので透析したからといってあまりよくはなかったようです。

お金の面では負担がなくなったので、家計は助かりました。

おとよさんは体を張って家族に迷惑かけないようしてくれたのでしょうか。

 

 

透析前の医療費負担

 

透析の前は糖尿病の治療や検査で何万もかかっていました。

糖尿病の薬もいい薬や新薬がでてきているようで・・。

お高いお金を払っていました。

入院になれば10万単位で請求され・・。

毎月「金がない」の電話があり、送金していました。

お金が次々持っていかれました。

お金がかかる割に、薬の管理や食事管理なんておとよさんに出来るわけでもなく…。

病気は進行していくばかり…。

そして59才にして透析患者となったのです。

自己管理の出来ないおとよさんは病気になり、管理もできず、病気を酷くさせて、透析患者となり…。

もう、これって家族からお金だけむしり取り、しまいには医療費搾取まで…。

とも思います。

実際、ここの医療費控除に対しての法的見直しを検討しているとかないとか…。(この件については私も思うことがあるので、別の記事にして記したいと思います)

 

 

透析後の医療費負担

 

透析患者となったおとよさんは

通院透析にしても、入院透析にしても、医療費負担なくなったのです。食事代やおむつ代等の金額だけの支払いのみ。通院しているときは手続きは自身で行いますが、入院すると病院側がしてくれるので、こちらは毎月3万程の入院費を支払うだけでいいのです。

(「特定疾病療養費」「重度心身障害者医療費助成制度」を病院側で手続きしてくれて、それを差し引いた状態での入院費の請求)

申請に行く労力もなくなりました。

 

この金額だと、おとよさんの年金でぎりぎり支払えるくらいだったので、私たちの持ち出しはなかったです。

 

 

考察

 

 

 これらの制度は透析治療に係った者として、本当に助かったし、ありがたかったです。

 一家共倒れにならずに済みました。

本当に感謝します。

 

これが少し前の時代で、今の医療の進歩がなければ、おとよさんは透析を始めた10年前に60歳を迎えずに死んでいたでしょう。

10年長生きできました。

透析のお陰で孫を抱くことも出来ました。

本当ならとっくに死んでいたおとよさん。

医療技術の進歩、医療費の補助・・・。

健康保険を収めている国民・・・。

 

いろんな方々のおかげで10年長らえさせてもらったこと・・・。

おとよさん分かってたかなぁ?

 

おとよさんのような自己管理の出来なくて透析になってしまった人は、なるべく透析にならないように努力しないといけないですね。

病気や事故で透析となっても、おとよさんのような辛い透析生活ではなく、快適な透析ライフを送るためにも、自己管理は必要です。

病院、医師のなすがままではなくて、

自分の病気、透析の知識を身につけて、食事や健康により気を使って生活して欲しいです。