スイス全国大会優勝者との初対戦!

<Photo by Filip Mroz on Unsplash> 

息子が先日、なんとスイス全国大会優勝者と初めて試合しました!

結果は、2/6 5/7のストレート負けでしたが、そもそも8人しかいないこのグループに2人も全国大会優勝者が入っていたことに筆者はびっくりです。しかも、全国大会優勝者相手ですから、1ゲームでも取れたらいいね〜くらいの軽い気持ちでコートに送り出していたので、7ゲームも取れたということに、筆者、完全に親バカモードです。

まさか、自分の子どもが全国大会で優勝できる選手といつか対戦できるレベルになるとは思ってもみなかったので、筆者にとって今回の試合は間違いなく記念すべき試合となりました。

スイス国籍がないのでスイス全国大会には出場できませんが、いつか全国大会優勝者に勝てる日が来るのかも?なんて、勘違いしています。でも、いいんです。誰かにご迷惑をおかけするわけでもないので、このまま、この幸せな勘違いをしたまま、家族で頑張っていこうと思います。

さて、備忘記録としてのおさらいです。
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  • どんな大会?(大会概要)
  • 1回戦目:対スイス全国大会U14予選出場者
  • 2回戦目:対スイス全国大会(冬季)U14優勝者
  • 今回の試合で思ったこと
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・どんな大会?(大会概要)

今回の大会は1日で終わる、最低2試合させてくれるU16の試合です。

参加者は全16名、8名の2グループに分けられました。息子は年齢は一番若い方でしたが、持っているポイントがやたらと高いので、一番上のグループにいれられてしまいました。息子のグループの第1シードは、なんと2019年冬季スイス全国大会U14の優勝者で、第2シードは、なんと2018年夏季スイス全国大会U14の優勝者でした。

筆者、このグルーピングに思わず笑っちゃいそうになりましたが、失うものは何もありませんし、良い経験ができて良いかな、と思うことにしました。

万が一初戦で負けても、負けた同士もう1試合させてくれますし、全国大会優勝者も参加するくらい良い選手が集まってくる良い大会、ということですよね。

しかし、この状況をプレッシャーと思わない息子に感謝でした。試合そのものを楽しめる子っているんですよね。筆者も、自分が中高生の頃は、地味な練習より試合の華やかな雰囲気が好きでしたが。こと自分の子どもとなると、どうしても心配してしまうので。

1回戦目:対スイス全国大会U14予選出場者

1回戦目の相手は、年上の格上選手でした。ポイントも息子よりもかなり高い選手でしたので、勝つのはそう簡単ではなかったと思います。でも、不可能ではないと思っていました。常に、そう思うようにしています。勝敗の予想はしないようになりました。

結果は、4/6 7/5 11/9、2時間40分かけて勝ちました。年上の選手によく頑張りました。相手は、全国大会の予選出場選手ですから、息子もそのレベルにいるという確認もできたので良かったです。

2回戦目:対スイス全国大会U14優勝者

2回戦目の相手は、2019年スイス全国大会(冬季)U14優勝者、同年代の格上選手でした。先ほども言ったように、1ゲームでも取れればいいね、とコートに送り出していたので、ストレートで負けたとはいえ、2/6 5/7は大健闘でした。

相手選手の身長は約190cm、特に1セット目は高速サーブに苦戦したそうです。また、通常のストロークも上から叩き込んでくるようなスピードフラット系なので、とてもよく頑張ったと思います。

この選手、戦歴を確認したところ、ほとんど海外で試合をしていました。おそらく、ヨーロッパツアーがメインかと思いますが、既に、ITFでガンガン試合に出ている選手に対し、それなりに戦えた、ということは息子にとっても大きな自信になりました。

今回の結果は、早々にクリスマス休暇に入っているコーチ陣にも報告し、「よく頑張ったね、良い休暇を!」とメッセージをもらいました。

・今回の試合で思ったこと

今回の試合で卒直に思ったこと。もしかしたら、現在のスイスのジュニアレベルはそんな高くないのかも?はたまた、息子のレベルが急に高くなったのか?

初戦で勝った選手、実は息子が大差をつけられて負けてしまった相手を、3、4人倒しているんですよね。今回がきちんとした実力勝負だったとすれば、息子は次回これらの選手たちと試合をしても、十分に勝算がある、ということです。息子のビギナーズラックかもしれませんから、過剰な期待をせずに、でも、常に勝てる可能性を感じつつ、これからの試合に挑んでくれたらいいな、と思います。

また、これだけ強くなっても、結局は世界に出ていくには、ITFのヨーロッパツアーなどを周らないらないといけません。お金かかりますね…スポンサーを引き付けるには、自分の世代で突出した戦績がなければなりません。スイスのスポンサー事情として、それぞれの世代のトップには手厚いサポートがあるらしいのですが、あまり多くの選手をサポートしてはくれません。この辺、幅広い選手層を支援する、アメリカ、スペイン、フランスとはサポート体制が大きく異なるようです。日本はどちらに近いのでしょうか。

フェデラーは母親がもともとスイステニス協会の職員だったことはスイスでは有名な話で、そのせいもあってか、スイステニス協会からのサポートは十分にあったようです。一方で、ワウリンカは、ほぼ自力で今のポジションまで上り詰めたようです。また、スイスのこの少数精鋭に対するサポート体制にはデメリットも指摘されており、少人数にしか目をかけない結果、多くのジュニアたちがそのプレッシャーに負けてテニスから離脱してしまう、ということも聞きました。そのため、フェデラーやワウリンカの下は、次世代が続いていないようなのです。

2003年生まれでトップのジェローム キム選手も、2017年ジュニアワールドテニスU14で望月慎太郎くんを倒し、スイスを優勝に導いているにも関わらず、2019年ウィンブルドンジュニアでは優勝を慎太郎くんに先を越されました。調べてみると、今年は出場すらしていなかったようです。最近どうしているのかな、と思いきや、今年の大人のデビスカップのダブルスにはスイス代表で出ていましたから、スイステニス協会のコントロールが強いのでしょうか。本人の意思もあるのかもしれませんし、怪我でもしているのかもしれません。いずれにせよ一ファンとして、今後も元気な姿をたくさん見せてくれるといいな、と思っています。

日本からIMGに送り出されいる選手も、皆が成功しているわけではありませんよね。スポンサーからサポートを受けなければ世界では戦えない一方で、スポンサーから支援を受けることでプレッシャーに押し潰されてしまう、ということもあり、選手個々のメンタルを無視できないのがテニスプロとしてやっていく難しいところなのかもしれませんね。

息子のコーチが以前、彼のクラブの名の下で、ジュニアにメンタルのプロはつけない、と宣言したことがあります。その理由は、今のジュニアたちはあまりに早い時期からプロの大人たちに囲まれ、大きなプレッシャーにさらされており、それが選手の自立を阻んでいること。自立した選手でないと、大人になってから自分のチームをマネージすることは難しい、とのことでした。また、メンタルのプロの指導を受けるべきはほとんど保護者であり、ジュニアの選手たちではないから、とまで言っていました。

今となっては、やはり彼の言うことは正しかったと思います。まず息子は、試合の振り返りをほぼ自分でできるようになっています。そのため、練習の課題も自分でほぼ明確にすることができます。それができるということは、試合中も自分の状況をかなり客観的に見られるようになってきているのではないかと思います。

2年ほど前、ある試合が終わった時息子に、「明日、試合の話をコーチとしなね。」と言ったことがあります。息子は関心なさそうに、「えーだって、◯◯(コーチの名前)、答え全然教えてくれないんだもん。」とふて腐れいていました。その息子の言葉を聞いて、なんて面白いコーチなんだろう、と思いました。なぜなら筆者も、今の子どもたちには、自分で考え、悩み、自分で答えを出す、というプロセスが必要だと思っていたからです。インターネットをボーッと見て、そこに世界の答えが全てあると勘違いしている世代には、特に。

また、そのためには大人が安易に答えを教えてもあまり意味はないかな、とも思っています。側から見てて、あーだった、こーだった、ということは簡単です。でも、だからといって、それをジュニア本人が消化し、次につなげていけるわけではありません。まずは本人の自覚なしに、何かを改善することは不可能です。

そんなこんなを考えているうちに、世界には出たいけど、スポンサーを探さなければいけないし、スポンサーをつけるためには世代で突出しなければならないし、それはそれで今以上にテニスに時間を家族共々費やさなければならなくなるし、スポンサーがついたらついたで自由に動けなくなりそうなので、やっぱり、我が家は今のペースで自由にテニスを子どもに楽しませてあげられているうちが幸せなのかな、という結論にいたっています。何より今の状況の中で、息子のモティベーションがとても高い状態で保たれているので。また、状況と共に変わるかもしれませんが。

そして、初心忘れるべからず。勝っても負けても、受かっても落ちても、成功しても失敗しても、子どもが一生懸命何かに打ち込んでいる姿を見られるだけで、幸せだと思うこと。ずっとそんな親でいたいと思います。

「ミスったっていい。テニスが好きなら、この先何百万球もミスるだろう。だから、いちいちミスを気にする必要はないんだ。」とは、ATP元プロの息子のコーチの言葉です。肝に銘じて、息子を試合に送り出す時にも、「ミスなんて気にしなくていいから頑張ってね!」、とたまに思い出して言うようにしています。

さぁ、今週末は今年の最後の試合が待っています。が…その前に、明日はちょっと家族で雪景色を見に行こうかと思っています。息子は、「えーやだー、家でゆっくりしたーい!」と拒否していますが、いやいや、家族全員家にいるとご飯作り担当の筆者がゆっくりできないんだよ…と目下説得中です。

それでは皆さま、Merry Christmas & A Happy New Year 2020!
来年も、どうぞよろしくお願いいたします。

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