遺影写真選びのポイントやマナーって!?表情や服装も基準にすべき!?

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お葬式ではセレモニーに必要なアイテムの一つとして遺影写真の準備が必要になります。

実際の葬儀の現場では、打ち合わせと同時進行で遺影写真選びをします。

中には生前に自分の遺影写真を準備している人もいますが、これまでの私の経験上世間でブームと言われている割には実際に準備されていない人の方が多いです。

 

そうなると家族としては「どんな写真を選べばいいのかわからない」となりますよね?

特に遺影写真はお葬式で祭壇の中央に飾られるものなので、洋服にも注意が必要なのではないかと思ってしまうはずです。

そこで遺影写真を選ぶときのポイントを、現場で打ち合わせを担当している私の経験なども含めてわかりやすく解説します。

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遺影写真選びのポイントは「表情」「大きさ」「ピント」の3つ

お葬式用の遺影写真は、どのようなサイズの写真であっても引き延ばし加工をします。

祭壇の大きさにもよりますが、基本的には四つ切サイズに引き伸ばしたものを遺影写真として使います。

 

四つ切サイズといってもなかなかイメージがしにくいかもしれませんが、これはお葬式が終わった後仏間に飾るものと一緒です。

ですから写真額に入れた状態で手にもって抱えた時に、小柄な体系の人であれば胸のあたりがあるほとんど隠れるくらいの大きさと思ってください。

 

もちろんお葬式の規模によっては祭壇の大きさも変わります。

大きな祭壇に胸が隠れる程度の大きさの写真ではさすがに小さすぎて使えません。

このような場合は遺影写真とは別に祭壇のサイズに合わせた式場用の写真を別途葬儀社が準備します。

これはお葬式用のためだけの写真なので、手元に残ることはありません。

 

そのことを踏まえて写真選びの3つのポイントを紹介します。

・表情が良いものを選ぶ

遺影写真は実は加工することが出来ます。

ただしさすがに表情は加工できません。

スマホのカメラ機能のように「目をパッチリにする」「顔の輪郭を補足する」などは出来ません。

 

ただし実際にお葬式に参加する人は、手を合わせる時に必ず祭壇に飾られている写真に視線を向けます。

ですから遺影写真の表情が生前のイメージ通りであると、その写真を通して一般弔問客は故人を偲ぶことになります。

 

良く選ばれるのは笑顔の写真ですが、中にはまじめに正面を向いて真剣な顔をしている写真を選ぶ人もいます。

これはどちらでも問題ありません。

つまり生きているときのイメージにぴったりはまっていれば、わざわざ笑顔の写真を探さなくても良いのです。

 

ただ涙を流している写真は、これまでの経験上一度もありません。

もちろんそれは意味としても分かりますよね?

 

・写真の大きさ

遺影写真は顔だけではありません。

一般的に胸元あたりまでを切り取って引き延ばし加工をします。

ですからどんなに良い表情をしていても写真が小さすぎると引き伸ばしたときに表情も含め全体的にぼやけてしまいます。

 

「写真嫌いだったから運転免許証の写真しかない」という人もこれまでたくさん出会いました。

写真がないのであれば仕方がないのですが、やはりあのサイズだと遺影写真にしたときに顔全体がぼやけてしまいます。

 

つまり運転免許証の顔写真よりも大きく映っている写真が理想と言えます。

これよりも小さいサイズだと、スナップ写真であっても引き伸ばしたときにぼやけてしまいます。

ですから選ぶときには「免許証の顔写真よりも大きく映っている写真」から優先して探していくと良いですよ。

 

・ピント

サイズも表情も理想通りであっても、ピントがずれている写真はやはり仕上がりがよくありません。

遺影写真は引き伸ばし加工をするといいましたよね?

ただでさえ小さな遺影写真を引き伸ばすとどうしても輪郭がぼやけてしまいます。

さらにピントがずれていると、さすがに顔全体の輪郭がぼんやりとしまい変な感じの遺影写真になってしまいます。

 

引き延ばし加工をする前だとあまり気にならないものでも、実際にはっきりと輪郭が写っているものとピントがずれているものを並べると表情に違いがあることがわかります。

ピントがずれていると表情が曇って見えてしまうのです。

 

また暗い場所で写された写真もあまり出来栄えとしてはよくありません。

もちろん加工修正で多少は全体的に明るく仕上げることはできますが、修正箇所が増えるほどぼんやりとした感じになってしまいます。

 

もしも悩んだ場合は、第1候補と第2候補の2つを準備してください。

この2つの中から仕上がりがよくなる方を写真屋さんに選んでもらって加工した方が良いです。

実際に引き伸ばし作業をするのは葬儀社が委託する写真屋さんですので、作業をする人の判断にまかせた方が出来栄えは間違いなく良いですよ。

遺影写真の服装は着せ替え加工をすることが出来る

「祭壇に飾る写真なのだからきちんとした服装の写真でなくちゃいけないのでは?」という相談がたくさんあります。

でもこれも考え方次第なのでどちらでも問題ありません。

まず服の着せ替え加工は可能です。

バリエーションも豊富で、洋服やスーツから和装までさまざまな着せ替えパターンがあります。

 

例えばトレーナーから紋付羽織姿にすることもできますし、Tシャツから上品な小紋に着せ替えることもできます。

逆に着物からワンピースやスーツに着せ替えることもできます。

ネクタイの柄もバリエーションがありますので、洋服がお葬式に合わない都心配する必要はありません。

 

・着せ替えは首から下が他人になる

着せ替え加工があるというとそれだけでほっとする気持ちはよくわかります。

でも実際に葬儀の現場に立つ私の意見は違います。

確かに着せ替え加工をすれば、どんな服でも思い通りに着せ替えることはできます。

でも着せ替え加工をする時には、首から下は他人の写真になります。

 

どういうことかというと、あらかじめ着物やスーツ、ワンピースなどを着たモデルの首から下の写真を使い、そこに本人の顔写真を合成するのが「着せ替え加工」です。

ですからやっぱりどこか違和感があります。

 

モデルですから体は正面を向いています。

でも選んだ写真によってはやや右に顔を傾けていたりすることもありますよね?

この場合、体は正面をしっかりと向いているのに顔だけは右側に傾いているので、全体で見た時に何となく変な感じがするのです。

 

それに「これまでスーツにネクタイをつけているところを見たことがない」というおじいちゃんにスーツを着せると、「なんだか見慣れないから不思議な感じがする」と家族から言われます。

もちろんそれを希望したのは家族なのでその場では納得するわけですが、お葬式が終わって数日後に自宅を訪問すると全く違う写真が仏壇に飾られていることがあります。

 

こうした現場での経験もあって、私自身はお客さんに相談された場合は洋服の着せ替え加工を勧めません。

「そのままの方が○○さんらしくって良いと思いますけど?」というと、「そうなのよ!こっちの方が○○らしいのよ!」と返ってきます。

そして結果として着せ替えをしないと選択する人が多いです。

 

・派手な服でも全然かまわない!

「お葬式なのに赤や黄色の派手な服の写真はだめよね?」という質問もよく受けます。

でもお葬式だから赤や黄色はだめだということは一切ありません。

 

ちなみにあなたが赤や黄色の服を着ている写真を使いたいという気持ちがどこかにあるということは、その写真の表情は元気だったころの一番素敵な表情ということではないですか?

それならばわざわざ加工修正する必要なんてありません。

 

そもそもお葬式足を運んでくれる人たちは、その人が赤や黄色の服が好きだということをみんな知っているはずです。

そしてその服を着ている写真を見てその人との思い出が一気によみがえってきます。

写真にこんな素敵なちからがあるってことをあまり意識したことがないと思うのですが、現場に長くたち続けている私だからこそ断言します。

だから好きな服を着ているのであれば、服の色にこだわる必要なんてないのです。

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その人らしい服装ならどんな服だって遺影写真にしていい

過去に私が担当した人の中には、ねじり鉢巻きにはっぴ姿(お祭りが大好きだった男性)やウェディングドレス(人生で一番輝いていたといっていました)、少年野球チームのユニフォームにサングラス(少年野球チームの監督でプライベートでもいつもこの姿だったらしい)など、言葉にするとびっくりしてしまうような遺影写真の作成にたくさん立ち会ってきました。

 

でも祭壇に飾られたこうした遺影写真を見た一般弔問客の間から「お葬式でこんな遺影写真を使うなんて!」という声を聴いたことはありません。

逆に「やっぱりこの姿が○○さんらしい」といって目頭を押さえる人の方が圧倒的に多かったです。

 

つまり遺影写真は「その人らしさが見える写真が一番」なのです。

その姿を見て改めて悲しみの涙を流すでしょうが、それ以上に縁があったことへの感謝の気持ち、そして楽しかった思い出などがたくさんよみがえってきます。

それはお葬式に合わせて服の着せ替え加工をした写真では生まれない感情です。

 

遺影写真は確かにお葬式で大切なアイテムですが、その写真に写る表情はその人の人生を物語っています。

だからこそ人はその写真を見て心から手を合わせ感謝と別れの言葉を胸でつぶやくのだと思いますよ。

まとめ

お葬式の遺影写真選びは忙しい打ち合わせの中で行うだけに大変なのはよくわかります。

でも「こうしなければいけない」「ああしてはいけない」ということは現代のお葬式ではありません。

 

特に遺影写真はお葬式の中で生前の姿を偲ぶことが出来る数少ないアイテムなのですから、家族が「これがやっぱり○○らしい」という写真を選んでください。

きっと素敵な遺影写真が出来上がるはずですよ。

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