孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

中国の「日本街」 両国民感情・相互理解の改善に資するなら「いいんじゃない?」

2020-11-22 22:27:49 | 中国

(【9月28日 Searchina】 オープン直後の広東省佛山市の「日本街」)

 

【悪化した日本の対中国感情 中国側の対日本感情には大きな変化なく、改善貴重維持か】

新型コロナによって日中間も国民レベルの往来が途絶えていますが、相手国に対する国民の好感度は、日本の対中国が尖閣諸島周辺の問題もあって悪化したのに対し、中国側の対日本はあまり変化しておらず、依然「改善基調」にあるとも考えられます。

 

****中国の対日感情が改善基調 日本の対中感情は悪いまま 言論NPO世論調査****

非営利団体「言論NPO」(工藤泰志代表)と中国国際出版集団は17日、第16回日中共同世論調査の結果を発表した。

 

相手国の印象が「良くない」(「どちらかと言えば」を含む、以下同じ)との回答は、日本側が89・7%で昨年の前回調査から5ポイント増えた。中国側は同0・2ポイント増の52・9%だった。

 

日本で対中感情は依然悪いままだが、中国での対日感情は改善基調にあり、日中間の温度差が浮き彫りになった。

 

印象が良くない理由を複数回答で尋ねたところ、日本側の最多は「尖閣諸島周辺の領海・領空をたびたび侵犯しているから」の57・4%で、中国側は「侵略した歴史をきちんと謝罪し反省していないから」の74・1%だった。

 

相手国の印象が「良い」との答えは、日本側が10%で過去4番目の低さだったが、中国側はほぼ横ばいの45・2%だった。

 

軍事的脅威を感じる国・地域の回答は変化が見られた。中国側では前回調査で日本が最多の75・3%だったが、今回は47・9%と大幅に減少。米国が84・1%で最多になり、米中対立が影響した可能性がある。日本では中国が63・4%で前回より5・6ポイント増えた。

 

調査は9月12日〜10月16日、日中両国の18歳以上の男女を対象に実施。日本は1000人、中国は1571人が回答した。【11月17日 毎日】

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【広東省佛山市の「日本街」に当局が改善命令 日本側の批判が原因とも】

中国国民の日本に対する関心の高さをうかがわせるニュースは多々ありますが、その一つが、中国に出現した「日本街」

 

日本の街を模した「日本街」はいくつかあるようですが、日本で話題になったのは広東省佛山市の「日本街」。

 

日本に対する関心が高い、近年日本社会へのいろんな面での評価が高くなっている、コロナ以前は日本への旅行者が急増し、日本への印象もかなり良い・・・とは言っても、難しい歴史問題も抱えている日中ですから、そんな「日本街」を大ぴらに作って大丈夫なのか?という疑問も。

 

広東省佛山市の「日本街」対しては、当局の改善命令が出されています。「やはり・・・」といった感も。

 

****広東省の「日本街」に改善命令 看板の撤去が命じられる=中国****

中国各地で「日本街」が誕生しており、中国のSNSでも「日本街」で撮った写真が話題を集めている。そんな中、広東省に最近誕生した「日本街」にオープンから二カ月ほどで動きがあったようだ。

テンセントに掲載された記事はまず、広東省佛山市の「日本街」のオープン直後の状況について取り上げている。

 

「一番街」と命名された通りに、日本の映画館やダンスホールやレストランを模倣したと思われる看板がところ狭しと並んでいる。店名もユニークで「毛利探偵事務所」や「藤原とうふ店」など、中国でも人気の日本のアニメ作品を模倣したと思われる表示が並んでいる。

 

また、実物の日本のタクシーが道路に駐車されており、日本の公衆電話などもある。こうした「日本街」の外観がアニメ好きの若者の人気を集め、SNSを中心に瞬く間に広がり、話題となっていた。

ところが、オープンからわずか二カ月後、この街に対し「改善命令」が出された。日本のアニメなどを単に模倣した看板や店名などを全て変えるようにと当局から指示が出たのだ。「一番街」という通りの名前すらも変えるように指示され、すでに「一番街」の看板には覆いがかけられている。

こうした当局による動きに対し、中国メディアは「ネットでは、世界中に中国を模倣した“中華街”が多数あるのに、なぜ“日本街”だけが目の敵にされるのか理解できない」と不満の声が上がっている。

 

「日本文化が好きな人々が中国に相当数いる中、日本街が中国各地で誕生することは不思議ではない」とまとめている。【11月20日 Searchina】

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当局が「改善」に動いたきっかけは、日本側の中国嫌いかつ偏狭なネット民が騒いだことにあるとの指摘も。

もし、そういう話なら、下記記事表題にもあるように、せっかくの日中交流の機会を潰してしまった「残念」なことと言うしかありません。

 

****残念・・・日本で取り沙汰されたことで崩壊した「日本一番街」=中国メディア****

中国のポータルサイト・百度に18日、「広東省仏山市に登場したネットの人気スポットが、日本メディアに取り上げられたことで潰れてしまった」とする記事が掲載された。

記事は、現在中国では「網紅経済」が盛んになっており、各地で写真や動画を撮影してSNS上に掲載するための人気ストリート、人気スポットが続々と誕生していると紹介。

 

香港の古い町並みを再現した通りや、ドイツ、イタリアの伝統的な欧州建築を模した場所などに人気が集まり、多くの男女がやってきては写真を撮る様子を日常的に見かけるとした。

そして、広東省仏山市に出現して短期間のうちに注目を集めた「日本一番街」もその一つであると説明。全長200メートルほどの短い通りの全体が日本風の装飾で埋め尽くされており、道路標識やバス停、ポストなど細部にまでこだわって再現されていたことから多くの若者、日本のマンガ・アニメファン、コスプレ愛好家が続々と現地を訪れていた紹介した。

一方で「有名になると面倒なことになる」とし、「日本一番街」が日本のメディアによって大きく紹介されると、日本のSNS上では「版権の侵害だ」「中国人によるパクリだ」などと批判が噴出、オープンしてしてわずか2カ月余りで通りの「改造」を余儀なくされ、日本の繁華街を模した看板や造形物が撤去されたり、覆い隠されたりして、日本テイストが瞬時のうちに消えてしまったと伝えている。

記事はその上で、多くの中国のネットユーザーがこの件について「日本文化が中国でも人気があることを示すものであり、非難するほどのことではないじゃないか」と不満をこぼしたとした。



「日本一番街」が取り沙汰されたのは、看板などに日本のマンガ・アニメ作品のタイトルや決め台詞が書かれていたことによる版権の問題が大きいと思われる。

 

では、もし「日本一番街」に版権を巡る議論が起きるような文言が並んでいなかったら、問題視されなかっただろうか。それでも日本のSNS上では「日本の街をパクった」と茶化し、非難する声が大きかったかもしれない。

 

今回の「日本一番街」を巡る日本の報道は、「中国人がまた変なもの、怪しいものを作った」という視点に終始した印象を覚える。

 

中国で版権や著作権に対する意識がまだまだ浅いことは否定できず、「ダメなものはダメ」と言う必要があることはもちろんだが、同時に「これだけ多くの中国の若者が、日本の街や文化に興味を持ってくれている」と考えることも大切なのではないだろうか。

昨今、中国では「日本街」や「和服」が歴史問題に絡んで激しい非難を受けるケースがしばしば生じている。そんな中でも、「いいものはいい」と日本の文化に親しみ、「推し」てくれている人たちを大事にすべきだろう。【11月20日 Searchina】

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日本側の反応は「ケツの穴が小さい」感じも。

 

【両国民の理解・親近感を深めるものとして「いいんじゃない?」】

上記の広東省仏山市「日本街」に改善命令が出たことで、日本との微妙な関係を踏まえて、他の「日本街」、例えば蘇州のものなどがどうなるのかも話題になっています。

 

日本を模するなんてけしからんという声もあるようですが、中国メディアには「いいんじゃないか?」という論調もあるようです。

 

****中国の「日本街」 文化交流のためなら何の問題もない!=中国メディア****

SNSなどを中心に中国各地の「日本街」が話題になっている。さらに、広東省の「日本街」には当局による「改善命令」などが出され、ネット上でも論議を呼んでいる。

 

こうした状況を受けて、中国メディアの百度は、「蘇州の“日本街”は文化交流のため? それとも歴史を忘れてしまったから?」と題する記事で「日本街」を擁護する記事を掲載している。

 

記事は、蘇州にある「日本街」について取り上げている。この日本街はもともと蘇州駐在の日本人向けに造られた。その後、ネットを中心に人気になり、まるで日本のような景観から「日本街」と呼ばれるようになった。

 

最近では、この場所で浴衣や下駄をはいたコスプレをして写真を撮る若者が表れ始め、話題になっている。さらに、最近こうした「日本街」に対し批判的な声が上がっている。

 

記者もこの日本街に行ったことがあるようで、「日本風の居酒屋や焼き鳥屋の看板が並ぶこの通りを歩いていると、まるで大阪にいるような錯覚を覚える。しかも、着物のコスプレをした男女が歩いているのを見ると、何とも言えない不思議な気持ちになる」と、この蘇州の日本街に対して肯定的なコメントを述べている。

 

さらに、この「日本街」に対して批判的な意見があることにも触れつつ、記者は「海外の文化を理解することは何も悪いことではない。中には、日本と中国の歴史を忘れてしまったのか、との声も上がっている。でも、そういう人たちは現在中国で毎年ハロウィンやクリスマスが行われていることを忘れてしまったのだろうか。問題なのは、海外の文化によって、自国の文化が失われ、踏みにじられてしまうこと」と述べている。

 

つまり、「中国の文化を第一にし、他の国の文化も知るような姿勢があるなら、“日本街”は何の問題もない」との意見を掲載している。【11月21日 Searchina】

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****騒動呼んだ蘇州の「日本街」、文化交流の観点から見れば決して悪いものではない=中国メディア****

(中略)一方で、より「日本化」したこの街が注目を集めると同時に、その是非を巡る議論も巻き起こったとし、多くのネットユーザーが「日中間には忘れ得ぬ歴史があるのに、国内にこのような日本テイストに満ちた通りを作るというのは、風刺以外の何物でもない」との認識を示していることを伝えた。

記事は、「日本街は文化の交流か、はたまた悲痛な歴史の忘却なのか」とした上で、文化交流の観点から見れば、日本に行ったことがない中国人が日本を知り見識を深めることができる場所であり、決して悪いことではないとしつつ、「革命烈士に対するリスペクトに欠ける」との意見もあると紹介。

 

その是非については一概に決めることはできず、それぞれの考え方があって然るべきだとする一方で、「外国の文化を学ぼうとする姿勢は悪くない。ただ、1人の中国人として、われわれはまず自国の文化を一番として認識する態度を持つべきではないだろうか」との考えを示している。【11月22日 Searchina】

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せっかくなら、日本資本で、本当の日本を感じられる「日本街」を作れれば、そこで多くの中国人が遊び、日本的なものへの理解・親しみが増すような「街」が出来たら一番いいと私は思うのですが。

 

 

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