TENTFACTORY(テントファクトリー) TCワンポールテントの使用感レビュー

一般的に「テント」と言われて思い浮かぶのは三角形をしたティピーテント。

ワンポールテント、モノポールテントとも呼ばれ設営の手軽さとルックスの良さから流行となって久しいです。

そんな、世に数多く出回るワンポールテントの中からテントファクトリーのTCワンポールテントをご紹介します。

テントファクトリー TCワンポールテントの特徴

後発で世に出てきただけあって従来品からの不満点が改善されていて非常に使い勝手が良くなっています。

数あるワンポールテントの中からどれを選ぼうか迷っているなら「テントファクトリーのTCワンポールテントを選んでおけば間違いなし」と言えます。

それほど良く考えて設計されているテントだと思います。

ひとりでも簡単に設営できます。

テントファクトリーのTCワンポールテントは2~3人が快適に過ごせるように設計されているのでそれなりの大きさがあります。

 

テント本体、ペグ、ポール、設営ガイド、ロープなど。

テントを収納する袋は若干、余裕を持った大きさになっているので撤収時の詰め込みも苦労しません。

設営・撤収時にキャンプ道具を広げるのにシートが一枚あると破損、汚れ防止になります。

これはテント上部でベンチレーションを立ち上げるために必要なパーツなのですが、商品が届いた時に付属していませんでした。

テントファクトリーにメール連絡したところ、すぐにパーツを発送していただけました。

まぁたまにはこんなこともあるので道具類はキャンプまで日数に余裕をもって早めに発注することと、届いたらパーツに破損や欠品がないかを確かめるのも大切なことなんだと勉強になりました。

ベンチレーションがテント入口2ヶ所の真上にあります。

テント内で温められた空気が上昇してベンチレーションから抜けていく仕組みです。

ベンチレーションが無いとテント内が暑くて大変なことになります。

結露防止など換気口として非常に大切な役割を果たします。

開け口が下向きになることによって雨の侵入を防いでいます。

初めてでも説明書通りにやるだけでひとりで簡単に設営できます。

ポールを差し込んでテントを立ち上げるところで少し力が必要ですが女性ひとりでも設営できます。

ペグは付属のものでは心もとないので鍛造30cmクラスのものに変更するのがオススメです。

最低でもテントを張るメインペグが6本、ガイロープ用に6本の合計12本必要になります。

鍛造ペグなら村の鍛冶屋のエリッゼステークやスノーピークのソリッドステークを選べば間違いありません。

ガイロープ用なら付属のペグや短めのペグで構いませんが強風下での安全性を考慮するなら長めのペグで統一していいと思います。

このあたりは荷物の総重量にも関わる部分なので個人の裁量で判断いただければと思います。

付属のガイロープは、ペグ側が自在金具になっている親切仕様です。

ガイロープは一度テントに結んでしまえばその後、外すことなくテントを収納できます。

初心者の方なら事前に取り付けて行きたいところでしょうがさすがにこの大きさのテントを自宅で広げてガイロープを結ぶのは無理があるでしょう。

「もやい結び」なら簡単なので覚えていくのもいいですし心配なら結び方をプリントアウトや画像保存していくのもありです。

「現地でスマホで検索すればいい」なんて思っているとキャンプ場が山の中でスマホが繋がらないなんてこともあるのでご注意を(笑)

テント入口をタープのように固定する場合は、別途、ポールが2本必要です。

写真で使用しているのはDODのコンパクトタープポール(直径19mm、長さ40cmx5=最大2m)です。

写真はポールの左右の長さを変えて日差しを遮っているところです。

接続タイプのポールは強度が落ちますが、用途に応じて長さを調整できるし、収納がコンパクトになるのが利点になります。

直径19mmなので、テントやタープのメインポールとして使用するには細くて強度不足です。

ひさしを作る時などのサブポールとしてお使いください。

タープ用のペグは20cmクラスのもので充分です。

2本あれば固定できます。

ペグハンマーとペグケースを用意すると設営、撤収がスムーズです。

写真のツールバッグは近所のコーナン(ホームセンター)で買いました。

ペグケースとして使い勝手は良いのですが、持ち運ぶにはちょっと大きすぎますね。

もう少し高さをおさえたコンパクトなものを探したいと思います。

鍛造のペグを固い地面にガンガンに打ち込むならハンマー必須です。

木製のハンマーは見栄が良くてかっこいいのですが…

河原などの石が埋まっている地面だと打ち込んだ衝撃でハンマーが壊れる場合があります。

金属製のハンマーにしておけば安心してぶっ叩けます。

いずれにせよハンマーのヘッドがグラついてると思ったら即座に使用を中止してください。

振りかぶった時や打ち込んで破損した瞬間にヘッドが飛んで行って大変危険です。

テント生地は焚火に強いTCポリコットン。

焚き火はキャンプにおいて楽しみなイベントのひとつですが、飛んだ火の粉によってテントに穴が開くことがよくあります。

ナイロンなどの化学繊維でできた生地はとても軽い一方、非常に燃えやすいので火の粉で簡単に穴が開いてしまいます。

TCワンポールテントには「T/C(ポリコットン」)という生地が使われています。

TCはポリエステル(化学繊維)とコットン(綿)を混合した生地です。

通気性と防湿性を備えた上、燃えにくいといった性質も兼ね備えています。

もちろんTCも燃えないわけではありませんしメーカーもテント内やタープ下での焚き火は禁止としています。

それでも化学繊維のテントよりも遥かに安心して焚き火を楽しむことが出来ます。

経験談として小雨の降る中、タープ近くで焚き火をしたことがありますがなにごともなく楽しく過ごせました。

写真は一晩中雨が降った翌日のTC生地の様子です。

表面に撥水加工が施されているためしっかりと雨をはじいています。

内側の生地はPU(ポリウレタン)加工が施されているので多少の結露はあっても雨が染み込むようなことはありませんでした。

この日は朝から晴れたのでものの数時間ですっかり乾きました。

TCの難点は化学繊維に比べて重いということです。

TCワンポールテントは、付属品含めて総重量約13Kgとなっています。(ペグを買い換えるとそれ以上)

移動には台車やキャリーカートがないと厳しいです。

テントの形は六角形です。

 

テントファクトリーのTCワンポールテントは、上から見ると六角形です。

四角形や五角形のテントに比べてペグを打つ本数が多くなり、設営に時間が掛かるというデメリットがありますが、ペグが増えることにより設営の強度が上がるので、強風下でのテント倒壊リスクが減るというメリットがあります。

また、将来的にセンターポールを二股化した場合、安定感のある対角線上に支えることができます。

しっかりとしたスカートが付いています。

テント下にはりっぱなスカートが付いています。

雨や寒い日は外側に出しておくことで水や冷気の侵入を防ぐのに絶大な効果を発揮します。

夏にはスカートがあることで虫の侵入を防ぐ効果が期待できますが、冷たい空気を取り込む邪魔になってしまうので、その場合はしっかりと巻き上げてやる必要があります。

工夫次第で四季を通して使うことができるのもこのテントの長所です。

テント入口は前後2ヶ所。多彩なアレンジでシチュエーションに合わせて快適に。

六角形なので、対面2ヶ所の出入り口を解放すると風が真っ直ぐ通り抜けます。

テント前後に出入口を確保できる利便性と、そこから生まれる通気性の良さが私がTCワンポールテントを選んだ理由のひとつです。

通気性が良いおかげでテント内の結露が早く乾くので、撤収がスムーズです。

出入口は前後共にメッシュ幕が付いています。

メッシュは虫の侵入を妨いだり日陰を作りつつ風も抜けるのでテント内で快適に過ごせます。

遮光性の高いTC素材は外が明るい日中は中の様子が見えにくくなり、プライバシー確保にも貢献しています。

さらに、2020年モデルからはダブルジップに仕様変更されたので簡単な改造で薪ストーブのインストールができそうです。

(メーカーはテント内でのストーブの使用は推奨していません)

外はこんな感じで見えます。

TC素材の遮光性の良さのお蔭でテント内にしっかりと影ができています。

メッシュを巻上げて出入口を全開にする方法を記載しておきます。

まずは、外側のTC幕か内側のメッシュのどちらかを巻き上げて固定します。

(今回は外側のTC幕から巻き上げているのでそれに沿って説明しますが、内側のメッシュから巻き上げた方が楽にできると思います)

固定したヒモをグイグイと締め上げます。

締め上げたヒモを反対側に引っ張り込みます。

壊さないように気を付けながら気合を入れて引っ張り込んで巻き上げたメッシュを固定します。

一度通したヒモを折り返して反対側に引っ張り込んでいるのがおわかりになりますでしょうか。

背が高くない方がひとりでやるのは大変かもしれません。

外側用、内側用にそれぞれ固定用のヒモがあってもいいのになぁと思うところです。

TCワンポールテントの使用実例

テントファクトリー TCワンポールテントの実例集です。

少しでも皆様の参考になれば幸いです。

DOD カンガルーテントSでカンガルースタイル

ワンポールテントには基本的に床がなくて地面剥き出しです。

そこで、テント内で過ごすために様々なスタイルがあります。

テント内一面にグランドシートやラグを敷き詰める「お座敷スタイル」

コットに寝袋の「野営スタイル」

専用のインナーメッシュを吊る「インナーテントスタイル」

中でも、ワンポールテントの中に寝室用のテントを設営する「カンガルースタイル」がオススメです。

TCワンポールテントの出入り口はメッシュにできますが、テントへの出入りでどうしても虫が侵入してしまいます。

また、テント下部が密閉さているわけではないので、ここからも虫が侵入します。

さらに、テント上部のベンチレーションもメッシュなどはないので侵入口となります。

インナーテント、カンガルーテントの利点は、寝室への虫の侵入を防げることです。

夏は蚊帳があると睡眠時の快適度がぜんぜん違ってきます。

冬はカンガルーテントの幕を閉めることで暖かく過ごすことができます。

天井の高いワンポールテントの場合、暖められた空気はテント上方に逃げてしまうので、地面に近い場所は寒さが厳しいです。

ガンガルースタイルのテントを使うことで、ワンポールテント内とは明確に違う暖かい空間を作ることが出来ます。

DOD カンガルーテントS

写真はDODのカンガルーテントSです。

ポールを挟んだ半面にぴったり収まっています。

カンガルーテントSは、折りたたみ傘のようにワンタッチで開閉するだけなので設営が恐ろしく簡単です。

ワンタッチテントなので強度は高くありませんが、テント内で使用するのでまったく問題ありません。

寒さが厳しい季節なら別売りのフライシートを装着するのもアリです。

センターポールがあるのでこれ以上大きいテントを入れることはできません。

その場合はポールを二股化して居住空間を広げてやる必要があります。

カンガルーテントSは、冒頭でご紹介した1.8m x 2.7mのシートの上にぴったり収まります。

カンガルーテントSにはグランドシートが付属しているのでそのまま地面に設置してもいいのですが、グリーンシートを敷くことで、さらに破損、汚れ防止、断熱の効果が期待できます。

雨が降った場合もテントを濡らさずにすむのでオススメです。

600円もしない投資でこの効果は見過ごせません。

テントファクトリー スパイダーシリーズ ワイド&ローアクションチェア

今現在、私にとってベストバイのキャンピングチェアがテントファクトリーのスパイダー ワイド&ローアクションチェアです。

無駄に身長の高い私(182cm)でもゆったりと座れるだけでなく、うたたねも可能な素晴らしいイスです。

浅く腰掛けて背もたれに頭を預ければ星空を眺めることもできます。

焚き火から調理までロースタイルでこなせるとても使い勝手の良いイスです。

高さがあるワンポールテントとはいえ、テント内でイスを使うならロータイプのものが使い勝手が良いです。

このイスはワイドに作られているのですが、TCワンポールテントであれば中に入れて使うことも可能です。

とはいえ、カンガルーテントSを入れるとポールを挟んだ反対側にイス2脚と真ん中に小型のローテーブルを置いていっぱいという感じです。

テント内で使うことが前提なら同じテントファクトリー スパイダーシリーズの肘掛が無いウルトラ ローアクションチェアの方がいいかもしれません。

でも肘掛がある方がのんびりゆったりできるんですよね。

最善を求めてキャンプ道具の沼はどこまでも深く沈んでいくのです…

安価な折り畳みチェアということでガシガシ使えるところも気に入っています。

テント内にストーブ(トヨトミ ギアミッション RS-GE23)をインストール。

寒い季節にはテント内でストーブを焚いてお籠りスタイルなんていいですよね…

テントファクトリーではテント内でのストーブの使用は認めていません。

というか、どこのメーカーも基本的に 一酸化炭素中毒による事故の危険性からテント内でのストーブ(火気)の使用は推奨していません。

テント内での火気の使用は全て使用者の自己責任となります。

そんなわけでTCワンポールテントには薪ストーブ用の煙突穴がありません。

薪ストーブをインストールしたい場合は改造して作るしかありません。

2020年バージョン以降のTCワンポールテントは出入り口がダブルジップになりました。

煙突用の加工がしやすくなったとも言えますね。

そこまでの手間を掛けたくない、もっと手軽に冬キャンを楽しみたいというキャンパーにオススメなのが石油(灯油)ストーブです。

石油ストーブなら火を点けるのも消すのも簡単です。

そして、風さえなければ、ストーブを点けておくと入り口を開けた状態でもテント内は意外と暖かいです。

暖かいテント内からコーヒーを飲みながら冬景色を眺めるなんていうこともできます。

ストーブに関しては別ページで紹介していますので、よろしければそちらもご参照ください。

TCワンポールテントは広いので石油ストーブのインストールも苦ではありません。

TCウィングタープをDOD トンガリハットで小川張り

ワンポールテントにウィングタープを連結する…実は、この美しい姿に憧れてテントファクトリーを選んだと言ってもいい私です。

かっこいいと思ってしまうことに理屈はありません(笑)

と、いうわけで小川張りです。

使っているのはDODのトンガリハットです。

色は、いわゆるサンドベージュですが、TCワンポールテントより明るめです。

晴れている時は写真のような色の差が出ます。

うん。曇ってても差がわかりますね。

メーカーが違うんだからこの程度はしょうがないですね。

テントファクトリーでもこういうの作ってくれたらいんですけどね。

上の写真のように、公式サイトやカタログの商品紹介では、センターポールからベンチレーターの中を通してタープの張り綱にしているのですが、これがどうやっているのかよくわかりません。

誰か教えて!

TCワンポールテントにトンガリハットを使うとベンチレーションを潰すような形になるのが少し残念です。

夜に雨が降る予報だったのでテントとタープ出入り口ができるだけ密着するように設営した影響が大きそうです。

そのお蔭で雨が降る中でのテントへの出入りも濡れることはありませんでした。

これはこれでアリだし、パッと見は問題ないんですけどね。

でもまぁ細かいところにこだわってこそ趣味というか…

このスタイルはカッコイイし、TC素材ということでタープ近くで焚き火することもできていいのですが、

撤収時にテントと一緒にタープもなくなるので、手間の掛かるテントを先に畳んだ後、チェックアウトまでタープの下でゆっくり過ごすということができません。

さらに、撤収時に雨が降っている場合、タープの下で荷物整理ということもできません。

小川張りは雨天中止

というのが鉄則ですね。

それでもやめられない小川張り。

TCウィングタープにはポールとペグは付属していません。

テントと連結するならポールは1本だけでいいのですが、タープを独立して張るならポールは2本必要です。

支柱となるポールなので太くて丈夫なものを使用してください。

私が使用しているのはハイランダーのアルミポール(直径30mm、長さ240cm)です。

(2020年11月現在、レッドは欠品中)

写真はポールをめいっぱい伸ばした状態での設営になります。

タープ用のペグは8本必要です。

ペグは20㎝クラスでそろえても構いませんが、ふもとっぱらのような強風が吹く場所での使用を考慮するなら、メインポールだけでも30cmクラスを使うことを推奨します。

タープはテントより遥かに風の影響を受けやすいのでしっかりと固定しましょう。

TCワンポールテント総評

ワンポールティピーテントを購入するにあたって各メーカーのものを散々調べました。

居住性、信頼性、使い勝手、発展性、価格、それらを総合的に判断した結果、私にとってはテントファクトリー TCワンポールテントの圧勝!でした。

悔いがあるとすれば…

2020年のマイナーチェンジでモスグリーンバージョン(TF-TCP6RG MG)が出たことだけ!

いや、それでもサンドベージュとどっちを選ぶのか?と問われれば大いに悩むところではありますが(笑)

ちなみに、従来モデル(TF-TCP6)から2020年モデルのTCワンポールテントRG(TF-TCP6RG)への変更点は

  • モスグリーン色追加
  • テント開閉ダブルジップ仕様に変更
  • 専用グランドシート(PE:ポリエチレン製)付属
  • スカート巻き上げ機構(ベルト)追加
  • テントトップに小川張り用のタープ連結用リングストラップ装備
  • インナーテント吊り下げ機構追加

と、かなり充実の追加変更となっています。

 

テントファクトリー TCワンポールテントは、キャンプ初心者の最初の一幕として相応しいテントだと思いますし、経験を積んだキャンパーにとってもカスタマイズ、コーディネートしがいのある良いテントです。

買って後悔なし、以上!

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