海外の大学院合格のために必要なこと【大学院留学】

現在大学院留学を検討している人も多いと思います。

大学院留学のために準備すべきことについて説明します。

ただし、「奨学金」などのお金関係の内容は省きました。

今回はあくまでも大学院に合格するために何をすれば良いかについて話します。

それでは順に説明していきます。

目次

大学院留学のコースについて

北米の大学院を例にして説明します。

大学院のコースは、主に下記の2つあります。

・マスターコース

・PhDコース

マスターコースは、日本でいうところの修士課程に相当します。

ほとんどの方は、このマスターコースを検討しているのではないでしょうか?

海外の大学でも多くのコースが2年制をとっています。(一部例外はあります)

マスターコースを出た後は、PhDコースに進学するか、あるいは就職するかを選択することになります。

他方、PhDコースはマスターを終えてからPhDを取るためのコースです。

PhDコースは入学も修了も難関であるため、日本から進学する人はかなり少ないようですね。

PhDの標準在学期間は3年ですが、一般的に6年程度かかる人も少なくないようです。

これは日本の大学の博士課程でも同じです。

さらに英語というハンディキャップが加わるため、あまりおすすめできません。

以上、北米の大学院について説明しましたが、欧州なども結構似ており、主にその違いは大学によって決まります。

異なるのはこれから述べる出願書類です。

大学院留学に必要な書類とテスト

海外の大学院は一般的に書類選考で決まるため、筆記試験が課されません。

ですので、準備すべきものは書類のみになります。

まず、大学院留学に必要となる書類についてあげてみます。

概ね、多くの大学院で下記の書類が必要になるようです。

・推薦書
・エッセイと履歴書
・学部(と大学院)の成績証明書
・TOEFLibt/IELTSスコアの証明書

・GREのスコア証明書
・ライティングサンプル(あるいは論文)
・研究業績

上から順に説明します。

まず推薦書は、(できれば)大学教員が英語で書いたものが必要になります。

出願先が有名大学になればなるほど、有名な教授やつながりのある人に書いてもらうと有利です。

次に、エッセイと履歴書です。

エッセイはほとんどの大学で求められます。

基本的に志望動機を書きますが、大学によっては課題が与えられることもあります。

大学によりこれまでの研究経験や職歴などを要求される場合もあるので注意してください。

これらは英語で書く必要があるため、英文校正が必須で、日本人にとっては結構大変です。

履歴書に関しては、これはみなさん言うまでもなくご存じですね。

また、学部の成績証明書が必要になります。(大学院を出ている人はその証明書も必要)

トップクラスの大学院では、GPAがそれなりに重視されるので成績が良いことにこしたことはありません。

現在大学生の方は、頑張ってGPA3.2程度は確保しましょう。

アイビーリグなどのトップクラスの大学院を狙う人は、GPA3.5以上が求められます。

また、最も気を付ける必要があるのは、出願先の専攻と現在の専攻です。

例えば出願先でコンピュータサイエンスを専攻したい場合、学部において「アルゴリズムとデータ構造」、「データベース」、などの基本科目を履修しておく必要があります。

すべての大学院がそれを求めるわけではないので、出願先の大学院の要求事項をよく確認しておきましょう。

必要科目を履修する必要がある方は、「通信制の大学」の修士課程に進学するのがおすすめです。

通信制の大学院の中で、最も有名なのが放送大学です。

https://www.ouj.ac.jp/

放送大学の修士課程は、文化科学研究科、文化科学専の下に、7つのプログラムを開設しています。

ここで、IT系でキャリアを構築する方は情報系を選んでおけば良いかと思います。

基本的に通学タイプの大学よりも修了する要件はやさしいです。

さて、少し話が脱線してしまいました。

次は、TOEFLとIELTSに関して説明します。

TOEFL iBTとIELTSは、ノンネイティブを対象として英語力を測定する試験です。

ほとんどの大学でいずれかの試験のスコアが要求されます。

以前まではほとんどTOEFLが優勢でしたが、最近はほとんどの大学でIELTSも認めるようになっています。

TOEFLは出題される文章がアカデミックな内容で、高いリスニング能力が要求されます。

多くの大学院では、TOEFL iBT(120点満点)で80点以上必要になります。

トップスクールでは、100点近いスコアを要求しています。

IELTSは、9.0満点の試験で、TOEFL100点がIELTS 7.0相当とされています。

どちらのほうが高得点が期待できるか気になりますが、一般的にTOEICに慣れている日本人はIELTSのほうが向いているようです。

そして、GREと呼ばれる試験が課される場合もあります。

これは、北米の大学院に入学するための共通テストであり、論文、英語(Verbal)、数学(Quantitative)というパートから成ります。

英語と数学を合わせて、一般的な大学院の場合300点以上が目安となり、トップスクールでは320程度が平均のようです。

ですが、年々GREを要求する学校は減少傾向にあるようです。

みなさんの出願先が要求しているかどうか確認してみましょう。

次は、ライティングサンプルです。

ライティングサンプルとは、ライティング力を見る書類で、大学によっては要求されないこともあります。

理系の場合は、研究経験などが必要になってくるケースもあります。

大学によりますが、ページ数が指定されている場合もありますが、

卒業論文や投稿論文(論文誌)を提出することでそれに替えることができるケースもあります。

間に合うのであれば、卒業論文や修士論文は是非英語で書くようにしてください。

最後に、研究業績です。大学学部に在学している人は、まず、現時点で研究業績はないと思います。

そこで、現在できる対策としては学会発表で良いので英語で発表しておくと良いと思います。

欲を言えば、論文誌に投稿しておき、出願書類に「現在投稿中です」と記載しておけば印象が良くなります。

大学生の人はピンとこないかもしれませんが、基本的に大学院は研究する場所なので、日本や海外に関係なく、

大学の先生は論文を非常に重視します。

これだけは覚えておくと今後役立つと思います。

分かりやすく例えると、小学校の児童に、「中学校の部活では上下関係が重視される」ということをいくら話しても

ピンときませんよね?

ですが、それは歴然とした事実であり、後にその小学生が中学校の部活に入学すれば、自然と認識するのです。

そういう感じです。

トップスクールを目指す場合

せっかく留学するのだから、トップスクールを目指している人は多いと思います。

GREやTOEFLの点数を上げることに躍起になっているかもしれません。

しかし、その点数ではあまり差がつきません。

実際に、難関のPhDコースにもGREが310点前後、TOEFLが100点に満たない点数でも合格しているようです。

最も大事なのは、出身大学名と研究実績です。 北米は学歴社会なので、大学名は徹底的に評価対象となります。

出身大学が世界ランキングの何位にランクインしているかを確認してください。

100位以内の東大、京大、阪大の場合、合格率が高まります。

そして、最も大事なのが研究実績です。

研究実績というのは、論文誌と国際会議論文を指します。

特に、論文誌が1本あると、GREのスコアなどは結構逆転できます。

これはミラクルでも何でもなく、プロの研究者でも論文誌を1本書くというのはそれほど簡単ではないのです。

ましてや、学部の学生が在学中にファーストオーサーで論文投稿できる機会が与えられることはほとんどないはずです。

修士課程に在学している方は、国際会議に投稿している方もいるかもしれません。

国際会議論文が1本あると、工学系では論文誌相当として評価されることもあり、かなり有利になります。

もちろん、できれば出願先の専攻と合致する難関国際会議がベターです。

大学院留学をする人にアドバイス

トップスクールを目指す人は、少し遠回りになりますが、日本の大学院に進学することも良い方法です。

特に、出身大学が東大、京大以外の人の場合は、それらの大学院に入学してください。

これら2個の大学(特に、東大)は、海外でも良く知られており、世界的に名が通っています。

東大の大学院に進学し、そこで良い成績をとってGPAを底上げするとともに、在学中に国際会議2本、

あるいは論文誌1本を目指してください。

もちろん、大学学部の専攻と出願先の大学院で学ぶ専攻が異なる人の場合、出願先の専攻に入学してください。

ここまで達成できれば、日本の出願者の中で最優秀な部類に入り、GREの点数が少し足りない場合でも海外のトップスクールのどこかにひっかかるはずです。

まとめると、トップスクール合格には、「大学名」と「研究業績」がポイントになるということです。

少し難関ですが、海外のトップスクールを目指す人であれば、これくらいできるはずです。

それではみなさんの検討を祈っています!

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この記事を書いた人

某メーカーで数年間エンジニアとして勤務していました.研究,開発,品質管理とたらい回しの刑を満了し,現在はパッケージソフトウェア開発者として個人で活動しています.

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