茸社長です。
先日、50代で資産形成を始めるのはちょっと遅いのでは?、という記事を書きました。
必ずしも遅すぎる訳ではない、みたいな玉虫色な結論で終わりましたが、7日にタイムリーな記事を見つけました。
その記事によると、どうやら57歳以下であればiDeCoに加入するべきなのだそうです。
どういうことなのか、検証してみましょう。
50代でもiDeCoはお得?
そもそもどういう理由で57歳以下の人にiDeCoをおススメしているのか?要点を箇条書きすると、
① 50代は若いころよりも収入が高い(ことが多いので)、掛金の所得控除が最大限活かされる
② 65歳まで加入が延長される(予定)なので、さらに5年間、追加で老後資金の積み増しが出来る
③ 65歳まで加入が延長される(予定)なので、50歳以上でも必要加入期間の10年を満たすことが出来る
と、いうことらしいです。
まず①に関して、事実はどうなのでしょうか。
正直、調べるサイトごとに数字が異なるため断定は出来かねますが、たいていの調査では20~40代よりも50代の方が収入が多い傾向にありました。
例えば、ある調査では30代の平均年収は約440万円に対し、50代の平均年収は約620万円となっていました。
これらの年収で、かつ扶養している配偶者・親族がおらず、月の拠出額が23000円という条件で計算すると、30代は年間約41000円の税金が軽減され、50代は年間約55000円軽減されます。
まぁ単純に計算しただけなので、他にどれだけ控除があるか次第でいくらでも数字は変わりますが、50代の人の方が、所得控除の効果が高いのは分かります。
次に②も納得できます
5年分積み立て出来る期間が延びるなら、複利を活かして資産は増える可能性は高いでしょう。
そして③も救済措置として分かります。
50代でiDeCoを始めても、加入期間が10年に満たないと、60~65歳の間は掛け金を拠出出来ない上に給付もされない期間が出来てしまいます。
65歳まで加入期間が延長されれば、何とか10年を満たすことが出来る人も増えるでしょう。
私が50代にiDeCoをおススメしない理由
記事の内容には納得しかありませんが、それでも50代からiDeCoに加入するのは、個人的にはあまり良くないように思えます。まずそんな時期から始めても、勤務状況にもよりますが、そんなに資金を拠出できないはずです。
10年ジャスト加入するとして、年間27万6千円拠出できる人は総額276万円、年間14万4千円拠出の人は144万円です。
仮に年率5%で複利運用できたとすると、資産はそれぞれ約357万円(運用益約80万円)、約186万円(約42万円)です。
アレ?、結構無視できない額になりますね。
じゃあ、これはいいや。
本命の懸念事項は次です。
加入期間10年で、給付の際に収益がマイナスになっていないか、ということです。
市場の動向なんて誰にも読めない以上、給付時にきちんと黒字になるかどうかなんて分かりません。
これが投資未経験者が、投資を始める際に二の足を踏む大きな理由の一つなのです。
しかし、きちんと分散させて長期に積み立てを続けると、リターンがマイナスになる可能性が減るのです。
ここでは詳細には説明しませんが、国内外の株式と債券に分散投資し、20年間運用を続けるとリターンのバラつきが少なくなるそうです。
具体的には、保有期間20年のリターンは、年率2~4%が約40%、4~6%が約50%、6~8%が約10%ぐらいに収束し、しかも元本を割り込むことが無い、と。
もちろん過去のデータなので未来はどうなるか分かりませんが、一考の価値のある結果なのは間違いないと思います。
ちなみに運用期間が10年だと、元本割れする可能性があるそうです
いくら所得控除で得しても、肝心の運用結果が赤字では本末転倒。
これが私が50代の人にiDeCoをおススメできない理由となります。
まぁ運用結果なんて時の運みたいなところもあるので、必ずしも損する訳ではないですが、大事な老後資金を賭けるのはちと割に合わないような気がします。
やはり早目に、少しでも早く資産形成に動き出さねば。
オタッシャデー!
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