ダッカを行き交うクルマの多くには、セカンドバンパーと呼ばれる装置がついている。

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元々のバンパーの上に鉄棒を差し渡した第二のバンパー。これはいったいなんのため?

という疑問に責任をもって答えてくれる人とはまだ出会っていないが、およその察しはつく。

過密で荒っぽいダッカの交通環境からマイカーを守るため、セカンドバンパーは生まれたにちがいない。

いちばん運転が荒いのが三輪タクシーで、こやつらは命知らずなスピードでクルマに幅寄せしてきたり、鼻先に飛び込んできたりする「特攻隊長」だが、ぶつかったとき自分の車体が凹むのは避けたいようで、厳重なるバンパーを備えている。

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こんな重武装のやつに突っ込まれてはかなわんと、一般車のほうも守りを固めたのがセカンドバンパーなんじゃないか。

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セカンドバンパーはダッカのクルマの大半が備えており、その需要を支える業界も存在する。

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街のあちこちで見かけるセカンドバンパー屋。ここにクルマを持ち込み「あっさりしたのでいいよ」とか「ぶっといパイプ2本で夜露死苦」とか注文すればすぐに作ってくれる。

こうした生存競争のなかで「あきらめた」クルマがどうなるのか、みんな知っている。

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ここまでになった乗用車はあまり見ないが、頑張ったほうがいい環境であることはよく理解できる。


そんなダッカでもベンツやBMWといった高級車をしばしば見かける。オーナーや運転手はさぞかし気がもめることかと。

しかたなくセカンドバンパーを装着し、せっかくのスタイリッシュなデザインが台無しになったザンネン高級車も少なくない。

スタイリッシュといえば、先日ダッカで初めてジャガーを目撃したが、目の覚めるような流麗なボディーはまさに掃き溜めの鶴。道行く人びとを魅了していた。

当方もそのお姿をしっかり目に焼き付けようとしたところ...

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ほほう、セカンドバンパー非装着車。

安くても1千万円超え、高いバージョンは2千万円にもなるジャガーをこの状態で走らせるのは気骨の折れることだろう。

「伊達男はつらいよ...」

そんなオーナーのつぶやきが聞こえてきそうな後ろ姿でありました。


だからうちはジャガーにしなくてよかった

という話ではなくて我が家のはどんくさいデザインの庶民カーだが、なぜかセカンドバンパーはついてない。

初代オーナーの美的センスによるものかケチによるものか知らないが、まあ少なくともうちのドライバーさんはこっちから突っ込んでいくタイプではないので、このままでいいかと。

あれ、ダサいから好きじゃないし。


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