日記

ATMで小さな親切

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あっ!、そうだ。月末の自動振替に備えて口座に入金しておかなければ。
残高不足で引き落としがされないと、いろいろ面倒だからな。
と、そんな思いに至った私は、車で郵便局へ向かった。

郵便局の駐車場に車を停めた私は、空いていればいいな~と思いながら、入り口に向かうスロープを上がり開いた自動ドアから局内へ入った。しかし思いは叶わず、目的のATMはおじさんが使用中。
あ~使っている~。しかもおばさんが一人待っている~。

仕方なくおばさんのあとに並んだ私は、ふう~、とため息をつきながら、腕を組んで壁にもたれかかった。
窓口で待たされるのは、それが当たり前と思えるから我慢できるが、早くて便利なはずのATMで待たされると、イライラしてくる。

2~3分過ぎただろうか。やっとおじさんが終わって、おばさんの順番になった。のだが、そこで「よかったらお先にどうぞ。私、何件か振り込みがありますので」と私の顔を見てニコッと微笑みながらおばさんが言った。

私は、気持ちを見透かされたかなと思いながら「えっ、いいんですか?すみません。口座へ一件入金するだけなので、すぐ終わると思います」と言いながら先に使わせてもらい、「すみません。ありがとうございました」とおばさんに頭を下げ、その場をあとにした。

世の中には親切なおばさんもいるんだなぁ~などと想いながら、ついでに通帳の記帳をしていこうと、今度は某信用金庫の某支店の駐車場へ。

その信用金庫は域内に支店が数多くあり、使い勝手が良い。さらに、私がいつも利用するその支店は、窓口もATMも何故かいつも空いているのでとても助かっている。
のだが、車を降りてATMに向かうと、そこには郵便局と同じ光景が。

『ブルータス、お前もか』というセリフが何故か頭をよぎる。
信用金庫よ、お前もか。
ATMはおじさんが使用中。そして一人おばさんが待つという全く同じ状況だ。

仕方なくおばさんの後ろに並んで俯いていると「こんにちは」と前から声が。えっ?と顔を上げた私の目に映ったのは、良く知っている女性の顔だった。「あら、こんにちは」と私も咄嗟に挨拶を返したのだが、おや?と思う。

いつもと雰囲気が違う。
何が?
服装が!

普段、割とお洒落な服装が多いのだが、今日は機械メーカーのロゴが入った地味な作業服を着ている。おまけに化粧もパッとしない。だから声を掛けられるまで気付かなかった。

「ここで会うなんて奇遇だね」と言うと、彼女は「ここっていつも空いているから」と返す。私と同じことを考えていたのかと「そうそう」と相槌を打ちながら「この支店良いよね。窓口も空いているし」と彼女に同意した。

「ところで、○○さんはATM時間かかる?」
「う~ん、ちょっと時間かかるかな」
「俺、記帳だけだから先にいい?」
「いいよ」

こんなやり取りの後、おじさんが終わったので、私が先に使わせてもらう事に。サクッと記帳を済ませ、お待たせしました、どうぞと右手で促すと、彼女は「小さな親切しちゃったな~」と言いながら、にっとした。

「ありがとう。またよろしく~」と言い、その場を去りながら、『小さな親切』か、と彼女の言葉を復唱してみた。

短時間の間に、郵便局と信用金庫で、『小さな親切』を2回してもらった。
私は・・・?
小さな親切、最近してないな~。

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