ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

バイクと車の操作系の違い

2019年06月06日 13時57分13秒 | なぜ?どうして?
近頃、人的被害を伴う自動車事故が多発しています。
それらの事故の原因の一つと考えられるものにペダルの踏み間違いがあるとされています。きょうはエンジンつきの乗り物である車とバイクの操作の違いについて考えて見ます。なおこの記事は2014年1月に投稿した私のブログ記事を抄訳しての再稿です。
クルマもバイクも2本の手と2本の足を使い分けて走行操作するのは同じです。 クルマを操作する場合、右足はアクセルペダルとブレーキペダル、左足はクラッチペダルを操作します。(今時のクルマのほとんどはオートマチックですので左足は使わないのが普通?) そして両方の手はハンドルと変速装置とそのほかの機器の操作に使用していますね。 これに対して、バイクの操作系はどうなっているのでしょうか。以下は一般的なバイクの場合を想定します。右手はアクセルグリップと前輪ブレーキのレバー、左手はクラッチレバーを操作します。右足は後輪ブレーキのペダルを踏み込むのに使われます。そして左足は変速装置のペダルを操作します。 バイクを始めて乗る人は両手、両足の操作の連携的な動作にまず、とまどいます。4本の手足を上手に連携させなければバイクを発進させることすら難しいのです。 さて、バイクを動かす上で、クルマと大きく違っているのはアクセルとブレーキの操作です。クルマのアクセル操作は右の足で行い、バイクのアクセル操作は右の手で行います。バイクの時の右足はブレーキペダルのみを操作します。これに対して、クルマでの右足の操作はアクセルとブレーキのペダルを「踏み込む」のに使用します。一本の足が二つの相反する動作を受け持っているのです。「止める」操作と「進める」操作を一つの足で行っているのです。しかも両方の動作は共に「踏み込む」という共通の動きをします。これは「合理的」、「安全」なやり方でしょうか。 近年、車でのオートマチック変速機が一般的になったのにつれて、ブレーキペダルと、アクセルペダルの「踏み間違い」に拠る事故が後をたちませんね。ギヤが前進に入っているのかまた、後進に入っているのかを確認しないまま、コンビニなどの店舗に突入したり、駐車場の柵を乗り越えて転落する事故もありましたね。 これらの事故の多くはペダルの「踏み間違い」とされています。 右足の一本でアクセルとブレーキを操作しますが、しかもアクセルとブレーキのペダルは両隣に位置してます。ですから、「踏み間違い」は常に隣り合わせにあることになります。ブレーキを掛けようとしたときにはアクセルペダルから足を離す必要がありますので、一つの足で両方のペダルを同時に操作することはないと言う点では「合理的」な仕組みだと思われがちです。 ですが人の認識における「錯覚」が避けられない以上、二つのペダルの操作を一つの足で「踏み込み」と言う同じ動作で行うには大きな欠陥が潜んでいるように思われてなりません。 「足がすくむ」と言う現象があります。人はパニックになったときには多分、足を踏ん張ったりして自然に足に力が入るものなのではないでしょうか。 次に話は変りまして、バイクのブレーキの操作に付いて考えて見ましょう。 バイクに乗ってる人がブレーキを掛けようとした時、次のように操作をします。 アクセルグリップを握っている右手の握力を弱めるとアクセルグリップはスロットルが戻る方向にスプリングの働きにより自然に戻ります。(強制的に戻り方向に回すときもあります) そのときに右手の前輪ブレーキレバーを握る動作と右足の後輪ブレーキのペダルを踏み込む動作を同時に行います。(情況によっては前後輪の片方だけブレーキを利かせる事もあるが) ここまで、この記事を読んでいる読者にはもうお気づきですね。 バイクのブレーキやアクセルの操作においては、ペダルの「踏み間違い」やレバーの「握り間違い」は構造上、起き得ないのです。 スピードの出しすぎによる「オーバーラン」や対向車線へのはみ出しはどんな乗り物でもありえますが、ペダルの「踏み間違い」などというばかばかしい原因による事故は少なくともバイクにはありません。 よく世間では「バイクはもう卒業して、クルマにしたよ」などといっている若者の声を耳にします。 2輪より4輪が上等な乗り物と思っているお方がおられるとしたら、それは大きな間違いですよと声を大にして言いたい。 2輪のバイクの方が曲がり方を考えても自然法則に合っていますし、ブレーキの操作系でも優れた方式なのではないでしょうか。 最近は前方物体の異常接近を感知しドライバーに注意を促したり、自動的にブレーキの操作をしてくれる機能を持たせたクルマも売られていますが、それはあくまで補助的なものだと思います。 ペダルの「踏み間違い」が避けられない構造を持っているクルマというものは、バイク乗りの私に言わせればけ欠陥乗り物なのです。
さて、それではクルマがもつそのような欠陥はどのようにすれば克服できるのでしょうか。 一つの方法として、クルマのハンドルやアクセル、ブレーキの操作をバイクと同じようにする方法です。 そうです。バイクと同じように、アクセルはペダルではなく、グリップをひねる方式にし、ハンドルはバーハンドルにするのです。バーハンドルでは操舵力に問題がありそうですが、今のクルマのステアリング機構はパワーアシストなのですから出来ないわけはありません。 ステアリングはホイールの方が操舵しやすいとか、アクセルは足の操作によるペダルの方が長時間運転でも疲れないなどの長所をクルマにはそなっわていますが、楽チン運転のクルマには「踏み間違い」などという極めて初歩的な欠陥も備わっています。 それに対して、両手、両足を駆使して乗らなければならないバイクの複雑かつ操作系の方が安全なのは皮肉ですね。楽で便利な操作系にはその利点と引き換えに重大事故を起こしやすい欠陥もあることを知っておくべきだと思います。
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