「ヅカメン! お父ちゃんたちの宝塚」 男前でカッコ良く、純情でけなげな乙女達 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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宮津大蔵さんの「ヅカメン! お父ちゃんたちの宝塚」を読了しました。

一言で言うと(かなり無茶ですが(笑))7話からなる「男たちが見た」タカラジェンヌ物語、と言う感じでしょうか。

2話まで読んだ時はそれぞれが違う一人称で描かれているために、これは短篇集なんだ、と思っていたのですが、読み進めるうちにすべて関連を持ったお話しで全体で一つのストーリーになっていることに気付きます。内容紹介には「タカラヅカを支える男たち=ヅカメンが織りなす、七つの奮闘物語」とありますが、実は「男たち=ヅカメン」の視点で描かれていくタカラジェンヌ物語だと私は思いました。

このストーリーに出てくるジェンヌ達は男役が中心なので、みな男前です。辛いことにもじっと耐え、清く明るく美しく・・・

しかし彼女たちはまた人一倍純情でけなげな乙女達でした。

一生懸命で真摯な彼女たちを見守るヅカメンたち。

とても面白く、心が温かくなる小説でした。こんな小説に出会えたことに感謝したくなるような、そんな気分です。

この本「あとがき」は、宮津さんの奥さんが書かれています。実は彼女は元タカラジェンヌなのだそうです。
もしかして、あの登場人物のモデルは・・・?


宮津さんの「涙あふれて As Tears Go by」と言う作品もKindleでダウンロードしました。これから早速読もうと思っています。

また、「note」にて連載中の「遅れてきたGS(グループサウンズ)」もとても面白く、こちらは続きを待ちかねています。
宮津大蔵|note


「「女なのに男の格好をして…一体どこがいいんやろ?」鉄道員一筋だった多々良源蔵は定年直前、それまで全く関心のなかった宝塚歌劇団の“生徒監”に任命された。突如娘たちの“お父ちゃん”となったことに戸惑いつつも真摯に向き合ううち、その眼差しに変化が―。大道具、プロデューサー、演出、父兄…タカラヅカを支える男たち=ヅカメンが織りなす、七つの奮闘物語。
著者略歴
宮津/大蔵
1959年石川県生まれ。桐蔭横浜大学スポーツ健康政策学部教授。特別支援学級をはじめ、国公立小学校教諭として二十七年間勤務。その後、桐蔭横浜大学准教授を経て現職。2014年本作品『ヅカメン!お父ちゃんたちの宝塚』(廣済堂出版)で小説デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)」(Amazon 商品の説明 より)