三浦しをん「ビロウな話で恐縮です日記」 男性作家の女性キャラ、女性作家の男性キャラはドリーム | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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何だか色んな事が面倒でやる気が起きない。こんな時は三浦しをんのエッセイなんかどうだろうと引っ張り出したのが以前古本屋で買ったまま本の山の下の方に埋もれていた「ビロウな話で恐縮です日記」でした。

これが正解。読み出すと止まりません。


まあ、この人のエッセイを1冊でも読んだことのある人ならお分かりでしょうが(笑)かなりはちゃめちゃなプライベートの暴露(!?笑)と言うか何と言うか・・・

ビロウ、と言うよりあられも無いという表現の方が当たっていそうなエッセイが続きます。これが独身の女性作家の文章だと思うと読む方が赤面しそうな・・・ (トイレでトイレットペーパーが切れたのに気づき半ケツ出したまま戸棚から新しいトイレットペーパーを出した、とかさ。あのね!(笑))


仕事の締め切りに追われながら、大量の趣味(BLとか?)のマンガやら小説に夢中になり、知らぬ間に増えた体重を気にして脳内ダイエット、脳内スポーツに励む三浦しをん。ともかく面白いエッセイ集です。絶対に電車の中なんかでは読まないように! 突然吹き出して危ない人だと思われる可能性あります(笑)



馬鹿馬鹿しい話の中に作家らしい鋭い感性や批評眼を見せてくれる部分もたくさんあります。(馬鹿馬鹿しく笑えるだけの本では決してありません(笑))

中で、とても共感したのが、
「男性作家が書く女性キャラ、女性作家が書く男性キャラは、だいたいにおいてドリームである」と言うのが彼女の持論だと言うこと。なるほどと思います。最近特にそんなことを考えていた物ですからこの部分が強く記憶に残りました。(もっともその後「『オキャマ作家が書く女性キャラ』は例外ではないか」とか生物学的な性別、精神的な性別なんて話になって話の展開はどんどんグダグダになっていきますが(笑))



ためになる本とはとても言えませんが、読んで損をしたと思う本では絶対に無いと思います。


やはり・・・


やはり三浦しをんはただ者ではない!(笑)


ビロウな話で恐縮です日記 (新潮文庫)
三浦 しをん
新潮社 (2018-05-27)


「日記。それは自意識との戦いであり、記録に対する人間の執念であり、己の欲望の表明である──。弟に罵られ、母とケンカ、父の独り言を聞き流し、祖母とテレビ談議に花を咲かす。オタク仲間と萌え果たし、海賊になった夢を見る。山積みの仕事は捗らずとも、山盛りの趣味は無限に順調だ。妄想力の申し子にかかれば日常が一大スペクタクルへ! 豪華脚注と最新日記も収録した爆笑エッセイ誕生。」(Amazon 商品の説明 より)