ヤニック・ネゼ=セガン「メンデルスゾーン 交響曲全集」明快なリズム。生き生きと流れる音楽。 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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昨日は、チャイコフスキーの初期の交響曲を、と言う事で記事を書いたのですが、その時「次はメンデルスゾーンかチャイコフスキー、と思いつつ・・・」と書いた勢いで昨夜はずっとメンデルスゾーンの交響曲を聴き続けていました。

 

ヤニック・ネゼ=セガン指揮 ヨーロッパ室内管弦楽団「メンデルスゾーン 交響曲全集」

 

どれもとても良い演奏です。明快なリズム。生き生きと流れる音楽。テンポは速めですが隅々まで音楽的な感性が満ちあふれているようです。よどみなく柔らかな歌。

 

モーツァルトか若い時のベートーヴェンにちょっと似た感じもある1番はこの編成にぴったりな曲です。若々しく生き生きとして・・・。今までクレンペラーの演奏がベストと思っていた3番は、ああ、こんな表情もあったんだと再認識させられるような感覚もありました。明るくロマンティックで流れが良く。そんな演奏ですから「イタリア」は悪いわけはありません、瑞々しい音楽の流れに思わず笑みを浮かべてしまいます。

そして5番。「宗教改革」と名づけられているこの曲、私はたぶん大分前にトスカニーニの録音を聴いただけだったと思います。あまり細かくはは記憶に残っていなかったのですがこの演奏を聴いてすっかりこの曲が好きになりました。指揮者もオーケストラもみんなで音楽を楽しんでいる。そんな感じがします。

 

ただこの全集の中で2番だけはちょっと不満でした。「賛歌」と名づけられ後半部は独唱と合唱をともなうカンタータとなっている異形の交響曲。演奏の基本は他の曲と変わりません。明快なリズム、精密なアンサンブル、とても流れの良い音楽・・・

でも、最初のメロディが出た時から、何だか軽すぎる、と言うか安っぽい感じがしてしまったのです。(たぶん、これは曲自体の出来もあまり良くないのかも知れません。実際最初から全曲を通して出てくるテーマが安っぽい感じがしてしまい・・・(笑))

 

凄く良い全集なのに、最後に聴いた2番が不満で後味が今一・・・

 

そういえば、あれはどうだったかな?と取り出してみたのが、マックス・ボンマー指揮札幌交響楽団の「賛歌」でした。

 

これは大正解。札響の好演、Kitaraの柔らかい響きに加え、地元の合唱団による感動的な演奏。

 

この曲はたぶん精密で明快な演奏よりもむしろ大編成で豪快に仕上げた方が似合う曲なんだろうな、と言うのが感想。

 

 

それにしても札響、なかなかやるじゃん(笑)

 

 

メンデルスゾーン:交響曲 第2番「讃歌」

ドイツの名匠 マックス・ポンマーの首席指揮者就任を記念する 札幌交響楽団(札響)の第579回定期演奏会のライヴ録音が早くも登場です。 ポンマーは1936年ライプツィヒ生まれ。少年時代はアーベントロートに、その後カラヤンに師事しました。レパートリーは広範囲に及び、またドビュッシー作品の校訂でも知られ、音楽家としての奥行きは敬意を持って称讃されています。 就任披露に選ばれた作品は、生地ライプツィヒ市が175年前にメンデルスゾーンへ委嘱した「讃歌」。この演奏当日、初演の地ではシャイー/ゲヴァントハウス管が同曲を演奏しており、洋の東西で〈ライプツィヒ1000年祭〉が祝われました。 いまや日本のオーケストラ界をリードする札幌交響楽団。新時代の開幕です(Amazon 商品の説明 より)

 

 

メンデルスゾーン:交響曲全集

宗教改革500年記念!新時代の天才指揮者、ヤニック・ネゼ=セガンによる煌めきに満ちたメンデルスゾーン。ルターの宗教改革から500年、交響曲第5番≪宗教改革≫のホグウッド校訂の新版による録音(メジャー初録音)を含む交響曲全集。(Amazon 商品の説明 より)