Meas Soksopheaが歌うカンボジア工場労働者のVCD

2020年6月23日

カンボジアンポップス界では、抜群の人気があるミエス・ソクソピア。

現在、34歳。

日本で言えば、安室奈美恵のような存在でしょうか。

彼女の生い立ちから現在までの人生は、まさにカンボジアンサクセスストーリー。

貧しい家庭で育った彼女は、14歳のときに父親を亡くし、経済的な理由で中学校を中退しています。

退学後は、どの家の子どもがするように、家の手伝いをして、物売りや家事をして思春期を過ごしたようです。

その後、夢を求めて首都プノンペンに上京し、食堂で働き始めます。

そして、あるテレビ番組を担当するプロデューサーの目に留まり、スターへの階段を駆け上がっていきます。

2004年に「Het Avey Chet Nov Te Noek(Why do I keep missing?)」「Aun Noek Noek
Bang(I miss,miss you)」の2曲が大ヒットします。

その後、映画にも出演するようになり、演技力の高さから不動の地位を築いています。

人気の一番の理由は、なんといってもその美声。

加えて、美容整形を一切していないことも、彼女の生い立ちに共感を覚える多くのファンから支持を集めています。

 

そんな彼女が歌うこの一曲をご紹介します。

このYouTubeは、カンボジアでは500万回という圧倒的な視聴数を記録した人々の心を打つビデオです。

心がこもった歌声に、苦労人の彼女の人生を垣間見ることができます。


ストーリー

このVCD(VideoCD)は、Meas Soksopheaが、実際に主人公の女工さんが働く縫製工場内で歌っています。

主人公の女工さん。田舎から職を求めて上京し、劣悪な環境の工場で働いています。

彼は、大学生。

ある日

「卒業したら結婚しよう。」

と言われ、何も言わず思わずうつむく彼女。

はにかみや奥ゆかしさは、クメール女性のもつ特徴です。

毎日、朝早くから休まずに働く彼女。

素朴さが漂う彼女は、ただひたすら働き続けます。

そんな時に、彼は大学である女性と知り合います。

偶然の出会い。

話が弾み、お互い惹かれ合うようになっていきます。

彼女はお金持ちの令嬢で、田舎娘には無い香りに惹かれてしまう彼。

そんなことも知らずに、彼に食事を差し出す彼女。

食事は、小魚の丸焼き。

「学費が必要なんだ。」と話す彼。

「少しだけど、私が払うから。」と答える彼女。

方や、高価なレストランで彼女から肉を食べさせてもらう彼。

(カンボジアでは、一般的に女性が男性に尽くすという観念があります。)

時は過ぎ、大学を卒業しました。

すると、突然田舎に帰ることになったと別れを告げる彼。

呆然と見送る彼女。

ところが、仕事帰りに、彼の姿を見つけます。

しかも、別の女性と一緒にいます。

追いかけて、

「田舎へ帰ったんじゃなかったの?」

と尋ねます。

「もう、私たち結婚してるの。」と冷たく答える女性。

「私はどうすればいいの?」と彼女は彼に聞き返します。

彼の答えは、「ボン ソム ト(ごめんね)」のただ一言。

雨に打たれながら帰途に就く彼女。

数日後、妊娠していることを告げられます。

ただ涙にくれる彼女。


このようなストーリーを、Meas Soksopheaが情感込めて歌っています。

彼の身勝手さはさておいて、カンボジアではお金のあるところに人の心が傾くのも事実。

でも、私は、貧しい田舎出身の彼女があまりにもかわいそうで、思わず涙を流して聞いてしまいました。

工場労働者の現実を知っているからこそ、肩入れをしてしまうのでしょう。

また、この田舎娘を演じる彼女の素朴さが視聴者の涙を誘います。

それにしても、何度聞いてもMeas Soksopheaのきれいな歌声が心に染み入ります。

彼女の歌うクメールポップスには、いつも心が癒されます。

I‘mhonest,they are loyal to others

My only one

I‘msorry

もっと彼女の美声を聞きたい方は、YouTubeで、「Meas Soksophea」と検索してみてください。

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