エンタメ感想製作所

音楽や映画、ゲームなどの感想・レビューを素人なりに投稿。専門知識はないけど好きな気持ちは皆平等。

【ディスクレビュー】また一つ大人になったAfterglowが奏でるバンドサウンド Afterglow 7thシングル『Sasanqua』

バンドリの中でサウンド面だけ切り取るのであれば、最もバンドらしい音を奏でているのがAfteglowだ。
僕の根本はバンドの音楽が好きというところにあるので、Afterglowも生演奏でライブをやってほしいと切に願っている。
今回リリースされた7枚目のシングル『Sasanqua』に収録された2曲でも、直球のバンドサウンドを楽しませてもらった。

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Sasanqua

イントロの空間系ギターフレーズからノスタルジックな印象も受ける曲。歌い始めはこのギターと、伸びやかで広がりのあるキーボートによって記憶の彼方から演奏が届くようにも聞こえる。
サザンカ蘭とモカの出会いを繋いだ花であり、この出会いから様々な出来事を経たモカが、これからどうやって蘭と共に歩むのかが歌われる曲となっている。冒頭部分からそういった曲のテーマがイメージされた音作りとなっているように聞こえた。

Afterglowというバンドの核に関わるようなストーリーが紡がれた時に発表される曲全般に言えることだが、この曲も例に漏れず夕日が似合う曲だ。「自分たちらしさ」「いつも通りの当り前」を歌うAfterglowの曲は、僕の心の弱いところをくすぐってくる。
高校生という、大人と子どもの狭間で揺れる彼女たちの葛藤や決意が曲には表現されていて、バンドリ全バンドの中で最も共感できるバンドはAfterglowだと思う。ポピパが学生生活の楽しい部分を中心に曲としている反面、Afterglow大人になるに連れて変わっていくこと、それをどう受け止めていくのかを曲にしていくという、非常に内面的でリアリティーのあることをしている。これ以上ないほど学生バンドをしている。

前述の通り『Sasanqua』においても、変化に対するアンサーが歌われる。Afterglowのバンドストーリー2章で「蘭の背中を追いかけることを諦める」という発言を残したモカがたどり着いた、蘭とバンドに向けたアンサーだ。詳しくはバンドストーリーを読んでいただきたいので割愛するが、先日公開された第3章に繋がる第2章の最終章に位置付けられる曲となる。
今回歌われる「背中を追いかけることをやめる」ことは2章で語られたそれとはまるで意味が異なる。この曲を通してまた一つ大人になったAfterglowの姿を確認してほしい。

Sasanqua

Sasanqua

I love your way!

疾走感溢れるパンク風ソングで、こちらもまたAfterglowが得意とする曲だ。非常にバンドらしいサウンドをしているので誰でも聞きやすく、素直にかっこいいと思える曲だろう。他バンドの曲のような特殊性はないかもしれないが、真っ直ぐかっこいいバンドの曲で、僕自身も勿論好きだ。
サビ前のギターであったり間奏のギターソロもそうだが、ギター二人が向かい合って弾いている姿が想像できないだろうか。特別難しいフレーズも弾いていないが、こういった部分からもバンド感を感じられて非常に良いと思う。

軽快なサウンドに乗せて「君の生き方を愛している」というとても肯定的な歌詞が歌われるため、非常に前向きになれる曲ではないだろうか。いきなり「サンキュー!」「君が必要なんだ」という言葉で曲も始まるし、例えば自己嫌悪を陥ってしまうような時や、自信を失ってしまった時に聞くと元気をもらえるかもしれない。
歌詞というものは誰が歌うのかも、心に響くかどうかの大きなポイントになる。その点で蘭の真っ直ぐな歌声は同じく真っ直ぐなこの曲の歌詞にマッチしていて、聞く人の心にしっかりと響くものとなっているだろう。

I love your way!

I love your way!

おわりに

特別好んでパンク系の曲を聞いている訳ではないのだが、遺伝子レベルで刻まれているのか、聞くとやけにテンションが上がってしまう。
勿論Afterglowの場合でもそうで、それに加えてかなりがっちりとバンドサウンドをやってくれていることに対する嬉しい気持ちも強い。今回の2曲も曲がかっこいいのは勿論なのだが、そうした嬉しさが込み上げてきた。
音源化が待たれる曲には、初めて聴いた時にもっとアガった曲もある。気が早いが今後の音源化が楽しみだ。



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