2022年のフィリピン大統領選の行方 | 米国公認会計士のフィリピン税金や法律のあれこれ

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こんにちは、米国公認会計士の橋本です。

 

最近は査証の更新、会計士資格の更新、運転免許の更新、うちのスタッフの会計士資格の更新とここ数カ月で更新ラッシュが続く弊社ですが、どれも会社の運営には必要なので、出費がかさみますがどれかをやらずに済ますことはできません。やはり仕事をするにはいろいろとお金がかかるもんだと実感する今日この頃です。

 

 今日はフィリピンの次期大統領選についてお話してみたいと思います。フィリピンでは今年中間選挙が行われました。 好調な経済や治安回復などで着実にポイントを稼ぐドゥテルテ大統領の所属政党が圧勝した勢いそのままに、次期大統領候補の選定もドゥテルテが主導権を握りつつ後継指名が行なわれつつあります。

 

 しかし選挙や政治体制に関してドゥテルテ大統領は連邦制を推進していながらも、しばらくは大統領制を維持するのではとの予測から、次期大統領候補には早くも何人もの有力候補が名を連ねています。

 

 一人目は、故マルコス元大統領の長男、フェルナンド・マルコス氏ですが、前回は同じ政党のドゥテルテ支持に回りましたが、次回は自らが出馬する可能性が高いとみられています。 マルコス一族は以前のクーデターで国を追われてからも熱烈な支持層による支援により、イメルダ婦人やフェルナンドもフィリピンに戻ってくるなり、政治復帰を果たすほどの政治基盤を確立しています。

 

 二人目は、前回出馬したものの、ドゥテルテに敗れたグレース・ポー上院議員は議会では政権よりのスタンスを取りながらも、大衆からの知名度が圧倒的に高く、まだ50才という若さもあり、次回の選挙の有力候補には違いありません。

 

 三人目は、ドゥテルテ大統領の長女サラ氏が挙げられます。 これは中間選挙で彼女の推した政権派候補が軒並み当選したため、現在影響力を急拡大させている。 彼女自身も大統領選への意欲が旺盛で出馬の可能性が高い一人とされています。

 

 最後は、現職大統領のドゥテルテ氏です。フィリピンは大統領の再選は認められていません。また大統領自身が高齢ということもあり、再選はあり得ないという意見が大半を占めます。 しかしドゥテルテ氏はフィリピンの政治体制を連邦制へ移行させることを目指しており、そのための改憲のための憲法草案には大統領の任期を「1期4年で2期まで」と明記されていたのをうけ、にわかに次期大統領選への出馬もあり得ると予想されています。自身は大統領職に固執しないと言ってはいるものの、支持率が依然として7割を超えており、薬物対策、経済対策に支持層だけでなく、浮動層の多くからも支持を得ている中、改憲がなされればという条件付きながらも、現職大統領が一番の有力候補と言えると思います。

 

 有力候補の大半が現職大統領の支持基盤からの出馬ということもあり、今後は候補者の絞り込みが焦点になるが、おそらく現状の政治体制は維持されることが予想されます。

 

 次の選挙に向けて水面下での票集めや支持層への働きかけが再び活発化してきています。 選挙にある程度の賄賂や不正があることは承知しつつも、次に選ばれる大統領も現職同様に市民に支持される候補者が選ばれてほしいと願うばかりです。

 

 今後のフィリピンの成長にも期待したいものですね。

 

 今日はこの辺失礼します。