晩秋の古座川でリバーツーリング&テント泊。川旅のロマンを堪能してきた。【前編】

秋の古座川川下り体験記

今まで僕がやってきたリバーツーリングは、日帰りばかりだった。
「川旅」と言いながら日帰りばかりというのが悔しくて、

「いつかは河原でテント泊したい!」

と念じ続けていたのだが、ついにその思いが結実した!
時は2019年11月9日・10日の二日間。場所はおなじみの古座川。よせばいいのに、夜の冷え込みが厳しくなってきた晩秋の季節。

今回の川旅を充実したものとするため、自分に様々なミッションを課した「ミッション:イン古座川」が、ついに幕を開けることとなったのだ。

今回もたぶん、ダラダラと長い記事になるので、【前編】【中編】【後編】の3部作でお届けすることになる。
いつものように前置きが無駄に長く、読者諸氏には気の毒だが、辛抱強く読んでいただけると幸いである。

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【プロローグ】グッバイ!ムハンマドO。

そもそも、今回の「古座川ダウンリバー&テント泊」を思い立ったのは、11月8日の夜7時ごろ。
そう、前日の夜に「そうだ!古座川!行こう!」となったのだ。

もともと、11月9日は友人たちと近所の河原で焚き火&BBQパーティを開く予定だった。
ところが友人の一人である、おなじみのムハンマドOが名誉の負傷でリタイヤとなり、BBQは無期延期となってしまった。

実は11月4日に地域住民の運動会があったのだが(地域の運動会なんて、今や珍しい!?)、その中のリレー競技で張り切りすぎたムハンマドO。なんと両足が肉離れをするという離れ業を披露してしまった。

ヤツは、地域のリーダーとしての責任感からか、どうしても頑張りすぎるところがある。
そこがまた良いところなんだが、一言言わせてもらうと、

 

「バカである。本当にバカである。」

 

大滝秀治さんがご存命なら、

「あいつはバカだ。考えりゃあ分かることだ」(by北の国から)

と言われたことだろう。

ということで、肉離れ(ミート・グッバイ)とともに、ムハンマドOもグッバイになったのだ。
グッバイ、ムハンマドO、永遠に眠るがいい・・・・

 

さて、急にポッカリ空いた週末。どうしようか?と思っているうちに、川へ行きたい欲求がウズウズと。
そこで急遽、古座川への川旅を思いついたというわけだ。

【ミッション:その1】完璧な川旅計画を立案せよ!

かっこよく「川旅」なんて言ってるけど、僕のキャンプ履歴というのは夏や初秋に友達や家族とキャンプをした経験しかない。いわゆる「ファミリーキャンプ」「オートキャンプ」というヤツだ。

当然、ちゃんと整備されたキャンプ場にしか泊まったことがなく、テントも平らに整地されたところにしか張ったことがない。

もちろん、それはそれで非日常を楽しめるし、気の合う仲間や家族とワイワイ賑やかにキャンプをするのは大好きだ。

ファミキャンやオートキャンプを否定するつもりは毛頭ない。

ただ、今まではそれが「アウトドアのすべて」だと思って悦に入ってたが、カヌー(パックラフト)の川旅を知るにつけ、自分は箱庭のような限られた環境で「アウトドアごっこ」をしていたんだと気付かされたのだ。

だから、

  • 一人で(頼るものが誰もいない)
  • 普通の河原で(キャンプ場でない)
  • 晩秋に(夜は寒い)

というシチュエーションは、恥ずかしながらこの歳になるまでやった事がなく、51歳にして初めての挑戦となったわけだ。
この歳になって「野宿」に目覚めるとは、僕もバカの一人なのだ。

そんなわけなので、失敗は許されない!と自分に完璧な川旅計画の立案を課したわけだ。

今回選んだステージは、おなじみの古座川。
最初は熊野川にしようと思ったんだが、やはり馴染みの店(川)の方が落ち着くしね。

この時期の古座川は落ち鮎シーズンで、高瀬橋から下流は落ち鮎の産卵場所になるため「カヌーは遠慮してね」という事になっている。

また、古座川の河原では公衆トイレのある場所でしかキャンプができない。(環境への影響を配慮して)

そんなわけなので、一枚岩をスタート地点にして、鶴川橋の河原をテント泊地とすることに決めた。

古座川カヌー川旅のプラン

距離にして約6km。ちょっと短いけど、今回はゆっくりのんびりがテーマなので、良しとする。

ここの河原は、近くに公衆トイレがあってキャンプOKの河原だ。まあ、トイレがあるってだけで、普通の河原なんだけど(笑)。

僕の考えた計画はこうだ。

  • 鶴川橋の河原まで車で行き、そこに車を置いておく。
  • 鶴川橋から一枚岩まで折りたたみ自転車で移動。
  • 道の駅一枚岩に自転車をデポ。
  • 一枚岩から鶴川橋までダウンリバー。
  • 鶴川橋に到着。河原でテント泊。
  • 翌日、鶴川橋から明神橋までダウンリバー。
  • 明神橋から鶴川橋まで歩いて戻る。(約4km)
  • 車に乗って一枚岩まで。自転車を回収して終了!

キャンプ地の鶴川橋河原を中間地点にして車を置いておき、その前後をダウンリバーするという計画。

我ながら完璧な計画だ。予想外の寒さに備えて、車に毛布や重ね着用のウエアも積んで置けるのが心強い。

荷物は通常の川下り&テント泊を想定してミニマムにしているが、いざという時のかさばる荷物を車に積んで置けるのが最高じゃない?

車、自転車、徒歩をフル活用して古座川の川旅を満喫しようという作戦なのだ。

【ミッション:その2】晩秋の古座川を思う存分楽しむがいい!

さて、川旅計画を実行に移す時がやってきた。
11月9日の早朝6時半ごろに自宅を出発。高速道路を南下し、一路古座川を目指す!
途中、馴染みの店(スーパーオークワ串本店)で食材やお酒を購入。

そしてテント泊地である鶴川橋の河原に到着したのだ。

鶴川橋の河原

1泊素泊まり無料のお宿。眼前には古座川の清流が。
お部屋(河原)も広々として良い感じだ。

ここでリバーツーリング用のウエアに着替え、パックラフトを入れたバックパックを背負って、自転車で出発だ。

鶴川橋から一枚岩までは、川自体は蛇行しているので6kmになるが、道路はまっすぐでトンネルもあるために3kmほどの距離しかない。

橋の上から見る古座川

途中の橋の上から見る古座川。男51歳ひとり旅の始まりに、ワクワク感を抑えることができない。

道は傾斜がほとんどなく、今までの自転車苦行から比べると雲泥の差で楽だった。
15分ほどで一枚岩に到着。いつもの雄大な風景が僕を迎えてくれた。

一枚岩

この時期は観光客もまばらで、カヌーイストは1人もいない。
巨岩の佇まいとシンとした静寂が、旅感を演出してくれる。

さあ、いよいよ出発だ。

一枚岩とパックラフト

一枚岩前の古座川は、流れがほとんどなくトロ場になっている。
ここでは慌てることなく、川の上から一枚岩を眺めたり、しばし風景を堪能してから下り始めるのが良い。

一枚岩からパックラフトで出発

秋晴れで気持ちのよいリバーツーリングになりそうだ。

川から眺める一枚岩

このアングルで一枚岩を撮影できるのは、川の上からだけ。パックラフトをやってて良かったのは、普通では見ることができない視点で風景を楽しめることだ。

今日は帰る必要がないので、気持ち的にもすごくのんびりだ。
まだ紅葉には早い時期だけど、秋晴れの空が古座川の川面に映り込み、すごく美しい。

秋の古座川

鏡のような水面に映える、秋の空と熊野の山。

古座川

地元漁師さんの川船かな?川と人との距離の近さを感じられて、改めて「いい川やな〜」と思ってしまう。

この日は天気が良く、日の当たる場所では汗ばむほどだった。
でも日陰になると途端に寒くなる。
11月の古座川は、澄み切った空気を感じられて、春とはまた違った雰囲気だった。

秋の雲と古座川

見上げると秋の空。贅沢な時間。

陽光キラキラ

川面にキラキラと輝く陽光。晩秋の川旅って、ええ感じやん!

この日は天気が良かったし、「レンタルカヌーも含めてカヌーをしている人が多いかもな」と思っていたが、どこを見回しても僕一人。文字通りのソロツーリング(ボッチで寂しくひとり旅)だった。

10月11日〜12月10日までは、高瀬橋より上流は禁漁になっているから、鮎釣り師がいない。
観光協会と漁協の協定で、カヌーと鮎漁の棲み分けがしっかりできているので、ノンストレスで川下りできるのだ。
(そのかわり、高瀬橋より下流は川下りしないのがマナーね)

 

さて、こんな感じで始まった「男51歳ひとり旅〜古座川編〜」。
恒例のように記事が長くなったので、前編はひとまずこれにて終了。

川旅に慣れた人が今回の記事を見たら、あまりに初心者丸出しで笑止千万かも知れない。

大滝秀治さんがご存命なら、

「つまらん! お前の話はつまらん!」(byキンチョー)

と言われたことだろう。

でも僕はあくまで初心者で、この記事も同じ目線の人(初心者)に向けたものなので、許してね。
ついでに、グダグダと無駄に長い文章も、許してね。
ついでに、中高年にしか分からない大滝秀治さんの名セリフを出してきて、許してね。

というわけで、中編へ続きます。

中編はこちら

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