手作りパンのノウハウ

パン作りの作業台(ペストリーボード)の選び方【木製が使いやすい】

悩み事

  • パン作り用に作業台を買おうと思ってるけど、プラスチック製やステンレス製、木製など色々あって迷う。
  • 木製のものを使っている人が多い気がするけど、何かメリットがあるの?

上記の疑問にお答えします。

パンブロガーのふくともです。3年ほど独学でパンを焼き続けてきました。

パン作りを始める際に揃える道具のひとつに作業台があります。別名「ペストリーボード」と呼ばれています。

ペストリーボードの選び方で一番のポイントは材質です。種類は木製やシリコン、人工大理石、プラスチック、ステンレスなど様々なものが存在しているのですが、初心者のうちはどれを買えば良いかわからないですよね。

ふくとも
単純に安さで選んでしまうと後で後悔します。材質によって特徴があるのでよく考えた方が良いですよ。

実際にパン作りで使ってきた僕の結論として、木製のペストリーボードが圧倒的に扱いやすく初心者に強くおすすめです。
逆に絶対避けてほしいのはシリコンのペストリーボードですね。僕は一度これを買って大失敗しました。

当記事を読めばペストリーボードの材質による違いや選び方を理解することができます。これからペストリーボードを買おうかなと思っている方はぜひ参考にしてみてくださいね。

パン用ペストリーボードは「木製」がおすすめな理由

木製ペストリーボードのメリット

木製が扱いやすい理由は以下の4つです。

  1. パン生地をはがしやすい
  2. パン生地をこねやすい
  3. パン生地を分割しやすい
  4. パン生地の温度管理が楽

逆にデメリットを挙げるなら「机のうえでこねる時にボードが横ズレしやすい」くらいですが、これもある対処法を実践したら万事解決しました。(方法は後ほど解説)

ちなみに僕が愛用しているのは「cuoca ペストリーボード(ミニ)」です。ミニサイズという割にまな板の2倍くらいあるので、パン作り入門には十分な大きさ。さらに大きいサイズの方が扱いやすいですが、スペースも取って値も張るので、初心者はこのサイズから入るのがおすすめですね。

参考cuocaペストリーボード(ミニ)

利点1:パン生地をはがしやすい

人口大理石やステンレス製のペストリーボードは、こね始めたばかりのベタベタしたパン生地がくっつきやすいです。

パン生地がはがれずに困った時は、打ち粉(小麦粉)を作業台に多めに振っておけば少しよくなりますが、木製だと元々はがしやすいのでパン作りが捗ります。

ふくとも
パン生地が台からはがれにくいと案外ストレス溜まります。
どうせなら楽しくパン作りしたいですよね。

 

利点2:パン生地をこねやすい

プラスチック製のペストリーボードは安価で手に入るのが魅力ですが、表面がツルツルしているので、力を入れてこねにくいという欠点があります。

木製のペストリーボードだと、ほどよくパン生地が引っかかってくれるので力を込めてしっかりとこねることが出来ます。

パン生地にうまく力を伝えられないとパンのグルテン形成に失敗して膨らんでくれないので、こねやすさは特に重視すべきポイントだと僕は考えています。

 

利点3:パン生地を分割しやすい

ペストリーボードの上でパンを2つや4つに分割する時に、カードやスクレイパーという道具を使います。

単純にパン生地の上からスパッと切るように押し込むだけなんですが、木製の方が切った後の刃の当たり方がソフト。ステンレス製だとガチッとした金属を叩くような感覚が嫌だなと感じる人も多いと思います。

木製だと力を入れすぎて割れないか心配という方もいるかもしれませんが、厚みがあるのでまったく問題ありません。僕が使っているものは厚さ18mmほどと小説くらいの厚みはあります。

 

利点4:パン生地の温度管理が楽

パン作りってあなたが思う以上に温度管理が重要だったりします。

パン生地がキレイに膨らむ(発酵する)温度は大体28℃が理想的だと言われており、低すぎるとまったく膨らまなかったり、高すぎるとブヨブヨになってしまいます。同じ材料で作ってるはずなのに、失敗してしまうのは温度管理とこね不足が原因ってケースが多いので気をつける必要があります。

木製のペストリーボードは温度を一定に保ちやすいので温度管理しやすいのですが、ステンレスや人口大理石製だと温度管理がちょっと面倒だったりします。

  • ステンレス製:冷えやすい性質
  • 人工大理石製:常に低温を保つ性質

例えば食パンのように大きく膨らませたいなら、パン生地をこねる段階で冷えすぎないように工夫しないとダメってことです。木製だとこの当たりの気遣いが不要なので、頭を悩ます必要が無くて助かります。

 

一部例外もあり

冷えやすいという性質が利点になるケースも実はあります。例えば「クロワッサンを作る時」ですね。

クロワッサンは大量のバターを使うのでパン生地の温度が高いと溶け出してしまいます。なので、低温をキープしないとダメです。こういった場合は、人工大理石やステンレス製のペストリーボードが効果的。

他にもバターをよく使うお菓子作りは大理石の板で作業される人が多いです。必ずしもステンレスや人口大理石製のペストリーボードがNGというわけでは無く、ケースバイケースだと考えておいてください。

シリコンマットだけはやめておこう【超扱いにくい】

ペストリーボードを選ぶ際に「シリコン製」の薄いゴムシートタイプのものは避けた方が良いです。

値段は800円前後と安いので選んでしまいがちですが、僕は「買って後悔」しました…。

シリコン製の一番の問題点はパン生地が張り付いてはげれないことです。こね始めたばかりのパン生地ってベタベタして張り付きやすいんですが、シリコンマットだと絡みつくように張り付いてしまい全然取れません。

打ち粉をたっぷり振っておけば問題無いのかもしれませんが、そもそも薄いゴムシートなので、力を入れてこねるとクルクルとシートが丸まってしまい、思うようにパン生地をこねることができません。

ふくとも
とにかく作業が捗らずイライラします。僕は3回使って見切りを付けました…。

あえてメリットを挙げるとするなら「洗いやすい」くらいですかね。他にあったら教えてほしいください。

初心者のうちはパン作りが楽しい感覚を掴むことが大切。道具選びに失敗してしまうと「あんまり楽しくないな…」って思ってしまい、長続きしないかもしれません。

 

ペストリーボードの底が滑って困った時の対策方法

木製のペストリーボードを使っていて唯一困ったのが「机のうえでこねる時にボードが横ズレしやすい」ことでした。

僕はパン作りする時にガラストップのキッチンテーブルの上にペストリーボードを置いてこねているんですが、力をいれてこねると結構横すべりするんですよね。使えないほどではないですが、力加減に気をつけないといけなくて少し面倒だったりします。

横ズレへの対策は、シンプルに裏面にすべり止めを貼り付ければ解決します。

すべり止めはなるべく強力なものが良いと思い、色々吟味した結果「GRiPhone(グリフォン)」というすべり止めシートを選びました。

使い方は簡単。GRiPhoneをハサミで2cmの正方形サイズに切って、ペストリーボードの裏面四隅と中央の5箇所に貼り付けるだけです。これでまったく滑らなくなりました。

こんな感じで裏面に貼り付けます

貼っておけばとにかく快適になるので、一度お試しあれ。

まとめ:最初に買うなら木製ペストリーボードを選ぼう

最後にペストリーボードの種類ごとの特性を整理します。

種類ごとの特性

  • 木製:パン生地がはがしやすく、温度も安定して使いやすい。横ズレはすべり止めシートで対策。
  • プラスチック製:安価で手に入るが、表面が滑るためこねる時に力をいれずらい。
  • ステンレス製:パン生地がくっつきやすい。表面温度が下がりやすい。お菓子や菓子パン作りには重宝。
  • 人工大理石製:パン生地がくっつきやすい。表面温度が常に低い。お菓子や菓子パン作りには重宝。
  • シリコン製:おすすめしません。
ふくとも
木製をヨイショする書き方になってしまいましたが、ありのままの気持ちです。

他と比べてかなり扱いやすいので、パン作りをこれから始める方やペストリーボード選びに悩んでいる方は「木製」から入門しましょう。

最後にペストリーボードってどこで買えば良いの?って話をします。さすがにスーパーやコンビニでは買えませんよ。

手軽に入手するならAmazonや楽天市場内で「ペストリーボード」で検索すればいくつか見つかります。また、「富澤商店」や「cotta」といった製パン材料を取り扱う専門店でも購入することが出来ますよ。実物を見たいという人はキッチン雑貨のお店やホームセンターを覗いて見てください。

≫cuocaペストリーボード(ミニ)

それでは、楽しいパンLIFEを!!

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