Mobilityサービスを巡る直近の動向 ~加熱する電動スクーター開発~

https://www.bird.co/press/bird-announces-one-bird/

加熱する電動スクーター開発

全米では5マイル以内の移動が移動件数の60%を占めているといわれる。同距離での移動に最適とされるMicromobility分野、特に電動スクター領域での動きが活発になっている。電池切れになっている電動スクーターが多くみられる現状の課題に対して、各社は、走行可能距離延長やバッテリーシステムの開発など様々なアイディアで、解決を目指している。

LyftはSegway Ninebotと共同で、以前より重量が重く強度が高い、航空機グレードのアルミ製電動スクーターを開発した。バッテリーフル充電時の走行可能距離が、従来の15マイルから37.5マイルに伸びており、運用効率向上を狙う。自らがバイク愛好者であり、歩行者とバイクの安全政策をNYで強力に推進していたCaroline Samponaroが、昨年末にLyftのHead of Micromobility Policyに就任した。(*1)同氏は「個人所有の車のためではなく、人のための町というLyftの将来のビジョンでは間違いなくスクーターが中心にくる」と語る。

Uberは、昨年4月に$200Mで買収したとされるJUMPの電動スクーターのリニューアル発表を行った。現状では、道中に電池切れになっているスクーターが多く見られる点が、ユーザーのペインポイントとなっている。Uberは同課題を解決するべく、ユーザー自身が交換可能なバッテリーシステムの開発状況を発表した。UberのCEOは、昨年度同期間比で230%の伸び※を見せるMicromobility分野の成長性の高さに期待を寄せており、今後も積極的に開発を行っていくことを伺わせる。

スクーターシェアのリーディングカンパニーであるBirdは、同じく電動スクーターシェアのScootの買収を認めた。(*2)サンフランシスコ市内でのサービス提供許可を持つScootの買収により、サンフランシスコ市内でMicromobilityサービスを提供することが可能になるとみられる。電動スクーターを巡り、各社の開発及び投資が更に加速しそうな気配である。
※同社のMicromobility分野を含むセグメント総売上の伸び率

車内でのYouTube及び社内ゲームの開発

Teslaの車載ディスプレイがYouTubeに対応するという。前月掲載のとおり、Teslaは2020年中の自動運転完成に自信をみせている。車の中にストリーミングビデオを流すことは運転の安全性の観点からも想像しにくいが、Teslaは完全自動運転になる日を見越して、同発表を行っていると考えられる。Teslaは、直近で車載ディスプレイで遊べるゲームタイトルの追加も発表している。完全自動運転及び部分的な自動運転を見越した上で、運転を前提としない車内インフォテイメントの開発が本格化する日もそう遠くないのかもしれない。

Uber Elevateの展開

https://www.uber.com/us/zh/elevate/vision/

空の移動が移動効率の観点から注目を集めている。Uber ElevateはSignature Flight Support社と共同で電動垂直離着陸機の着陸場所を空港に確保する準備をしている。Signature Flight Support社は、民間航空ターミナルのネットワーク、プライベートジェット向けのサービス及び世界200か国以上のヘリポートを提供している。Uberは、同社と提携することで、ロサンゼルスなどの巨大空港をはじめとして世界中の空港への参入を視野に入れている。Uberは、2023年にロサンゼルス、ダラス・フォートワース、メルボルンの3都市でサービスを展開を見込む。Signature Flight Support社のアセットを活用して、それぞれの都市で空港以外に5~7箇所のヘリポートを確保計画であり、これにより、効率的な空の移動の実現を目指す。Signature Flight Support社のShawn Hall氏は、利用者の多くは空の移動の効率を求めており、移動効率こそが最大の提供価値であると語り、同社のアセットの重要性を強調する。

空の飛行に関して、従来の考え方と全く異なるアプローチをとるBlack Birdにも注目である。同社は、早く便利に移動したいという顧客ニーズに加え、安さを追求する。同社は、在籍する700超のパイロットと乗客のマッチングサービスを展開しており、カリフォルニア域内を中心に50から500マイルの距離での移動を中心にターゲットとする。セスナでのSan FranciscoからNapa Valleyの見積もりは30分$88であり、Uberでの移動より安価な金額となっている。

各社とも移動効率及び価格に配慮しながら、独自のサービス構築を目指しており、各社の空のMobility開発からも目が離せない。

(1)参考記事:https://summit.movinonconnect.com/en/speakers/samponaro-caroline
(2)参考記事:https://techcrunch.com/2019/06/12/bird-confirms-acquisition-of-scoot/