ブラック公務員

30代手前で消防地方公務員を辞めたいと思った5つの理由

僕は今田舎IターンをしてWEBコンサルタントとして働いていますが、それまでは地方公務員(消防)で働いていました。


辞めたのでは30代手前の29歳の時、地獄のような消防学校を経て、ようやく全体の仕事感がわかってきた7年目に退職することにしました。


今でも「公務員辞めてもったいない」と言われることもありますが、自分的には割と自分で納得して辞めました。


今回は自分が地方公務員(消防)を辞めるに至った大きな5つに理由について紹介していきます。

災害や管轄制度で生活・自由が縛られる

これは特に消防や警察にいえる制度です。警察については詳しく知りませんが、消防に関していうとつまりは、


「大きな災害(気象・出動)があったらたとえ休みでも必ず来いよ」


っていう制度です。
例えば大雨警報や大きな地震があったら自分の配属されている消防署か最寄りの消防署へ行かなければなりません(階級や状況によって異なるため規定や規則は省きます)。


大きな地震はいつ起きるかわからないけれど、天気の状況には常に怯えている日々が続きます。


という状況なので、自分の消防組織が管轄しているエリア外に出る時は、災害に備えてどこにいるのか把握できるように、「自分は○○県のこの場所に○○日までいますよ~」という届けを出さないといけません。


毎回言い辛い有給休暇を取りに行く前のような気持ちになります。

朝起きて、

「今日は天気も良くて気持ちがいいから、隣の県へドライブ行こう!」

というのは気軽にはできず、東京ディズニーランドへいく計画も、しっかり旅行会社で計画・予約してついに明日だ!っていうときに台風が発生したので、泣く泣くキャンセルせざるを得なかった経験があります。


多分行こうと思えば、まだ台風が来る前のディズニーランドを楽しんで、台風が直撃するくらいに帰る状況だったけれど、さすがにリスクが高い上に悪いことにその台風ニュースを上司も見ていたので「この状況だとさすがに届けにハンコ押せない・・・」ということで計画は流れました。


この時の上司の判断は正しいのですが、この制度がある以上自由は本当にないですね。自分はまだ行く前だから良かったにしろ、他の同僚には東北まで行っていたところ、旅行途中で広島へ戻って来るように言われたので本当にかわいそうな状況です。


さすがに帰ってくるのが無理と判断されたのは、新婚旅行で海外へ行っていた方たちくらいです。


消防は少し特殊ではありますが、自衛隊含めた国家公務員や様々な公務員の業種も、何か有事があればそれに必ず対応しなければならないのでそこは厳しい所です。

残業がきつくてお金が出ない

配属される部署によって忙しさは異なりますが、僕の配属された事務系の部署は市街地の中心でかなりの業務量がありました。


ただでさえキツイ中に、さらにその業務の洗い出しということで来た上司により数倍キツイ状況に。


月の残業時間は、だいたい60時間~90時間くらいになりました。


あとこれに休日に行ってやってたりしてたんで、もっとあったかも・・・。


にもかかわらず、月に10時間の残業時間しか取れないということが決められてるので、このくらい残っても残業時間は10時間までです。


出るだけありがたいと言えばそれまでなんですが、さすがにこの分サービス残業になるのは痛すぎです。自分の配属している課だけじゃなく、同フロアの他の課の人も大抵残業している状態です。


残業代が時間の割に出ないということも厳しいところですが、定年間近の方もいつもかなり残っていた姿を見て、そのブラック感が半端なくて将来に絶望したことも理由の一つです。


公務員は定時上がりが出来ると言っていた人は誰なのだろう・・・

ある上司の「人質を取られてる」宣言

現場災害活動時代も市街地の忙しいところに配置されていた自分ですが、その時に一緒に隊を組んでいた40歳手前の上司の言葉がかなり印象に残っています。


「子供を人質に取られている」


意味:本当は消防の仕事嫌すぎて辞めたいのだけど、子供と家族がいるから辞めるに辞めれない。


この方は救急救命士で優秀な方なのですが、もともと救命士志望ではなく組織からの命令で救命士試験を受けさせられました。


自分のあまりやりたいことではなかったのと、そもそもこの救命士の仕事の責任や仕事があまりにもハードすぎて、救急救命士になりたいという意思がある人以外除いてあまりやりたくポジションです。


でもなった以上は職務を果たさないといけないので、夜もろくに仮眠できず、病院もなかなか決まらない、患者さんの症状に常に神経をとがらせておかないといけない究極にハードな仕事で内容。


いくら仕事とはいっても、救急隊の平均寿命が60歳になると言われているほどキツく、同じように「辞めたい」と言っている他の先輩方も目にしました。


そんな姿や言葉を聞くと、正直言って将来像真っ暗です。


いくら生きるための仕事とは言っても、自分の寿命や精神的にも健康的な生活が送れないとなると、完全に本末転倒なので辞めたいと思う大きな理由になりました。

消防の特殊な勤務形態による体力的問題

異動で一喜一憂するのはどこの会社や組織でも同じですよね。ただ自分の勤めていた消防組織はちょっと特殊で、大きく「現場出動系」と「事務系」に分かれています。

消防車での火消しや災害出動、救急車での救急出動を主にしている現場出動系から、庶務系の指導係りから予防課、総務課、○○課・・・のような事務系です。


バリバリ現場活動が好きでやっている人が事務系に行くのもキツイんですが、事務系で身体がなまって筋力低下した後に、現場活動に異動するのはブランクありすぎてかなりエグイです。


しばらくパソコンいじってばっかりだったのに、異動してすぐに現場や訓練で数10kgの防火衣やホースバッグを持って走るようになるのは正直キツイしケガのもとにもなります。


こうならないように日頃鍛えておきたいところなんですが、夜遅くまで仕事しないといけない部署にもいたので、配属場所によってはそれも難しいところです。


今はまだ若くて身体が動く方だからよくても、50代くらいになったらと確実に体力的に厳しそうで、実際にそんな諸先輩方を見ていると精神的よりも肉体的に辞めておいた方がいいかなぁと常日頃から思うようになっていました。

人間関係は運と人事のさじ加減で決まる

なんだかんだいって、どの職場でも上司、同僚との人間関係が一番大きな仕事辞めたい原因を占めています。


このあたりは会社、各組織どこでも変わらない永遠のテーマでもありますが、良い人と一緒の配属先になったら毎日仕事が楽しくてパフォーマンスも間違いなく上がるところなんですが、ヤバい上司や人間関係が悪い所に配属されるとそれはもう毎日地獄です。


僕の場合は現場出動系勤務の時に怒号系パワハラ上司Aに当たって、最初は普通に当たり前に用に出来ていたことが、一つの失敗からどんどん攻め立てられて結局何にも出来なくなるくらいにまでダメになっていきました。


これじゃさらにヤバくなるので、人事に関わるさらに上の上司Bに別部署への異動を懇願して、異動となる年度末になる数か月間ただひたすら耐える日々を送っていました。


そして異動の内示の日、僕を待っていた異動先はすでに激務と人間関係で休職者も出ている事務系の部署でした。

人間関係は人によって合う合わない、タイミングの運もありますが、最終的には人事の影響も大きいですね。


そこから丸2年終わらない業務やサービス、休日出勤に耐えながら、さすがに精神的にも肉体的にも限界に来たので異動を懇願しましたが、結局3年目に突入しても上司と自分の異動は変わらない結果に。


それもそうですね、あとから知った話ですが、自分が前のパワハラ現場の時に異動を懇願した上司Bも全然異動しておらず自分の上司のまま、もっと上の職員課と現状を報告しないといけないところ報告をしない、やる気をなくした適当なク〇上司と後に聞きました。


人畜無害な顔してやることはテロ級な上司Bの助けもあって、結局その移動内示の1か月後に身体と精神壊して休職。


そして退職を決意する決定打となりました。


かくいうその上司Bは、異動内示が出た数日後に定年退職でおさらばの身。


今頃どこで何をしているのかは知りませんが恨んでも仕方ないので、またどこかで会うことがあるのならば、もっと成長した自分になっておきたいなと思います。

まとめ

その他細かい理由も色々ありますが、以上が僕が公務員を辞めようと思った理由です。


その時の状況が本当にキツかったというのは理由の一つして確かにありますが、一番は今後このまま仕事を続けた未来が真っ暗っていうのが大きかったです。


今回は地方公務員の特に自分のいた消防という業種にフォーカスしましたが、だいたいのところで他の会社や組織と似たり寄ったりのところもあると思います。


もちろん辞めたりする必要は無く、公務員に限らず自分のこれからの未来像がどうか、改めて考えるキッカケになれば幸いです。

「何をどう始めたらいいかわからない」そんな最初の一歩を踏み出して、未来への選択肢を増やす実践教材を無料プレゼント中