中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

’20年版 完全フカセ・タックル 〜中型電動リール漂流記・その2「シマノをイジる編」

2020-11-14 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
 その1から続く

■理想のリールを求めて~シマノ編■

 きっかけはシマノセールスがyoutubeで公開している「電動リールグリスアップ」という、動画だった。
https://www.youtube.com/watch?v=rECSftqLM3M&t=506s
 そこでは’13 ビーストマスターの分解&グリスアップ法が紹介されている。

 ボク自身は一時、旧型フォースマスター3000MKや現行フォースマスター3000、そして’16ビーストマスター3000XPを所有していたが、これらは「ハンドル周りを外し、見えているネジを緩めるだけ」といった従来の方法では右サイドパネルが外れず、分解メンテナンス等は諦めていた。
 そのため、レベルワインド機構のウォームギヤ周りと、スプールの隙間からパーツクリーナーとオイルを吹き入れるといった、簡易的なグリス落としと潤滑で我慢していたが、これではフリー回転性能を高める効果は僅かだった。
 だが、この動画のおかげで、フォースマスター3000MK発売以降のシマノ製電動リールの分解法が、ようやく判明した。これにより確実なグリス抜きと潤滑が出來るようになったのだ。
 そして、タイミングが良い事に使用少の’13ビーストマスター(中古)が手に入ったのを機に、その「本格的なグリス抜きと潤滑」に挑戦し、「これでダメなら、シマノ製電動リールでの完全フカセ釣りは諦めよう。」と考えた。

●メンテ用品●

 手順としては動画通りに分解を進め、スプールを支えている両サイドのベアリングを外して、パーツクリーナーで洗浄し、それが乾いたら純正のオイル(ザルス リールオイルスプレーSP-015L)をベアリング内部に注入するのが第一。
 後はレベルワインド機構を駆動させる、プラスチックギヤ周りとウォームギヤに着いたグリスを拭き取り、同オイルを注入して組み戻せばOKとなる。

●バラした画像●

●左の大径ベアリングが左サイド用●

 要注意点として、「スタードラグ周りのハンドル軸に入っている四角ナットやワッシャーには、それぞれに裏表があるので、その向きを間違えないようにしなくてはならない」というのがある。そのためドライバーのシャフトなどに一枚ずつ、入っていた向きのまま順番通りに差してゆく方法をオススメする。
 グリス抜きの結果は素晴らしく、驚く事にあの「回らない」で有名なシマノ製スプールインモータータイプが劇的に回り始めたのだ。

●’13ビーストマスター3000●

 このグリス抜きは「抵抗はあるが高負荷に強く、耐久性のあるグリス」を抜いて、「抵抗は少ないが高負荷に弱く、耐久性のないオイル」を注入するので、メンテナンスの頻度を上げねばならない。
 また、難しくはないが、分解&組み立ての知識がないと実行出来ないので、一般的ではないのかもしれないが、「買ったが回らず後悔したリール」を再生できる可能性がある。
 但し、不思議な事に右側=ハンドル側に傾けた方が、よりスムーズに回転し、反対側に傾けると抵抗が掛かってしまう事が判明した。
 これはボクの所有物固有の事象かも知れないが、恐らく左サイドのどこかにスプールエッジが擦っているのが原因だと思われたため、内径30mm、外径35mm、厚さ0.1mmのシムリングをAMAZONで購入し、外周を少しカットして32mmほどにしてから左サイドのベアリングの左に挿入してみると、抵抗は解消した。
 だが、わざわざ挿入しなくても、竿受けにセットする際に、右に傾けておけば問題は起こらないのだが…。

●シムリング●

 因みに’13ビーストマスター3000と旧フォースマスター3000MKは構造が同じだ。従ってこれも動画通りに分解出来る。
 また、’13モデルよりも更にドラグ&モーター性能の上がった現行の’16ビーストマスター3000XS&XPも、ほとんど同じ手順で分解出来そうなので、いずれ手に入れ直して、このグリス抜きを試みたいと思っているが、その後のパフォーマンスが楽しみだ。


■実釣インプレ■

 ’20年秋から連続使用したが、横に並ぶシーボーグ500ATに引けを取らないスムーズなフリー回転はずっと続いていた。
 92cmのヒラマサとのやり取りではシマノ製品特有の「引っ掛かりの無い」ウルトラスムーズなドラグフィーリングと、「もう少しだけ締めたい、あるいは緩めたい」と思った際の、調整幅の的確さも味わえた。
 これまで同社の電動リールは多数販売され、多数使用してきたが、その中で完全フカセ釣り用としては総合的に一番の出来だと思えるのが完全フカセスペシャルだった。
 だが、グリス抜き後の’13ビーストマスター3000は、それを超えるどころか、他社を含めて全ての中型電動リールの中であっても、まさに「最高クラスの完全フカセリール感」だった。
 それに加えて、一回目の使用後、二回目の使用後共に全部を抜いてラインの総チェックを実行したが、潰れや傷の具合は全く問題がないレベルだった。元来、スプールインモーター方式で糸潰れや食い込みが気になった事は一度もなかったので、これは当たり前の事なのかもしれないが…。

●’13ビーストマスター3000の糸巻状態●



■大前提の…■

 今迄、特に緩潮時だと隣の良く回るダイワ・ユーザーに差をつけられる事が多かったシマノ・ユーザーだが、これで指をくわえて釣果を眺める事は無くなるはずなので、分解と日頃のメンテナンスに自信のある方であれば、グリス抜きにチャレンジするのは大有りだと思う。

 しかしながら、この手の話の常ではあるが、「改造後はメーカー保証が受けられないので、自己責任で行う事!」これは大前提だ。

 と、ここまでいつものように長々と記してきたが、ホンネは「ユーザーが、そんな苦労をしなくてもイイように、フリー回転性能を高めた完全フカセ仕様をメーカーが作るべき。」と、言いたいところだ。ポテンシャルは充分過ぎるほど高いのだから、勿体ない話だ。

 以下、その3「ダイワをイジる編」に続く

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ふかせ釣り)
2023-01-25 21:05:46
どのくらいの頻度でバラシてオイルを注油されておられたんですか?
Unknown (ブラザーズ弟)
2023-02-02 18:11:43
返答が遅くなり、申し訳ありません。
グリスを抜くと、ベアリングから出る音が「シャー」といった感じになるのですが、その音が大きくなれば注入していました。
但し、フルに分解してから注油するのは冬のシーズンオフに1回でした。
普段は液晶パネルに向かって左サイドはスプールエッジから多目に差す事で無理やりベアリングに届かせ、右サイドはドラグにオイルが侵入する可能性があるので、スプールエッジからは、サッと差す程度にしていました。
但し、右サイドは分解し易いので、釣行3回に1回程度の割合でパネルを外して軸周りのベアリングに直接差していました。
注油後にクラッチオフにして指でスプールをはじき、音が小さくなればOKです。
Unknown (ふかせ釣り)
2023-02-12 15:06:59
コメントありがとうございます。
そうなんですね。毎回毎回バラすのは少し面倒なとこもありますよね。
リールの裏側の両サイドの水抜きの部分からストロー付きのオイルでスプレーして届かないもんですかね?水抜きの穴は結構大きいんで注油しやすいかな?って思ってました。
Unknown (ブラザーズ弟)
2023-02-20 09:23:01
水抜き穴からの注入に関して言うと、ハンドル側は内部に通じているので届きますが、左側はモーターの台座プレートがあって、内部には届かない構造になっていますので、スプールエッジからしか入りません。
但し、全く右サイドプレートを開けずに、オイル注入ばかりを続けるとギヤ周りのグリスが流れ出てしまいます。そうなると別のトラブルに見舞われますので、定期的に分解してのグリスアップが必要になります。

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