【最終回】不育症の産後、どうなった

6/13現在、2020年3月以前の日記の画像が表示されなくなっています。復旧をしばしお待ち下さい。

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体力を過信してはいかん

不育症の産後、どうなった 

娘も8ヶ月となりました。

わたしは毎日寝不足ではありますが、我ながらけっこう元気に育児に取り組んで過ごしています。

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産後の無痛性甲状腺炎も発症せず、チラージンの服用も卒業しました。

妊娠中は、2018年からかなり短いスパンで妊娠と流産を繰り返したので「とても幸運ではあるけれど体はガタが来ないだろうか」と、産後の体調を心配していました。

もちろん無理は禁物ですが(寝顔がデスマスクだった)、不育症ということで妊娠中にストレスや体調をコントロール出来ていたおかげで、わりと産後も元気なのかなと思います。

娘も生まれてからずっと、発育曲線のど真ん中のちょい上くらいでスクスク育っています。

ありがたいことに、わたしの不育症が由来の先天的な疾患などは現時点では特に指摘されていません。

夫は言うまでもなく、彼もまた発育曲線のちょい上くらいで元気です。

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この「3度目の正直」ブログをぽちぽち書き始めたのが、不育症の検査を開始した頃の2018年の10月。その後、記事を整理して2019年の6月に公開を始めました。

2回めの流産のショックも、不育症と向き合うことも、そして3回めの妊娠への期待と不安も、ここに記録をすることでずいぶん支えられました。

本当は人間ドックに行って血清亜鉛の数値を確認してからと思っていましたが、ひとまず今回の産後についてまとめた記事を以て、「3度目の正直」の更新をいったん終えたいと思います。

 

不育症からの出産を経て、今の気持ち

先日、娘が寝ついたときに夫とお茶を飲みながら妊娠出産を振り返る話を少ししました。

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妊娠中は、毎朝目が覚めたら最初に「生きているかな、生きているかな?」と祈るようにお腹を撫でていました。

たまに娘が熟睡していて反応がないと、もう半泣きになって声をかけ、娘がかすかにでも動いてくれるのを待ちました。

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でもそれは流産経験がなくても、どんなお母さんも抱える不安だと思います。

だから不育症といっても、適切な治療さえしていればむやみに怖がる必要はないはずでした。

だけど、3回の妊娠を通して1度も「手放しで喜ぶ」ことが夫婦共に出来なかったこと。ベビーグッズを揃えていくたびにプレッシャーを感じて怖かったこと。

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それはやはり「不育症からの妊娠出産あるある」でした。

もちろん出来るだけどーんと構えていこうと思っていたし、「もしものとき用にせめても楽しみを用意しよう」と、観劇のチケットを買っておいたり、旅行先を決めたり。いろんな保険を作ることで、ネガティブを一周まわってポジティブにその不安をやり過ごしたつもりです……。

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夫は、妊娠期間を振り返って「2回だめになったことで、何事も100%はない、と思うようになった。娘は無事に生まれてきてくれて今も元気だけれど、明日の朝はそうではなくなるかもしれない、自分やあなたもそうかもしれない。そういう覚悟が常に芽生えたな〜」とのこと。

このとき、夫がわたしたちの寝顔を朝よく眺めているという話も初めて聞きました。

「ふたりとも無事で良かったなあ、ってホッとする」

妊娠中は夫もすごく気を張っていたんだな、と改めて思います。

 

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妊娠出産は楽しいことばかりに満ちていると思ったら、そうではないことも多かった。

だから、娘が無事に生まれたことは本当に奇跡のように感じます。

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流産したからより忍耐強くなったり、愛情深くなったりするのか……と言われるとわかりませんが、ひとまずわたしたち家族には「不育症」という目に見えるハードルがあったぶん、娘には困難を乗り越えてよくぞ生まれてきてくれた! という感慨深さと感謝があります。

そんなかんじなので、いま前髪を抜かれたり、顔を引っかかれたりおっぱいに爪を立てられたりしても「うう、よくぞ……」と耐えています。でもそろそろ限界かもしれません。

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お産のほうが痛くてつらい ……んなこたぁない

さて実際にお産を経験してみて、これは衆知したい! と思ったこと。

それは流産した人に「お産のほうが痛くてつらいよ、だからがんばって」という励ましを言うとのちのち大変なことになる、ということです。

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手術のあと

 

わたしも流産したときにそうやって励まされたので、妊娠前〜1回めの妊娠のときは「陣痛なんて怖い、無痛分娩にしたい! 夫に生んでもらいたい!」と思っていましたが、自然流産も手術も経た3回めの妊娠時は無痛分娩はむしろ選ばず「あれより痛いってぇのは、どんなもんかい陣痛サンってのはよぉ〜」と「俺より強い奴に会いに行く」的な気持ちで陣痛を心待ちにしていました。

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結果、これはあくまでわたしの場合で、しかも今回に限って言えばの話と思いますが、気持ちの問題ではなく陣痛〜お産のほうが本当に軽かったです。

ということで「陣痛は流産より数倍痛いんだろうなあ」と思い込んでいたせいでナースコールをしそびれ、娘が一気にバリバリ出てきておまたどころか尻が破れました。

おかげで産後2ヶ月ほど、たぶん骨盤底筋がダルダルになって尿モレに悩まされるという事態に……。

 

▼詳しくは出産レポにて

流産経験があると「妙に痛みに強い人」になっているかもしれないので、出産だけじゃなくてケガとか病気にも我慢しすぎないよう気をつけにゃいかんなと思いました。

改めて、流産の痛みに耐えた自分を「がんばったな」とすごく誇りに思います。

 

おめでた中の気になりポイントを振り返る

つづいて、おめでた生活中に気になっていたことが産後どうなったのか振り返ってみます。

 

出生前診断

12週で受けた出生前診断。

診断のときも特に異常は指摘されませんでしたが(NTが2.5mm超で少し厚めと言われましたが)、生まれた娘も生後すぐに見つかるような病気などは今のところ無く来ています。

心配していた胎盤の血流も、娘が生まれるまでしっかり仕事をしてくれました。

ベビーナブで予想された性別は「女の子」。これは大当たりでした!

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出生前診断は「妊娠中の余計なストレスをなくす」という点で受けておいて本当によかったです。

 

第12因子欠乏症

前回の記事でも書きましたが、第2子を考えたときにまた投薬が必要かどうか検査、ということで通院はしていません。

日常生活では、「血をサラサラにしよう」と思うくらいでやることはなし……(バイアスピリンは授乳中は服用禁止)。えごま油を最近はよく食べてます。

GBSの項目で書きますが、DHAサプリも血液サラサラ効果を期待して続けています。

 

 甲状腺機能と誤診

不育症の原因のひとつだった甲状腺機能の低下(診断が「潜在性甲状腺機能低下症」で落ち着きました)。

わたしの場合、妊娠4週の頃にTSHの数値が低下から亢進になってしまい、薬をストップしました。

↑の日記に書いた「お医者さんの誤診」とは、薬をストップして1ヶ月経ったときの検査と診察で、甲状腺科の先生に「今の数値ならもうチラージンも飲まなくていいし、診察にも赤ちゃんを産むまで来なくていいよ」と言われてしまったこと。 

しかしまだチラージンを飲み始めて半年も経っていなかったし、薬をストップしたことで数値は明らかに低下していたので、他病院の先生にも相談してみたうえで「心配なのでもう1度診てほしい」と頼んで1ヶ月半後に診てもらうことに。

先生にはあからさまに「大丈夫って言ってんのに心配性だな〜めんどくさいな」的な反応をされたので、なんで頭を下げなきゃいけないんじゃと思いつつ頭を下げてお願いしました。

そして迎えた次の診察では、TSHの値が低下して正常範囲を超え、「流産・早産しやすい」値にまでビローンと落ちていました。 

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先生的には、病院が混んでいるので妊婦には通院がつらかろう……という気遣いだったのかもしれませんが、「じゃあ甲状腺のことは気にせず、次は産後に診てもらおう」と言うとおりにしていたら、3回めのおめでたもダメになっていたかもしれません(その後もわたしの甲状腺ホルモンはなかなか安定せず、甲状腺科には毎月通いました)。

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産科の先生にも甲状腺ホルモンが安定していなさそうなのに診察を打ち切りにされたことを相談して産科での検査をお願いしましたが、「専門の先生が大丈夫って言ってるんだから」と取り合ってくれませんでした。

産科や不育症外来とカルテを共有してくれるのかと期待して同じ病院内の内分泌内科に通いましたが、それはあんまり意味はなかったように感じます。

赤ちゃんの発達には、母体の甲状腺ホルモンがすごく大事です。

わたしの甲状腺ホルモンがコントロール出来ていなかったことで、娘の発達になんらかの影響が将来的に出てしまうこともあるかもしれない。

そうなった場合は、甲状腺ホルモンのせいだと一概には言えない状況になると思いますが、でも妊娠中のことを後悔し続けると思います。

いま親として出来ることは、娘のフォローがすぐできるように、準備をしておくことくらいです。

 

産後の体については、チラージンの服用を止めて半年経った現在も甲状腺ホルモンの数値は正常範囲の値に落ち着いています(TSH<3.0μU/mlあたり)。

血液凝固のほうと同じく第二子を考えたら、TSHをTSH<2.5μU/mlにすべく投薬でコントロールしないといけないということなので、また通院しないとなあというかんじです。

 

切迫早産

22週に、切迫早産で2週間ほど自宅で安静にしていました。

その後は薬や安静が効いたのか、子宮頸管の長さは安定。

中期に切迫早産を経るとわりと早めに生まれる、という話を聞きましたが、娘の場合は予定日前日の夜に生まれました。

37週を超えてからは「バイアスピリンも飲んでないし、早く生まれてー!」と陣痛がくるジンクスも試したのですが、娘のペースがあったみたいです。

↑オロナミンCとかいろいろ試しました笑

 

妊娠糖尿病

妊娠中期での妊娠糖尿病検査で精密検査になったことがありました。

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切迫早産の安静で運動不足だったのか、甲状腺のせいか、はたまた忘れていたけど検査前日にもしやスイカ1/4を平らげたせいだったのか。

その後は特に糖尿病や血圧等に問題なく、出産まで無事に過ごせました。

ちなみに出産直前の体重は妊娠前からプラス8キロ。臨月で3キロ一気に増えてしまいました。

産後1週間では4キロ減っていて、産後1ヶ月半でマイナス8キロで元の体重に。

その後は出産前の体重からマイナス3キロで過ごしています。栄養を赤ちゃんに吸い取られているっぽいです。

↑の記事に書いた、ごはんに麦をまぜる生活は今も続けています。

 

 バイアスピリンの服用と赤ちゃんへの影響

赤ちゃんの心臓などに影響が出る、ということで35週で服用をやめたバイアスピリンですが、39週で出産した娘への影響は今のところ見受けられません。

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ただ、娘にも血液凝固異常の体質が遺伝しているかもしれないし、新型コロナが血栓を作るという話もあるので、ひとまず血液をサラサラにするべく生活習慣は気をつけています。

あとそういえばどこかで「母がバイアスピリンを飲んで生まれた赤ちゃんは髪が茶色い」という話を聞いて。

娘も生まれたときは髪が茶色っぽくて、一部はブリーチしたみたいに金髪でした。関係あるのかな?

 

GBS

点滴をしてお産に臨み、娘もなんとか早発性も遅発性も免れたようです。

会陰切開の縫合痕などもあったので、娘が4ヶ月になるまでは同じ湯船に浸かることは避けました。

 

↑の記事に書いた「赤ちゃんのプロバイオ」 やDHAのサプリメントはまだ飲んでいます。ずっと飲んでいるピジョンの葉酸のサプリも。

プロバイオは生後0ヶ月〜1ヶ月の間にミルクに入れて飲ませ、離乳食が始まった5ヶ月半から食事に混ぜて飲ませています。こちらのおかげか、娘は肌トラブルやアレルギーは今のところないみたいです。

娘へのDHAサプリ効果は謎です笑。うちの子天才だわと思うこともあれば、所詮は赤子よ、と思うこともある……。

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DHAのサプリは血液サラサラ効果もあるみたいなので、今は授乳期用のサプリにしていますが、授乳が終われば今後は別の種類にでも変えて、自分のために続けていこうかなと思います。娘には魚をたくさん食べてもらわないとな。

 

今後の課題

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わたしの不育症リスクである血液凝固異常もTPO抗体陽性も、遺伝性のものであると言われたので、娘にも受け継がれている可能性があります。

そのフォローが今後の課題です。

これから娘の体調の変化を見逃さないように気をつけたり、そして将来もし娘が子どもを望む日が来たときに、それが彼女の足かせにならないように親として出来る限りのケアやフォローをしてあげたいです。

 

夫にありがとう

「不育症」は自分の体の個性や、弱点を知るきっかけになりました。

だからといって「不育症でよかった!」とまでは思いませんが、夫との関係はたぶん「不育症」を共に受け止めて支え合いながら過ごした経験があるので、より強固な結びつきになった気がします。

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夫はよくそれを「当事者意識を持つ」という言葉で表現していて、彼にとっては一番大事なことのようです。

不育症はわたしの体の問題であったのに、夫が自分を「当事者」として捉えてくれていたおかげで、不安も喜びも分かち合うことができて、孤独ではありませんでした。

婚姻届を出した日に、夫は「夫婦ってのは、喜びも悲しみも半分こ」と言っていたので、まさにそういう夫婦に5年かけてなれたのなら嬉しいな。

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おわりに

自分の心の整理のために始めたブログですが、「不育症でも赤ちゃんを得ることができた」という記録として、誰かの励みとまではいかないけれどひとつの例として読んでいただければ。

生まれてからも毎日ドキドキで大変、ではありますが、娘の顔が見えるだけ妊娠中の不安とは比べ物になりません。

 

最後になりましたが、このブログを訪れて、経過を見守っていてくださった方。

メインブログの出産報告にお祝いのコメントをくださった方。

みなさま、本当にありがとうございました。

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わたしたちの生活の記録は、メインブログのほうでこれからも続きます。

もしわたしの不育症の治療などについて知りたいことがありましたら、お気軽にメールやコメントをくださいね。

 

よろしければ、娘の成長をのぞいてみてください!