空華 ー 日はまた昇る

小説の創作が好きである。私のブログFC2[永遠平和とアートを夢見る」と「猫のさまよう宝塔の道」もよろしく。

小説のテーマと国連次長の談話

2019-11-22 17:21:48 | 文化

  この小説を単なる青春小説で終わらせたくない気持ちは最初からあった。だからこそ、最初の段階で、アンネの日記に主人公が感銘を受けた場面をつくったのである。

今の青少年で一番問題になっているのは、激しい受験競争による不安感さらには高い倫理観を志す考える時間を取れないなど、そしていじめの問題、彼らの居場所の問題、大きな所で見た場合はそんな所かもしれない。【まだあるかもしれないが】

私の中学生高校生の時は友情というのが大切にされた。今はどうなっているのだろうか、

どちらにしても、彼らが大人になる時がいずれ来る。

その時に、今、ニュースにもなるような温暖化問題や、核兵器のような人類の存続をおびやかすようなことがさらに、深刻にならないように今の大人が動くのが次の世代へバトンタッチする者たちの責任だろう。

この間、ある映像を見て驚いた。イタリアのヴェニスが水浸しになっているのだ。私が若い頃、行って思い出のある所だけに、目が釘づけになったものである。

十六才のグレタさんが立ち上がるのも、あのヴェニスの町にあふれた水を見ると納得する。そして、多くの若者がグレタさんに共感して、その波は国連にまで届いた。

それほど、事態は深刻なのである。今までに、国連で多くの国が議論しているが、各国の意見が衝突してまとまるものがまとまらないという大人社会への不信が底にあるのかもしれない。

核兵器の問題も下記に引用した国連事務次長の言葉にあるように、若者は有効な通信手段を持って、世界の若者と平和のために手を結べるということで、若者の核兵器禁止の声を期待する向きがある。そこまで、危機は来ているということだろう。【若者という場合の年令をいくつぐらいと考えるか、私の小説では高校生、大学生、大学院生ぐらいの年齢層を考えて、学校へ行く者、職場で働く人達と幅広く考えているのだが 】

 

今までにも、キュウバ危機、パキスタンとインドとが核戦争一歩までいったことがある。その反省がなされず、今は世界が核兵器の軍拡の方に動いている。【大人世界が話し合いによって、良い方向に行くのが一番いいに決まっている。しかし、大人は個人でいえば、色々な周囲の状況にしばられれている。国という大きな大人集団のレベルでみても、利害の衝突が激しく話が良い方向にまとまりにくい。特に軍事力に関してはその傾向が強い。アメリカで、あれほど銃の犯罪が多いのに、規制の人達の声はつぶされ、ついに、高校生が立ち上がったというニュウスが数か月前だろうか、聞いたことがある  】

 

こういう中で、国連事務次長の「若者に期待」が出てくるのだろう。

勿論、最終的に良い方向に解決するのは大人の責任である。ただ、これからの未来を生きる若者の声が各国の指導者を動かすことはありうるということだろう。

 

私の小説も、日常の普通の高校生活、異性への思慕の情、友情、これらのことは世界文学のレベルで見てもよく取り上げる題材だ。それに、プラスした国連事務次長の期待に応えるような青年を創造してみようという気持ちがある。うまく書けるかどうかは今の段階では分からない。そういうことから、主人公をある程度、リーダー的資質があり、感受性も強い人にした。

読書も大切であるが、主人公の周囲にも彼に良い刺激を与えるような人物の登場があり、色々な人の刺激から彼がどんな風に目覚めていくかを書ければと、現時点では考えている。

 

このエッセイを書いている時に、ローマ法王の来日が朝のテレビニュースで報道された。その中で、今までの核兵器を持って戦争を抑止するという核抑止論から、核兵器を持つことの禁止にバチカンの方針が舵を切り替えたことが報じられていた。それほど、核兵器の軍拡が続き、人類が危機に立っているという認識をローマ法王も持たれたのだと思う。これは被爆国の日本としては、何億の市民の応援を受けたようなものだと、思う。これに、国連事務次長の言葉が

実現すれば、大国の指導者は核軍縮に動かざるを得なくなるという期待が出でくる。

 

資料として引用した、事務次長の言葉をご覧になって下さい。

 

 東京新聞2019年【令和元年】11月   14日 【木】

 

若者を核軍縮の担い手に

 中満泉・国連次長語る

 

国連で軍縮を担う中満泉事務次長は本紙のインタビューに応じ、

「核兵器なき世界」に向けた世論形成を若者を中心に図る意向を示した。

スウェーデンの環境活動家グレタ・トウンベりさん【16】を引き合いに「気候変動に対する若者の意見表明を核軍縮にも向けたい」と語った。

中満氏は国際会議で先週、ロシアを訪問した。

主な一門一答は次の通り。【モスクワ・小柳悠志、写真も 】

――核兵器に向けた動きはこれまで日本の被爆者が推進力になってきた。

「広島、長崎の被爆者の方々の高齢化が進む中、核軍縮の新たな一手が必要となる。

想定される担い手は若者だ。

彼らが使う交流サイトは国境を越えた意見交換と情報共有が容易で訴求力がある。

安全保障などを理由に核を保有してきた国々でも、「核兵器は悪だ」とする機運が生まれるかもしれない」

―若者の間で気候変動への意見表明が盛んだ。

「日本ではグレタさんの行動の実効性を疑問視する見方もあるが、彼女の発信力は国際的に高く評価されている。

国連総会第一委員会【軍縮】でも若者の活動を支援することを決めたばかり。

グレタさんの行動に見習うべき点は多くある」

 

―核拡散防止条約(NPT)の再検討会議が来年春に迫った。

「世界の多極化が進み、かっての米ソの対立構造と比べて核を巡る状況が複雑化している。

局地的に核兵器が使われかねない状況が進み、危機感を覚える。

小型核兵器でも悲惨な結果を生む。

NPT再検討会議では、「核兵器は現実に使用されてはいけないものだ」というメッセージ、核軍縮の義務を核保有国に明確に示してもらいたい」

 

 

 

次のは、気象温暖化への警告の動画である。少し長いので、時間のある方がご覧になった方がいいと思われます。ヴェニスに行った方、興味のある方はぜひご覧になって下さい。

 

沈みゆくベネチア/The sinking Venice



コメントを投稿