(C) DOMINANT LIMITED 既製服は、お直しなしが前提で理想だが、人の体形は千差万別で百人百様のため、同じ9号を着ている人でも、例えば乳房の形やその付いている部位、乳間(乳首と乳首の間の値)も人それぞれだ。一方で服のシルエットやデザインは、その時々のトレンドによって変化し、数年ごとに繰り返される。また、ゆとり加減のお好みも、ゆったり、もしくはピタピタが好きと、各人各様なため、ご要望にお応えした、丁寧な「フィッティング」と「サイズ調整」は、ロイヤルティの向上へとつながる
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 月刊「ファッション販売」4月号は、「衣服のソムリエ 育成ゼミナール」連載第4回「スカート-編」を5月号のお楽しみとして、特集-新人スタッフチュートリアルに、「フィッティングの知識&技術入門」を書き下ろした。

 桜前線が北上中の今頃は、各地でフレッシュマンの笑顔の華も咲いている。
 けれど売場に立つと、期待と不安で待機中や接客時に、胸の鼓動が止まない方も多いだろう。
 私も初めて販売職になったとき、緊張感から心身がこわばり、商品が一着売れてその日のレジが開くまでは、心が穏やかになれなかった。
 「販売」の仕事といえば、クチュール店でデザイナーのカバン持ち(アシスト)をしながら、仮縫いのサポートや、服を縫い上げる仕事をしていた頃に、生地と服飾資材を売ることぐらいだった。
 その後、百貨店で婦人服E・O(イージーオーダー=採寸はメーカーの担当者が承り、好きな生地やデザインを選んでいただき、仮縫いなしで仕立てる)の補正師になってからは、仕立て上がってきた服を、試着室でお客さまにお召しいただき、大きな鏡の前で「着心地」や全身のバランス、不自然な「シワ・たるみ」などを目測・感測した後に、修正箇所があると、ご要望を伺い、お客さまが美しく際立つシルエットを描きながら、服にピンを打ち、指示書に補正図を記入して工場へ出す作業に務めていた。
 一連の流れは、技術と知識を駆使した「おもてなし業務」の一環だった。

 さて、今号の主な内容は・・・
フィッティング力を活かす
婦人と紳士のサイズとサイズ表示
◇ 美意識と生活感覚も購入する
心強いフィッティング関連用語 etc.

 「衣服のソムリエ育成ゼミナール」バックナンバーは・・・
第1回「人の身体と部位名称-編」
第2回「スタイリング&上着-編」
第3回「パンツ-編」

〔PHOTO:DOMINANT LIMITED〕
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