以前、FIREという生き方、考え方についてこのブログで記事にしました。
実際にFIRE(私の場合は完全リタイアではなくセミリタイア)を実行に移す際に、食費や家賃などのわかりやすい支出の他に税や保険、年金などの額も考慮する必要があります。
今回は、配当金生活に向けての税、保険、年金について考えてみます。
NISAの非課税期間終了後の出口戦略、運用効率においても税に対する知識は重要ですね。
※税や保険に関することは国や自治体などで確認をお願いします
配当金を総合課税にし、住民税は申告不要制度を利用すると配当は住民税に含まれない
配当生活を現実的なものにするのが、「配当金を総合課税にし、住民税は申告不要制度を利用すると配当は住民税に含まれない」ということです。
どういうことかというと、
- 所得税は総合課税で配当控除
- 住民税は申告不要制度を利用
することで、住民税額の計算に配当金を含めずに確定申告が可能です。
平成29年度の税制改正により、配当金を受け取る人が所得税の還付だけ受けられるような有利に税金申告できるようになりました。
配当控除
配当控除(はいとうこうじょ)は、国内法人から受ける配当や証券投資信託の収益の分配などの配当所得がある場合に、一定の税額控除を認める所得税及び個人住民税の制度をいう。 配当控除 - Wikipediaより引用
配当は法人が法人税などを納付した後に利益を分配するものですが、その分配に税金を課してしまうと二重課税になってしまうため設けられた制度です。
配当金にかかる20%の税金のうち、概ね半分の10%くらいが返ってくるものです。
キャピタルゲインにかかる譲渡所得は申告する必要がない点もポイントです。
外国株やJ-REITには適用されないので注意
配当控除は国内法人にかかる二重課税を防ぐための制度です。
海外株は国内での税はかかっていないので配当控除は適用されません。 海外株は別途、外国税額控除で取り戻す必要がありますね。
J-REITはもともと法人税が非課税となっていますので、配当控除は適用されません。
やはりREITはNISAで運用するのが一番おいしいでしょうか。
配当を総合課税にすれば国民年金免除も可能
リタイア後の生活に国民年金の年間20万円は重くのしかかります。
しかし、配当を総合課税にして住民税を申告不要とすることで多くの配当金を受け取りつつ国民年金の全額免除も可能です。
青色申告なら事業所得122万円でも全額免除にできる
開業届を出して青色申告にし、青色申告特別控除65万円を利用すれば、免除基準が大幅にアップします。
セミリタイアして、一定の所得がある場合で全額免除が難しい場合でも、3/4免除や1/2免除のハードルが下がるので利用したいですね。
全額免除でも年金は半分もらえる
年金を全く払っていなくても、老齢基礎年金の半分は受け取ることができます。
未納の場合だと受給資格がなくなってしまいますので、きちんと免除申請することが大切です。
1.全額免除
平成21年4月分からの保険料の全額が免除された期間については、保険料を全額納付した場合の年金額の2分の1(平成21年3月分までは3分の1)が支給されます。 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度|日本年金機構より引用
国民健康保険は最大7割減免できる
減免割合 | 前年の世帯所得 |
---|---|
7割 | 33万円以下 |
5割 | 33万円+(27万円×世帯人数)以下 |
2割 | 33万円+(49万円×世帯人数)以下 |
国民健康保険は年金と違い、全額免除制度はありません。
最大限の減免でも7割で、所得が33万円以下とかなり厳しい条件となっています。
青色申告特別控除を利用し、他の控除もあわせれば所得を33万円以下に抑えることも可能でしょう。
セミリタイア後の配当生活には、国民健康保険のボーダーの33万円が最大の壁となりそうです。
配当生活の懸念
20%の配当控除課税が25~30%に上がる可能性
現在の税制では20%ですが、税率が変わる可能性は多いにあります。
NISAやidecoなど、投資に関わる税は軽減される流れですが、10年、20年後を考えると不安が残ります。
年金や保険制度の変更
配当を所得に含めない、今の計算方法だと配当のメリットは大きいですが、将来的にどう変わっていくかはわかりません。
キャピタルゲインにかかる税もかわる可能性があり、投資家にとっては税制度は情報収集する必要性が高いですね。