違和感を抱えながらも、いつか報われると信じていた。

それは、まだ障害と知らない親と子。

親は子を腕にかかえ

しっかりと抱きしめ、告げる。

 

 

子よ、どうして首を横に振る?

お父さんお母さん、どうして伝わらないの?

こんなにも違和感を感じているのに。

子よ、それは気のせいだ。お前もみんなと同じ。

 

 

発達障害「おかしいね。きっと君は愛されていない。嫌われているから伝わらない。そうだろう?ほら、また怒られた」

 

 

お父さん!お母さん!

どうしてわかってくれないの?
落ち着きなさい子よ。
あなたのことを世界で一番愛しているよ。

 

 

発達障害「素敵な言葉でごまかして、私の心を惑わせる。そうやってまた最後には裏切られる、捨てられる、嫌われる」

 

 

お父さん!お母さん!

どうして認めてくれないの!?

比べないで!周りの子たちばかり見ないで!
子よ、お前だけを見ているよ。
周りの子供と比べたことなど一度もないよ。

 

 

発達障害「またごまかしている。まるめこもうとしている。大人は他人は最後に結局否定する」

 


お父さん!お母さん!
何も否定なんてしていない!誰も傷つけたくなんてない!

なのにどうしてこんなに苦しまないとならないの!?

 

 

鬼気迫る子の感情が次第に理解できなくなり、恐ろしくなり医者に駆け込んだ。
苦しみ、のたうちまわり、頭を抱え、奇声を上げ、暴れ回り、しばらくは手がつけられなかった。

時間をかけ、検査をし、結果を待った。

 

 

子は、発達障害だった。

 

 

 

 

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