百年文庫『都』より。
しろあです。
まさか百年文庫にこんな作品が選ばれているとは……。
ではコピペ。
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百年文庫『都』より③
ウォートンの『ローマ熱』。
中の良い老婦人が二人、ローマへ旅行に。
そこで若い頃ローマで過ごした昔の懐かしい思い出を語り合う。
自然と話題は恋に移り、当時熱を上げていたあいてからもらったラブレターの話を切り出すと、
友人は「その内容はこうでしょ」と話しだす。
自分と彼しか知らないはずの手紙をなぜ親友が知っているのか問いただすと、
「それは私が書いたものだからよ」と告白する……。
ほのぼのとしたムードが一転、急激な昼ドラ(といっても見ないのでイメージなのですが)のような展開に、
目が釘付けになってしまう作品です。
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はじめは昔を懐かしむ、雰囲気のいいお話だったのに、
当時の恋愛話になり、その内容が深まっていくに従い不穏な空気に。
そして親友と思っていた目の前の女性は、同じ男性に恋し、その気持ちを秘め、
密かに自分を恨むものであった……、と考えるとゾッとしますね。
この感覚はさすが女流作家、この機微は男性作家ではなかなか出せない情緒だなと感心。
そして日本の昼ドラのようなドロドロさは、すでに海外の作家も描いているところで、
あえてわかりやすく ”昼ドラ” と表現してますが、このドロドロした恋愛ストーリーは
特にお国柄関係なくエンターテインメントなんだなと、変に感心し勉強になった作品です。
私は恋愛小説好きじゃないんですけど、そういう意味で面白かったですよ。
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