ハウスメーカーが契約前に工事費用の内訳明細を示さない理由は?

家づくり

皆様、どうも。
ひろし&みさえです。

第53回目の記事となる今回は、ハウスメーカーの工事費用の内訳明細のことについてです。

前回のこちらの記事のとおり、契約時に初めて内訳明細の説明を受けた我が家。

意外かもしれませんが、ハウスメーカー側が建築工事費の詳細な内訳を早い段階で示してくれることはほとんど無いようです。

施主側からすると、複数のハウスメーカーから詳細な内訳をもらえた方が、より厳密に比較検討ができると思うのですが、そうはできないようになっています。

そこで、なぜハウスメーカーは契約前まで詳細な内訳を出したがらないのか考察してみました。

契約するかどうか決めた際の見積もりはあくまでも概算

ハウスメーカーと打ち合わせを行っていくと、一定のタイミングで「概算見積り」を出してくれます。

ハウスメーカーによっては、「見積り」という名称ではなく「資金計画案」と呼んでいたりするようですが、いずれにしても、その時点での施主の要望を盛り込むとこのくらいの金額になりますというものが提示されます。
多くの場合、これはあくまでも契約するかどうかを決めるための概算であり、詳細な内訳までは明示されません

我が家も同様で、積水ハウスと契約するかどうか決めた概算見積もりでは、「本体工事費」、「外構費用」、「運搬・特殊仮設費」などのように大枠の項目を丸めて〇〇万円というような表示でした。
つまり、その時点では、細かく何にいくらかかってその金額になっているかはよくわからない状態です。

我が家は、その概算見積もりを出してもらった時点で、既に結構な回数の打ち合わせを重ねて、要望を伝えていました。

営業担当のシロさんからは、
「これまでの打ち合わせで出たひろし&みさえさんの要望は盛り込んだうえでの金額です。」
と言われましたし、我が家も、
「あれもこれもちゃんと入ったうえでの金額ですよね?」
としっかり確認したのである程度安心できましたが、具体的に何がいくらかかっているのかなどの細かい内訳は不明確なままでした。

ハウスメーカー側からすると、内訳明細を示すのは大変な作業

基本的には多くのハウスメーカーが今回の我が家のように、

概算見積もりで契約するかどうかの意思確認

施主が契約の意思を示す

契約書の作成開始(内訳明細の作成開始)

という流れをとっているようです。

それでは、なぜ基本的にこのような流れになるのかというと、ずばり、内訳明細を作成するのはハウスメーカーにとってかなり大変な作業だからです。

積水ハウスと契約してみてわかりましたが、内訳明細には、どこにどの部材がそれぞれ何個・何m必要だから〇〇万円、ドアが何個・何種類で〇〇万円、窓が何個・何種類で〇〇万円、照明が何個・何種類で〇〇万円、電源で〇〇万円、各部材を設置する部品で〇〇万円、エアコンはパナソニックに見積もり依頼した結果〇〇万円、トイレはTOTOに見積もり依頼した結果〇〇万円、キッチン・お風呂はリクシルに見積もり依頼した結果〇〇万円、そして人件費はそれぞれいくらになるかを計算…などなど様々なことがすべて盛り込まれており、作成するには膨大な作業になることが容易に想像できました。(これでもかなりざっくり説明しています。)

我が家の場合でいうと、概算見積もりの段階では、「本体工事費」、「外構費」、「運搬・特殊仮設」など大きく10項目に分かれていましたが、契約書に添付された「内訳明細」では、実に200項目以上となっていました。
しかも、その200項目それぞれに「数量」、「単価」、「金額」も記載されているので相当細かいものです。

実際、契約の意向を示してから内訳明細の入った契約書が出来上がるまで約2週間もかかりました。
これでも営業担当のシロさんが急ピッチで準備したそうです。

このことからわかるように、契約するかどうかもわからない客に対し、ここまでの作業をするのはハウスメーカー側も割に合いません

そういった事情から、最初はあくまでも概算で金額を示し、契約の意思を示してもらってから作業を行うのだと思います。

内訳明細を作成してみると当初の概算見積りより高くなったらどうなる?

それでは、ハウスメーカーが内訳明細を準備していく中で、当初示された概算金額よりも結果的に高くなってしまったらどうするのでしょうか?

実は、ハウスメーカーもそういった事態にならないよう、これまでの実例・実績から機械的にある程度シュミレーションをして概算金額を算出しており、大きくズレが生じることはないようにしているようです。

しかし、大きく値引きをした場合などでは、実際に内訳明細を算出していく中で金額が多少オーバーしてしまうこともあるらしく、そうなったら、営業マンは大変だそうです。
「すみません、実際にちゃんと計算してみたら当初の金額では無理でした!」
なんてお客さんに言っても当然納得してくれません。
そのため、金額がオーバーしても、基本的には当初示した金額のまま契約ということになることが多く、その分ハウスメーカーの利益が減ることになるようです。

契約を勝ち取るためにどのくらいまで値引きをするのか、それでちゃんとハウスメーカーの規定通りの利益を確保できるのか、その辺は、営業マンの腕の見せどころといった感じですね。


いかがでしょうか。
細かく内訳まで見比べてからハウスメーカーを決定したいと思っている人にとっては、「なぜちゃんと細かく教えてくれないのか?」と不信な気持ちになるかもしれません。
実際、我が家も少し不安な気持ちになりました。

様々な口コミをみていると、契約の意向を示す前でも、強く訴えれば内訳明細を出してくれるケースもあるようです。
しかし、ハウスメーカー側の事情を考えると、今後長い付き合いになる相手にどこまで最初に求めるかはなかなか判断が難しいところですね…。
ただ、少なくとも、契約書にも内訳明細が添付されないような場合は、絶対に強く言いましょう。
どのような内容が入っているのか示されていないような契約書に捺印するのは危険です。

ひろし
ひろし

積水ハウスの場合、契約書にはしっかりとした内訳明細をつけてくれたから良かった。

みさえ
みさえ

そのあたりは、大手ハウスメーカーなら安心だね。もっと早い段階で内訳明細を示してくれたらより安心だけど仕方ないね。

家づくり仲間の皆様に、今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

それでは皆様、またね、またね、またね!

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