さてさて、神武東征Part2です。考えて見れば、東征と言っても基本は徒歩ですよね。船のルートもありますが、それでもエンジンがあるわけじゃないので、人力で進むわけですね。これは、一行の疲労感たるや大変なものでしょう。食料や水はどうしたんでしょうか、悪天候の時はどうしたのか、着替えは、風呂は、なんてね心配しだしたら切りが無い・・・。
1.東征経路(後半)
兄を亡くしたカムヤマトは、それでも紀伊半島をぐるっと回り熊野村に着きます。
宇陀から橿原に至るまでにいくつかの戦いがあります。結構、細かい話もあるのですが、そのへんは省略して大筋をお話しします。
2.熊野で熊にやられる(しゃれか?)
カムヤマト一行が熊野村に着いたとき、かすかに大熊が見え隠れし、すぐに消えました。すると、カムヤマトは急に気を失い、軍勢も倒れてしまったのです。いったい何が起きたのでしょうか? 死んだふり? 多分、ここまでの強行旅の疲れがドット出て倒れたと言うことではないでしょうか。どうせならくまモンがいい!?
ところがこの時、熊野の高倉下(たかくらじ・名前のようです)が一振りの太刀を倒れているカムヤマトに奉ると、カムヤマトは直ちに起き上がります。そしてその太刀を受け取ると、熊野の荒ぶる神はひとりでに皆切り倒されました。そして、軍勢もことごとく起き上がったのです。(ちょっと、なに言ってんのか分かんないですよね。)
この太刀は、カムヤマトの危機を高天原から見ていたアマテラス、タカミムスビらが高倉下を通じてつかわしたものだったんですね。あーら、見てたのねぇー!!
3.八咫烏の派遣
霊剣のおかげで難を逃れたカムヤマトにタカミムスビが言います。
「ここから先も、まだまだ荒ぶる神がいっぱいおるでよ、今から八咫烏を遣わすさけ、その案内に着いて行きやー!」
八咫烏の案内で吉野を経由して宇陀に着きます。吉野でもいろいろあるのですが、ここでは省略します。宇陀では兄宇迦斯(えうかし)、弟宇迦斯(おとうかし)との戦いに勝利します。
続いて忍坂(奈良県桜井市)では八十建(やそたける)を騙し討ちにします。さらに磯城(しき)では兄師木(えしき)、弟師木(おとしき)に勝利します。
このあたりの戦いについては、久米歌とか御製とか、歌で書かれているので読んでいても爺さんにはよく分からんので、うまく説明できません。m(_ _)m
4.邇芸速日命の登場
ニギハヤヒのことを覚えていらっしゃいますか。そう、ニニギの兄弟で天火明命(あめのほあかりのみこと)の別名がニギハヤヒでしたね。その時、もう一つの天孫降臨があったという話をしました。
兄師木と弟師木を討ったところでニギハヤヒが登場します。ニギハヤヒはカムヤマトよりも早く大和に入り、登美毘古(五瀬命が戦死した戦いの相手)を既に従えていたのです。
5.古事記に金鵄は出て来ない
この絵は皆さんご存じだと思います。「東征を進めるカムヤマトが登美能那賀須泥毘古(登美毘古)と戦っている際に、金色の霊鵄がカムヤマトの弓に止まると、その体から発する光で敵の軍兵たちの目がくらみ、東征軍が勝利することができたとされる。この霊鵄を指して「金鵄」と呼ぶ。 」と言われます。
ただ、この話は日本書紀での話で、古事記には出て来ません。八咫烏は記紀両方に出て来ますが、金鵄は日本書紀だけです。
6.初代天皇に即位
カムヤマトはこのように荒ぶる神々を平定し、畝火の橿原宮(奈良県橿原市)で天下を治め、初代天皇に即位し、後に神武天皇と呼ばれるようになります。日本書紀によれば、東征開始が45歳で、天皇即位が52歳となっています。
ご存じの通り、「神武」とは諡号(しごう)と言われるもので、故人の生前の徳や行いをたたえて、死後におくる名前で「諡(おくりな)」ともいいます。
ところで、この神武天皇の即位年はBC660年と言われていますが、その根拠は何?
この話は次回です。
7.今回のポイント
①東征は何年かかったか分からない?
日本書紀では、45歳で出立し52歳で天皇即位と書かれていますので、6~7年でしょうか。そして、127歳で崩御されたとあります。しかし、古事記では所要年数については書かれておらず、大阪に着くまでに16年かかっています。尚、崩御は137歳です。
②結局、高天原に助けられた。
高倉下によってもたらされた霊剣や八咫烏の派遣など、結局は高天原の助けが後ろ盾となった。180万年以上経っても、アマテラスの力が影響している。(恐!)
③今上天皇は第126代天皇である。
我国は、初代神武天皇から現在の第126代今上天皇まで、連綿と皇統が継承されている。このような国は世界で日本だけです。
8.まとめ
さぁ、いかがでしたでしょうか。最後までお読みいただき、有り難うございます。
ついに初代天皇が誕生しました。紀元前660年、日本という国のスタートですね。
ん? 紀元前? なんでそんなことが分かるの? 次回にお話しします。
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