できる!英作文その11-would, used to の違いと使い分け



今回は would, used to の違いをメインテーマとして英作文をやっていきます。
その他 take me wrong の take についての説明,知らない単語を避けて通る circumventing などについても触れていきます。

 

目次

 

この記事の流れ

この記事ではまず英作文のお題を1つ提示します。

次に間違えやすいポイントを盛り込んだ「解答例(たたき台)」をお示しし,それを添削していきます。

最後に添削を踏まえた英訳例をお示しします。

注:英作文や英文ライティングの正解は1つではありませんので,英訳例はあくまで1例に過ぎないと考えてください。

英訳例を見る前にぜひご自分でも英作文にトライしてみてください!

 

なお「英作文なんてどうでもいいから used to と would の違いと使い分けの説明をしてよ」という方は下の方にありますので,スクロールするか目次から飛んでくださいませ。

 

今回のお題

「なめるなよ。もはや昔の俺ではないぞ。」

もう絶対試験で出ないお題出してきたよ,この人,いや,このゴリ。

 

解答例(たたき台)

Don't look down on me. I am not my old me.

 

添削と解説

「解答例(たたき台)」の改善ポイントをそれぞれ解説します。

 

look down on

なめるなよ→みくびるな→見下す

という流れでの発想ですが,look down on では若干意味がずれてしまいます。

 

「なめるなよ」を「過小評価するなよ」と解釈して,underestimate を持ってこれると完璧です。

 

そんな単語知らないし。

知らない単語は当然のことながら使えませんので,そんなときは「そこを避けて通る(circumvent)」ことが必要になります(circumventについてはこの記事でも触れていますのでよろしければ参考になさってください)。

その意味で look down on はニュアンスがちょっとズレはしていますが Good Try!

 

とはいえ,もう少し原文に近づくように再度解釈を考えてみると,

なめるなよ→みくびるな→軽くみるな

という流れは“あり”な感じがします。

 

そこでもし Don't take me wrong(誤解しないで) を聞いたことがあればラッキーです。

この take の使い方は,

Can I take it as yes?([質問に対する答えについて]イエスと解釈していい?)と同じ。

つまり,take =「解釈する」

そうすると Don't take me wrong は「私を間違って解釈しないで」→「誤解しないで」という流れで理解できます。

 

この take を使って「軽くみるな」を表現するとなると「軽く」が問題になりますが,なんと!! そのまま lightly(light「軽い」の副詞形)が使えてしまうという。

take me lightly =軽くみる

これでOKです。

 

とがんばって take me lightly を出ましたが,それはそれ,これはこれということでここ部分の添削は,

look down on → underestimate

としておきます^^

not

惜しい!

「もはや」なので少し付け足しが必要です。

そこで,not ~ any more とすれば完璧。

I am not my ~ any more.

 

また,not ~ any more と同じ意味で

no longer も使えます。

この場合は,

I am no longer my ~.

とこの位置に入ります。

 

my old me

これは間違いとまでいえないのですが,あまり聞かないなという印象です。

たとえば old がなければ my me となりなんだか意味不明。

 

そこで me → self としてみます。

my old me → my old self

 

self は単独で「自身」という意味で,myself や himself も「私自身」「彼自身」という意味でした。

 

節で書き換え

さて,ここからが本日のメインテーマ。

ショートケーキのイチゴを最後まで残すタイプだね。

えっと,イチゴ..じゃなくて my old self を節で書き換えてみましょう。

 

答えから言ってしまうと,

what I used to be

となります。

 

used to は過去の継続的な状態を表して「以前は~だった」という意味です。

また what I used to be の what は ”先行詞を含む関係代名詞“です。

別の単語で言い換えると,

the person who I used to be で「以前私がそうであった人」

つまり,「昔の(かつての)自分」となります。

 

これを採用して添削は,

my old me → what I used to be

とすることにします。

 

英訳例

このあとで used to と would の違いと使い分けを詳しくみていきますが,ここでひとまず英訳例を。

Don't underestimate me.
I am not what I used to be any more.

 

used to と would の違いと使い分け

ここからは文法の話になります。

used to と似た働きをする単語に would があります。

ただし,would は過去の継続的な状態「以前は~だった」という意味では使えない,という違いがあります※。

じゃあ,似てないじゃんか!

よし,いったん落ち着こうか。

 

過去の習慣的な動作

used to と would には両方,過去の習慣的な動作「~したものだった」という意味があります。

ですから,

I would play tennis when I was a university student.

I used to play tennis when I was a university student.

は両方とも

「大学生のときはテニスをしたものだ」

という意味になります。

この過去の習慣的な動作だっけ?この意味での違いはないの?

実は訳には出ない違いがあります。

それは used to は「今は違う」という意味が含まれていることです。

 

例文でいうと,

I would play tennis では今テニスをしているかどうかはわかりません。しているかもしれないし,していないかもしれない。

一方,I used to play tennis の方は,今はしてないという意味が含まれます。

これを踏まえて,

「大学生のときはテニスをしたものだけど」

と訳すと少しは「今はしていない」ニュアンスが出せるかもしれません(試験などではこういうふうに訳していいものかどうか。僕が試験官なら5点満点中6点をあげますが^^)。

ここがポイント! used to には“今はそうではない“という意味が含まれる。

 

過去の継続的な状態

少し戻りまして would は過去の継続的な状態「以前は~だった」という意味では使えないということについて考えてみます。そのために次の例文をご用意しました。

(○)There used to be a school here.

(✗)There would be a school here.

これは「かつてここに学校があった」という意味の英文なのですが,上の used to の文はOKですが,下の would の文は文法的に間違いです。

 

be動詞が状態なのは比較的わかりやすいのですが,たとえば次の例文はどうでしょう?

「かつて自転車を持っていた」

(○)I used to have a bicycle.

(✗)I would have a bicycle.

have は一般動詞ですので「動作」を表すかと思いきや,「持っている」という“状態”を表しますので would は使えません。

 

同じ理由で次の文でも would は使えません。

「かつて東京に住んでいた」

(○)I used to live in Tokyo.

(✗)I would live in Tokyo.

 

 
※ used to の疑問文と否定文
You used to play tennis. の疑問文と否定文を考えてみます。
A1. Did you used to play tennis?
B1. Did you use to play tennis?

A2. You didn't used to play tennis.
B2. You didn't use to play tennis.

それぞれどちらが正しいのでしょう?
これを書くにあたりいろいろ調べたのですが,どうも used ではなく use(B1とB2)が正しいようです。
しかし native speaker の中にも「俺は普通に Did you used to play tennis?っていうけど」のように言ってる人もいました。

否定文は didn't じゃなく never を使うと,
You never used to play tennis. と何の違和感もなく表現できます。

 

あとがき

今回は used to と would を中心にみてきました。

ついつい脱線して字数が多くなってしまうのですが,それでもここまで読んでくださっている皆様には感謝しかありません。

 

どうもありがとう!

最後まで読んでくれてありがとう!!また,遊びに来てね♡