自宅介護でトイレが壊れた | ハンチントン病の病名に笑った日から始まった

ハンチントン病の病名に笑った日から始まった

24歳の時にハンチントン病を発病した同い年の妻。結婚生活 = 自宅介護を約15年続けてきた体験談や感じた事を綴っています。

いくら丈夫に作られていても

ハンチントン病が進行しても、自分で出来る事を少しでも減らさない事を目標にしていました。

ベットとコタツの間やトイレ、洗面台など妻が1人でも使う動線上には病状の段階を踏みながら手すりを設置したり、クッションマットを敷いたりしていました。

そんな中、トイレに1人行こうと手すりを使いながら歩いているとよろけてトイレのタンクに手を着いたそうです。

そのタンクを持ちながら座ると楽に移動出来たと話をしていました。それから更に病状が進み、介助をしながらトイレに行く様になった頃も、ハンチントン病のいつ起こるか予測がつかない不随意運動に逆らう様に身体を安定させる為、タンクに身体を預ける様な座り方になりました。

私も長時間姿勢保持を行う事が難しかったので、ついついタンクに預ける形をとってしまいました。

暫くすると、たまに床が濡れている日がある事に気が付きました。しかし、量も多くなく拭けば気にならない程度だったので放置して使用していました。

 

遂に

が、ある日、家に帰るとトイレの床に水たまりが出来ていて、明らかにトイレのタンクが壁の方に傾いていました。

トイレの元栓を閉め、床を拭きつつタンクを確認するとタンクの底がひび割れて貯水出来ない状態になっていました。

 

修理をするより買い替え

急いで知り合いの水道屋を呼び、状況を確認してもらいました。

結論から言うと、「タンクの交換は出来なくもないけど、同じ様な事になるかも」という事。

トイレと入浴は出来る限り続けて行きたかったので、思い切って買い替える事にしました。

が、もしかしてと思い、見積もりをお願いする間に福祉課へ現状説明と相談をさせて頂き、 『自立生活支援用具』の中に『便器』の項目を確認して、助成の申請をさせて頂きました。

ただ、支給の前例が無い事や病気の症状や状態への知識が無い為、こちら側の訴えとお話しを聞かれたうえでご提案される内容に開きがありました。

埒が明かなかったので担当者に自宅へ来て頂き、妻を実際にトイレに座らせながら何が問題なのか、施工後も来て頂いて今回の助成でどう改善されたかをこちら側から説明する必要がありました。

また、助成申請には医師の意見書が必要になりましたが、これは片道一時間かかる大学病院ではなく発熱などの時にお世話になっている市立病院の方から頂く事が出来たので、日数を短縮する事が出来ました。

 
 

新しいトイレは

新しいトイレは、タンクレスを採用して壁にひじ掛けと背もたれを付けて貰い、姿勢保持を行いやすくして貰いました。

また、背もたれで出来た壁と頭の隙間は洗濯が出来る枕を吊るして首が後ろに落ちない様にしました。

 
流したりおしりを拭く作業を楽に行える様にリモコンも付けて貰いました(予算の関係上、温風機能はカット)。

また、手すりと背もたれの強度を出す為に、合板でも補強してあります。

この時には既にオムツを常時着用していましたが、このトイレに変えてからも3~4年ぐらいはトイレ介助を続ける事が出来ました。

個人的には、トイレと入浴はその人の尊厳に関わる部分だと思っているので、多少辛くても結果的に気持ちよくなれば維持して上げたいと考えています。

これにも、辛そうだから可哀そうというご意見を貰う事がありました。しかし、他の事も含めて出来る事を本人の手から切り捨てるのは簡単でした。

しかし、心変わりをして改めてやらせようとした時に状態が元に戻らないという現実を知りました。

妻が必死になって昨日の現状維持に努めていた毎日を私は知っています。その為、 (言葉は悪いですが)安っぽい希望を見せる機能回復よりこの一瞬と向き合う現状維持が最優先だと信じています。

ただ、先の未来では私が信じているこの考えが覆される事を心の底から望んでいます。


 

心の声

私1人で妻をトイレに座らせている間にベットメイキングをしていたのですが、今思い返すとどんな手順でやっていたのか、自分でも本当に不思議だw。
 
役所の方は、熱量がある方で無いと前例を作られるのを嫌がられる傾向があると感じる。しかし、どっかで前例を作ってしまえばこっちのもの。それを踏まえて↓↓↓
 
昼間っからゴロゴロ―、ゴロゴロ―。あーあ、誰か前例を作って申請を楽にしてくれないかなぁ。byずん 飯尾さん風
 
あと、カテゴリーの介護日誌とケア方法って毎々同じ記事にチェックしてるけど分ける必要があるのかな?