社内でデータをやりとりしたいと思った時、気になる点にセキュリティ面、情報漏えいがありますよね。
限られた人間だけのネットワークを持つことができれば、安心して情報のやり取りをすることができます。このページでは、YAMAHAの多機能ルーターであるNVR500についてまとめています。
NVR500でできることをはじめ、NVR500を利用してVPNを構築する方法や、気になる価格についても紹介しています。これからVPNを導入しようと考えている方は、是非参考にしてみてくださいね!

※本記事は2024/3/1時点の情報です。詳細は各公式ページをご参照ください。

NVR500の特長

YAMAHAのNVR500をご存知でしょうか。
NVR500とは、YAMAHAが販売するVoIPルーターです。
VoIPルーターですが、VoIP以外にも様々な機能を利用することができます。
今回は、このNVR500についてご紹介します。

インターネット接続機能

まず、インターネット接続機能についてご紹介します。
NVR500はルーター機能やVPN機能など様々な機能を搭載しているオールインワンルーターです。
どんなことにでも対応できる万能ルーターですよ。

ルーター機能

ルーター機能は、家電量販店で普通に販売されている無線LANルーターや有線LANルーターにも搭載されている機能です。
こちらの機能は複数の機器をネットワークに接続するためのものですね。
これにより、LANやWANに接続できる機器をNVR500に接続し、ネットワークに接続することができます。
家庭内や企業でも広く利用されている機能ですので、ルーター機能を利用することは多いですよ。

VPN機能

VPNとは、仮想的にインターネットの専用線を作ることでセキュリティを高め、盗聴を防ぐことができるなど、データ通信をより安全に利用することができる機能です。
VPN機能を使えば、セキュリティを高める他に、外出先から自宅や企業のLANにアクセスすることができます。
これを活用すれば、外出先から自宅のサーバーやブルーレイレコーダーのデータを確認できたり、仕事を行ったりすることができます。
VPNはスマートフォンやパソコンの広告ブロックアプリなどにも利用されており、普段から利用しているという方もいらっしゃるかと思います。
このように、VPNは様々な用途があるので、できることの幅が広がりますよ。

フレッツ光ネクストのひかり電話対応

NVR500はVoIPルーターというだけあって、IP電話にも対応しています。
その中でも、フレッツ光ネクストのひかり電話に対応していますので、NVR500とIP電話対応電話機のみで、IP電話を利用することができますよ。
また、2chの音声通話にも対応しており、2回線のIP電話をNVR500ひとつで利用することができます。
企業などでは電話番号を複数持つ場合もあるかと思いますが、こちらのNVR500があれば2回線分のIP電話を受けることができますので、おすすめですよ。

ネットボランチDNSサービスによる無料インターネット電話

まず、ネットボランチDNSとは、YAMAHAのネットボランチDNSサーバーにグローバルIPアドレスを登録することで、グローバルIPアドレスが変動してもホスト解決できる機能です。
簡単に説明すると、インターネットから簡単にNVR500にアクセスすることができる機能ですね。
こちらの機能を利用することで、固定IPアドレスを利用しなくても、NVR500にアクセスすることができます。

すなわち、
①ネットボランチDNSサーバーにNVR500を登録する
②無料のネットボランチ電話番号が付与される
③この電話番号を利用して、IP電話を利用できるようになる
という仕組みです。

利用できる機種はネットボランチ対応機種に限られますが、企業の支社などで同一のYAMAHAのルーターを利用している場合、ネットボランチ電話番号が付与されているはずですので、こちらを利用して電話をすることができます。
ネットボランチDNSに対応したルーターでしか利用することはできませんが、無料のIP電話網を構築できるのでとても魅力的な機能ですね。

050のIP電話

NVR500は設定を行うことで、様々なサービス会社から提供されている050の番号から始まるIP電話を利用することができます。
設定方法は以下のとおりです。

① ブラウザでNVR500にログインする
② 「電話の設定」という項目をクリックする
③ 利用したい050IP電話サービスの情報を入力する
この設定方法を使えば、サービス会社が提供している専用のアプリを利用しなくても、IP電話を利用することができます。
したがって、スマートフォンでしか利用できないIP電話サービスでも、必要な情報がわかればNVR500で電話を受けたりかけたりすることができますよ。

3G/LTEを利用したワイヤレスWAN接続

NVR500に搭載されているUSBポートに3G、LTEのデータカードを接続することで、3G、LTEの通信網を利用することができます。
こちらの機能は、一般の方であれば特に利用することはないと思いますが、企業ではネットワークがダウンしたときの非常用のサブネットワークとして利用することができます。
インターネット回線は機器の故障や、サーバーの不具合でいつ利用できなくなるかわかりません。
企業にとっては1分のネットワーク障害でも損害に繋がる可能性がありますので、非常用のネットワークを備える必要があります。
こちらのNVR500を利用することで、固定回線のインターネットがダウンしてもモバイル回線網を利用することができますので、リスクを低減することができますよ。

ISDNポート搭載

ISDNは今ではあまり利用されていませんが、インターネット回線と電話回線を一本化できる回線として一時は広く普及していました。
ISDNを利用している企業などはあまりないかもしれませんが、旧規格にも対応していますので、ISDNを利用している方でもNVR500を利用してインターネットに接続したり、電話したりすることができますよ。

全ポートにギガビットイーサネット搭載

NVR500に搭載されているLANポートはすべてのポートがギガビット対応です。
ギガビットに対応していることでデータ通信を高速に行うことができ、大量のデータを一瞬で送受信することができますよ。
ギガビットに対応していないものだと通信速度が10分の1と遅くなり、データ通信にも時間がかかってしまいます。
大量のデータ通信を行う世の中で、ギガビット対応でないものは心もとないですよね。
NVR500であればこのような不安もなく、快適にネットワークを利用することができますよ。

NVR500の価格

NVR500の価格をご紹介します。
NVR500は高性能、高機能なVoIPルーターですので価格が少々高いです。
しかしながら、こちらの価格に見合った性能がありますので、企業などにおすすめのルーターです。

希望小売価格 60,280円

希望小売価格は60,280円となっています。
こちらの価格はルーターとしては高価格帯に含まれますが、NVR500はルーター以外にもVoIP機能、YAMAHA独自のネットボランチDNSサービスが利用可能など、付加機能が多く、価格以上の性能があると思います。
NVR500は企業に向けた製品ですが、その機能の高さから一般家庭でも利用している方が多いです。
一般的に普及しているルーターにはない機能が盛りだくさんで、自宅にサーバーを設置している方などにおすすめしたいルーターですよ。

2017年3月に価格改定

NVR500は2017年3月に価格改定を行っています。
以前はオープン価格でインターネット通販では約50,000円で販売されていましたが、60,280円という価格に変更になりました。
理由は原材料費の高騰などです。
ルーターのような精密機器は、部品に利用されている貴金属の価格が上昇すると、それに伴って値上げとなります。
NVR500の販売開始は2010年で、長年販売されていることから、生産を中止する話もありましたが、未だに売上が多く、広く必要とされているので生産を続けています。
価格を上げても販売を継続してくれていることは、利用者にとってはありがたいことですね。

NVR500でVPNを構築する方法

NVR500でVPNを構築する方法を紹介します。
VPNは様々な利用方法がありとても便利ですが、構築するのに手間がかかります。
VPNの構築は知識がある方でなければ設定漏れがあったり、接続できないといった不具合が発生したりする可能性もあります。
こちらでは、簡単にVPNを構築する方法を紹介します。

拠点間接続

はじめに拠点間の接続方法について紹介します。
拠点間接続とは、主に、離れた場所をネットワークで繋ぐために利用します。
拠点間接続によりLANを共有できたり、IP電話を利用したりすることができますよ。

IPアドレス設定

はじめに必要なのはIPアドレスの設定です。
IPアドレスとは、ネットワークの住所のようなもので、こちらを設定しないとネットワークを利用することができません。
VPNを利用するには、こちらのIPアドレスを設定する必要がありますので、必ず設定しましょう。

PCのブラウザでNVR500の設定画面を開く

IPアドレスの設定方法は、まず、ブラウザでNVR500の設定画面を開きます。
設定画面へのアクセス方法は、ブラウザのアドレスバーに192.168.100.1と入力することでアクセスすることができます。
ユーザー名とパスワードを問われますので、こちらを入力しましょう。
ユーザー名とパスワードの初期値は空欄ですので、はじめて設定を行う方は空欄のままでログインすることができます。

「詳細設定と情報」からLANの設定を行う

無事、NVR500にログインできましたら詳細設定と情報というページにアクセスします。こちらのページから、任意のIPアドレスを設定しましょう。

新しいIPアドレスにhttpでアクセスする
IPアドレスを設定後、接続できるか確認しましょう。
接続の確認方法ですが、先ほどの方法と同じで

① ブラウザのアドレスバーに設定したIPアドレスでアドレスを入力する
② NVR500の設定画面にログインするためのページへアクセス
③ ログイン後、設定ページが表示されたら確認完了

となります。

インターネット接続設定

次に、インターネットの接続設定を行いましょう。
VPN機能はインターネットを経由してアクセスしますので、インターネットに接続していないとVPN機能を利用することができません。
インターネットの設定を行うにはプロバイダの情報が必要ですので、プロバイダの書類を用意しましょう。

NVR500の設定画面を開く

先ほど設定したIPアドレスをブラウザのアドレスバーの入力し、設定画面を開きます。
こちらも、ユーザー名とパスワードを設定した場合は入力しましょう。

「プロバイダ情報の設定」

設定画面からプロバイダ情報の設定を選択することで、プロバイダの設定を行うことができます。
次の項目でプロバイダの契約用紙が必要となりますので、準備しましょう。

プロバイダとの契約内容に従いDNSを設定

プロバイダの契約用紙に記載されているDNS情報をもとに、プロバイダの設定を行いましょう。
拠点間接続する場合は、この他にもインターネットに接続するために基本情報の入力が必要となります。
基本情報はインターネットに接続するためのユーザー名、パスワードですので、プロバイダの契約用紙に記載されている情報を入力しましょう。

NetVolante DNSへの登録

インターネットの設定が終わると、次はネットボランチの設定です。
こちらの設定を済ませることで、YAMAHAのネットボランチDNSを利用することができますよ。

NVR500の設定画面を開く

先ほど同様、NVR500の設定画面を開きましょう。

「詳細設定と情報」からネットボランチDNSホストアドレスサービスの設定を行う

① 設定ページから「詳細設定と情報」という項目を選択する
② インターフェースとホスト名の設定をする
※インターフェースはLAN2/PP[01]を選択し、ホスト名は任意
※「サービスの利用規約に同意するか」という表示が出てきたら、「同意する」を選択しましょう。
③ ネットボランチDNSホストアドレスサービスの設定完了

PPTPの設定

PPTPとは古くから利用されているVPNの方式です。
こちらを設定することで、外出先から自宅のパソコンにアクセスすることができますよ。

NVR500の設定画面を開く

NVR500の設定画面を開きましょう。

「詳細設定と情報」からVPN接続の設定を行う

ネットボランチの設定同様、「詳細設定と情報」からVPNの設定を行います。

① 「詳細設定と情報」のページ内にある「VPN接続の設定」をクリック
② 「追加」をクリック
③ PPTPを使用したネットワーク型LAN接続VPNを選択する
④ 必要事項を入力することで設定完了

VoIPの設定

VoIPの設定はIP電話を利用するために必要な設定です。
IP電話を利用する場合は、こちらの設定も行いましょう。

NVR500の設定画面を開く

NVR500の設定を開きましょう。

「電話の設定」からVoIPの設定を行う

① 設定ページ内の「電話の設定」を選択する
② IP電話を契約した時の情報を入力する

IP電話の設定はとても簡単で、以上の2ステップで完了できます。
初心者でも簡単に行うことができますので、IP電話を利用したい方は設定料金で不必要なお金を掛けるよりも、ご自身で設定することをおすすめします。

NetVolante DNS

ネットボランチDNSのIP電話の設定方法について、ご紹介します。
ネットボランチDNSを利用することで、無料のIP電話網を構築することができます。

NVR500の設定画面を開く

NVR500の設定画面を開きます。

「電話の設定」からVoIPの設定を行う

先ほどのIP電話の設定同様、IP電話の設定を開きましょう。

① 設定項目の中から「ネットボランチ電話」という項目を選択する
② 「電話アドレスサービス」をクリックして電話アドレスを取得する

以上で完了となります。

2台目も同様に設定する

1台目の設定が終わったら、2台目の設定も行いましょう。
1台目の設定でPPTPサーバーを利用している場合は、2台目の設定でPPTPクライアントを選択してください。
2台目にも1台目と同じ設定をおこなうことで、ネットボランチ電話を利用することができます。

リモートアクセス

つづいて、リモートアクセスの設定方法についてご紹介します。
リモートアクセスは外出先から任意のパソコンにアクセスしたり、サーバーにアクセスしたりすることができます。
外出先からでも、インターネット経由で必要な情報にアクセスすることができますので、営業の仕事をしている方にはとても便利ですね。

PCのブラウザでNVR500の設定画面を開く

NVR500の設定画面を開きましょう。

「詳細設定と情報」からVPN接続設定を登録する

「詳細設定と情報」からVPNの接続設定を行います。
こちらの設定は外出先からのアクセスですので、PPTPの設定とは異なりますので、注意しましょう。
外出先からVPNでアクセスするには、ユーザー名とパスワード、ホストを設定する必要がありますので、こちらの設定を行いましょう。

ネットボランチDNSホストアドレスサービスを設定する

インターネットの接続の設定で行ったように、ネットボランチの設定を行ってください。
すでに設定されている方は、こちらの設定は不要で、まだ設定を行っていない方は「インターネットの接続の設定」を参考にネットボランチの設定を行ってください。

IPフィルターを設定する

IPフィルターとは、アクセスする端末を限定できるファイアウォールのようなものです。
外部からのアクセスを許可する場合、こちらのIPフィルターを設定しておかないと、アクセスされたくないパソコンやサーバーにも勝手にアクセスされてしまう可能性がありますので、IPフィルターは重要です。
設定方法は、IPフィルターの設定ページから、アクセスされたくないパソコンやサーバーのIPアドレスを選択し、アクセス拒否を設定することで、外部からのアクセスを遮断することができますよ。

接続確認

VPNの設定が終わったら、実際に接続できるか確認することをおすすめします。
実際にアクセスするときにアクセスできないと意味がありませんので、設定が完了したら実際に接続を行ってみましょう。

実際に外部から接続してみる
外部からアクセスする方法は様々です。
近くのカフェからもアクセスすることができますし、スマートフォンからもアクセスすることができます。
外部からアクセスする方法はパソコンやスマートフォンの設定からVPNを選択し、あらかじめ決めたユーザー名とパスワードを入力し、指定した接続方式を選択することでアクセスすることができます。
無事アクセスすることができると、パソコンやスマートフォンに「VPN接続された」というマークが表示されます。
VPNに接続できない場合は、接続エラーが表示されますので、設定したユーザー名などを確認してください。

運用例

NVR500は高性能、高機能なルーターですので、様々機能を搭載してします。
実際に利用されることを想定して、運用例をご紹介します。

事務所間でVPN接続

距離的に離れた事務所間でのVPNアクセスを利用することで、離れた事務所でも同じLANを利用しているかのように利用することができます。
NVR500の搭載されているVPN機能を利用することで、こちらの機能を利用することができますよ。
事務所間でLANを共有すると、データのアクセスが容易になったり、ネットボランチ電話を打ち合わせの際に利用できたります。
どちらの事務所もインターネットが接続されていることが条件ですが、NVR500を導入することでLANを共有することができますよ。

システムごとに利用していたネットワークを統合しコスト削減

システムごとに別のネットワークを利用している場合もあるかと思います。
ネットワークを別にすると、ファイルの共有に手間がかかったり、運用コストが高くなったりとデメリットが多いですよね。
そこで、こちらのNVR500を利用することで、ネットワークを1本化することができます。
ネットワークを結合することで、管理も一本化でき楽になりますし、保守点検も簡単になります。
一つデメリットを挙げるとすれば、ネットワークがダウンした時に復旧までの時間がかかってしまうことですね。
そのため、NVR500の3G、LTE接続機能などでサブネットワークを構築しておくことをおすすめします。
サブネットワークを構築することで、万が一の障害にも対応できますし、ネットワークの稼働率も上がりますので、おすすめです。

スイッチを使い、回線をVLANで部屋ごとに分離

NVR500にはLANスイッチが搭載されています。
こちらのスイッチを利用して、仮想的に2つのLANを作ることができます。
例えば、総務部と営業部でLANを分けたい場合などは、VLAN機能を利用することでLANを分離することができます。
会社内で複数の部署で分けたいときに便利な機能ですね。

無線アクセスポイントの導入

NVR500には無線LAN機能が搭載されていませんので、無線LANを利用したい場合は別途、無線LANルーターの導入が必要です。
無線LANルーターを導入する場合は、NVR500にLANポートに接続するだけでアクセスポイントとして利用することができますので、設定も簡単ですよ。
ですが、無線LANを導入すると、不正アクセスの危険性も高まりますので、パスワードをしっかりと設定し、ステルスSSIDを利用したり、MACアドレスフィルタを利用したりするなど、セキュリティの設定をしっかりと行いましょう。

まとめ

NVR500は、YAMAHAが販売するルーターでIP電話やVPNなどの、主要なネットワークで利用されている機能のほとんどを利用できるルーターとなっています。
価格は高めですが、価格以上の機能がありますので、企業などにおすすめできるルーターです。
現在も販売していますので、VPNの導入を検討している方はNVR500の利用をおすすめします。

この記事を書いた人
福田ありさ

福田ありさ

ぴかまろ編集・ライティング担当。光回線の販売経験を活かして、インターネットサービスのあれこれをわかりやすくお伝えできるように日々奮闘しています。家でも光回線やスマホサービスを色々試しており、ユーザー目線でリアルな情報を発信できたらと思っています!よろしくお願いします。

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