理系夫婦Y子とMの昭和から令和まで

都内で働く薬剤師Y子と、パソコン・DIY・生物などに詳しい理系の夫M。昭和30年代から今日までの実体験に最新の情報を加え、多くの方々、特に子育て・孫育て世代の皆様のお役に立つことを願いつつ発信する夫婦(めおと)ブログです。

タイヤのうんちく 黄色と赤は・・・

Mです。

 都内某所でコインパーキングしていて、2ヶ月の間にタイヤ4本、つまり、すべてのタイヤに穴を開けられた。愉快犯なのだろうが、判明したら両国橋から逆さ吊りしてやりたい気分である。
 4本ともすぐには判らない程度の穴で、たぶん千枚通しのような針状の道具で、サイドから突き刺したのだと思う。

 3週間前のある日、朝普通に走っていたのに、夕刻に契約駐車場から電話が入り、エアーが抜けている、とのこと。
 早めに仕事を切り上げて、駐車場へ。
 見た目には、突き刺さっているような異物も無いので、やられたな、と思い、まずはエアーを入れる。少し前に購入していた車両電源で動かすエアーポンプが重宝し、凹んでいた右側2本を適当なところまで膨らまして、洗剤液をサイド一面に塗りたくる。
 ジュブジュブと音をたてて小さな泡が出てきた。前タイヤに2カ所、後ろタイヤに1カ所の穴が判明。穴位置が判るように、紙テープでマーキングを施しておいた。
 軽くジャッキアップして、穴が下に来るように回転させ、持ち歩いている瞬間パンク修理材を注入。ジャッキを外し、5Kmほど走らせてマーキングしておいた穴を確認し、漏れていないことを確認してとりあえずセーフ。
 その週末に、応急措置しておいたタイヤ2本を外して、修理パーツで穴埋めを行った。

 実は、この一月前にも、左側2本が同じようにサイドに損傷を受けていた。
 そのときは、出向いた運送会社の倉庫でタイヤ圧が低下していることに気づいた。幸いにもトラックのメンテを行える場所で、種々のツールが備わっていた。左2本を取り外して大型コンプレッサーで空気を入れ、洗剤液で穴を見つけた。前後とも1カ所ずつ、サイドのタイヤのロゴ中心部に穴。明らかに遊びだった。
 修理パーツはいつも持ち歩いている。小一時間で手持ちの修理材で穴を塞ぎ、とりあえずの修理をしたのだった。

 そのトラブルがあったので、その後、上述の瞬間パンク修理材を購入していたのである。

 とはいえ、いずれも本来はやってはいけないタイヤサイド面の穴埋めである。
 現在殆どのクルマが使っているチューブレスタイヤは、接地面側の補強はかなり強く、穴が開いても修理材料を突っ込んで穴を塞げば、以後心配すること無く使い続けられる。しかし、側面の補強線維は、タイヤの放射線状方向に縦に走らせているだけで、かなり脆弱。穴を塞ぐことは出来ても、その傷が縦に亀裂となって進行し、運が悪ければバースト(瞬間的に破裂) する。高速道路でそれが発生したら、場合によってはそのまま「お陀仏」である。

 そんなサイド穴埋めタイヤ4本で走り続けるのは怖いので、まだ寿命は尽きていないが、タイヤを新調することにした。
 今回も、ネットで良さそうなタイヤ(性能まずまずで安いことが前提)を選択し、上述の修理をさせてもらった運送会社倉庫に納品してもらう了承を得た。
 注文から2日ほどでタイヤが届き、タイミング良くその場所に仕事を作ることが出来たので、即出かけた。その日の打ち合わせを終え、タイヤ交換することに。すぐ近くのガソリンスタンドで大型タイヤ交換も可能なところがあったので、運送会社から口利きしてもらい、届いていたタイヤを積み込んで履き替え作業をしてもらった。
 こんな作業は大好きなので、担当のおっちゃんと雑談しながら作業を手伝い、小一時間で交換完了。
 取り外した応急修タイヤを見てみると、修理はうまくいっていたが、よく観察してみると、サイド面内側の脆弱さが触った感じからもよく分かり、やはり使い続けることは出来なかったと認識を新たにした。
 穴を開けられたことを話していると、おっちゃんも最近経験があるという。
 サイドの場合は、タイヤを取り外せるなら、ゴム板を穴の内側に熱溶着して修理することも出来るとのことだったが、その方法も完璧なものではなく、実施価格の割に信頼性は低いのだそうだ。
 玄人がそう言うのだから、サイド損傷してしまったら、やはり交換しか無いのだ。

 とにかく、愉快犯は許せない。場合によっては、殺人犯にもなるのだから。
 このトラブル以降は、カメラを設置してある駐車場しか使わないことにしている。防衛しか方法は無いだろう。普及してきている車載カメラ(ドライブレコーダー)で監視するという手もあるが、まずは、愉快犯が狙いづらい場所に停める、という方が正解だと思っている。

 そんなゴタゴタの中、タイヤ交換作業の途中で、気になるものを発見した。
 タイヤ外面に、黄色と赤のマークがあるのに気づいた。メーカーロゴが付いている面が車両の外側になる面で、そのサイド面中心付近に2カ所、直径1cmほどの丸印が付いていたのだ。これまで何度もタイヤ交換をしてきたが、今まで気になったことが無かった。おっちゃんに聞いたら、「最近はだいぶ付いているよ、交換時のウェートバランスと真円バランスの表示だ」と教えてくれた。

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 タイヤを回転させたとき一番軽い位置が黄色、円周のゆがみが一番強い位置(膨らんでいる位置)が赤とのこと。真円であるかどうかは、実際上問題にならないので、タイヤ交換時のホイールバランス調整の時になるべく補正ウェイトを少なく出来るよう、黄色をホイールのバルブ位置に合わせるのだそうだ。つまり、バルブという異物を付けている位置が、ホイールとしてはちょっと重くなる位置なので、そこにタイヤ自体で最も軽くなる黄色を合わせる、ということだそうである。赤は、ホイールの真円性との兼ね合いで、ホイール円周が一番凹んでいるところに合わせるのだが、黄色を合わせたら赤を合わせることは不可能なので、通常は無視しているという。スポーツドライブ重視のクルマでは、赤を優先にするのだそうだが、今まで扱ったことは無い、と言っていた。たぶん、レース車両での問題なのだろう。下の写真でも、黄色優先でセッティングしていることがよく判る。

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 今様のタイヤではまずお目にかからないらしいが、以前の弱小メーカーのタイヤには、ゴムの厚さにもムラがあって、ホイールバランスがなかなか取れないことがあったそうだ。調整ウェイトは、普通なら50gを超えることは無いそうなのだが、バランスの悪いタイヤだと、何カ所にも分けて最終的に150gとかになったこともあったという。ちなみに、今回取り付けた調整ウェイトは、いちばん重い箇所で40gだった。

 そんな流れの中で、ウェイトバランスの調整が高速走行中の安全上無視できない問題だという認識が強まり、タイヤメーカーが自社タイヤに自主的に赤と黄色のマーキングを付けるようになったようだ。法律で規制されているのかと思い調べたが、どうやらそういうものではない。
 これまで気づいていなかったのも、実は、すべてのメーカーがマーキングしているのでは無いからだった。国内メーカーでも付けていないところはあるし、有名外国メーカーでもつけていないメーカーがある。ミシュランなど、自分のところのタイヤは、もともとバランス良く出来ているから必要ない、と豪語している。
 ミシュランの言うことが本当かどうかは判らないが、マーキングしているタイヤメーカーは、製造したものを出荷前に検査しているわけだから、黄色と赤はメーカーの安全ポリシーのとらえ方、と考えて良いだろう。付いている方が良心的、と感じる。

 かなり記憶の端に追いやられたバブルの時代、時任三郎さんがやっていたCMを思い出した。
♫黄色と黒は勇気のしるし、24時間はたら~けますか~♫、というドリンク剤CMである。
24時間なんて働きたくありませ~~ん!とCMに言い返していた懐かしい思い出である。

♫黄色と赤は誠意のあかし、24時間 安心タイヤ~~!♫ といったところだろうか。
これからは、マークのあるタイヤかどうかも、注視したいと思っている。

 ちなみに、マークのことをわかりやすく説明してくれているブログがあったので、下に紹介させていただく。

ブログ 私の思いと技術的覚え書き
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/700344a1c459263bf58edf8e1d1d7022