理系夫婦Y子とMの昭和から令和まで

都内で働く薬剤師Y子と、パソコン・DIY・生物などに詳しい理系の夫M。昭和30年代から今日までの実体験に最新の情報を加え、多くの方々、特に子育て・孫育て世代の皆様のお役に立つことを願いつつ発信する夫婦(めおと)ブログです。

殺菌灯 大作戦 その効果は?

Mです。

部品を揃えて製作した10W殺菌灯。タイマーで、一日あたり4時間ずつ照射している。

 

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 夜の1時半から5時半まで、閉め切った部屋の中で不気味な青白い光が灯っている。

 この時間帯なら、ものの出し入れもしないので、誤って入ってしまうこともないだろうと選んだ。もし開けて入っても、いくら寝ぼけ眼でもこの妖しい光には気がつくから、たぶん問題ない。ただ、ボーっとしていて見つめてしまうという危険性もあるので、やはり時間帯は選ばなくてはいけない。

 起床後にこの部屋を開けてまず気づくのは、草が枯れたニオイに似た紫外線ヤケのニオイだ。オゾン臭もかなり混ざっていて、息を吸うとのどの奥がちょっとヒリヒリする。閉め切った部屋で殺菌灯を焚くと生じる、独特の殺菌臭だ。むかし、細胞培養していた実験室の臭いだ。
 この臭いが残っているということは、感じとして、6畳部屋に10Wの殺菌灯で十分なのだと思う。事実、これまでカビ臭くて換気していた室が、1週間もするとカビ臭は無くなっている。むしろ、閉めたままにしておくと殺菌臭が残っていて心地よくないほどだ。
 どうやら、殺菌灯大作戦、成功である。

 これ以外の2部屋も状況は同じで、8畳の広さの部屋でも効果は同じように現れている。
 今後は、室内に置かれているいろいろなものに、紫外線の影響(たとえば脱色、布や紙の劣化)やオゾンの影響(たとえば金属表面の錆)がどの程度発生するかを確かめていく必要があると思っている。
 紫外線効果については、気になるものが出てきたら、場合によっては表面消毒したいもので覆うなどして防げば良いだろうから、むしろ、消毒室として利用しているのだ、と考えれば良いだろう。
 問題は金属表面の酸化で、電機製品ではスイッチ類や音響部材の接点にこれが生じると、気づけばスイッチが入らない、とか、音が出なくなった、とかが発生する可能性がある。ただ、オゾン酸化はごく表面でしか発生しないし、深く進行するものでは無いので、気づいたらスイッチをカチカチするとか、プラグを抜き差しして表面をこするだけでまず問題なく回復するだろうから、それほど心配はしていない。幸いなことに、貴金属装飾品が全くない我が家においては、それらの表面が曇るなどして困ることは無いので、安心である。

 期待以上の効果に、正直驚いている。
 これなら、もっと早く試せば良かったと、むしろ悔やんでいるくらいだ。

 ちなみに、殺菌効果、ということでの紫外線に関する考察はたいへん古くからあり、ちょっと調べてみたら、昭和36年の研究報告が見つかった。岩原さん、栗栖さんの報告で、当時は石英管を使った殺菌灯での実験だった。そこでは、紫外線で発生するオゾンによって、紫外線が届かない物体裏面にまで殺菌効果が及ぶと報告している。(下リンク参照)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shokueishi1960/2/2/2_2_17/_pdf/-char/ja

 また、最近の取り組みとして、カビに苦しめられることが避けられない図書館での試みとして、東京都の中央図書館で行われた取り組みも見つかった。
 ここでは、空調機のダクト内で殺菌灯を焚き、そこで空調機内に取り込まれた室内空気を殺菌して吹き出すようにした結果を報じている。この試みで、空調機から出てくる空気中の浮遊カビが激減したそうだ。これは、一般家庭内で話題になるエアコン内部のカビ問題にも効果が期待できることを示している。閉め切った部屋で殺菌灯を点けたままエアコンを作動させておけば、エアコン内部のカビ退治にも役立つということを示している。
(下リンク参照)
 https://www.library.metro.tokyo.lg.jp/guide/uploads/sakkinnto.pdf

 想像以上の効果にほくそ笑んでいる。
 低額で達成できる室内滅菌作戦。
 興味ある方は是非試してみて欲しい。