命のカウントダウン(健康余命3605日)

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薬剤耐性菌で8000人死亡? 2050年にはがんを超える死者数?

2019-12-07 09:45:01 | 不適切な治療
抗菌剤の適正使用が喫緊の課題であるらしい。
このままでいくと、2050年には耐性菌による死亡者数が、がんを上回って死亡率の一位に躍りだすのだそうだ。
耐性菌での死亡が8000人という発表も、実は控えめな数字であって、MRSAとフルオロキノロン耐性大腸菌の2種のみの数字です。その他にも耐性菌は数多く存在しますから、少なく見積もっても1万人以上は亡くなっていると考えていいと思います。

耐性菌 について
耐性菌って、文字通り抗生物質など細菌をやっつけるための抗菌物質が効きにくい細菌のことを言うのですが・・・・・抗菌剤をむやみに使うと増えてしまいます。

と、言うと、耐性菌っていうのは人類が作り上げてしまったモンスターのように思えるのですが・・・・・実は、耐性菌は・・・・・人類が抗生物質を発見するずっとずっと以前から存在するのです。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/5901/

 アメリカ、ニューメキシコ州にある未開の洞窟の奥で、現代の抗生物質が効かないバクテリアが100種近く発見された。 見つかったバクテリアは、地下約487メートルにある岩石でできたレチュギア洞窟の壁を覆っている。最近まで、これらの微生物は人間や抗生物質と接することなく過ごしてきた。

 この洞窟は400万~700万年前に、分厚いドーム状の岩石によって外界から隔絶された状態となった。流れ込む水が洞窟深部に到達するには約1万年の時間を要する。したがって、洞窟内の生物が現代の医薬品と接触する機会はまったくなかった。

 洞窟で見つかったバクテリアは、人間には感染しないものの、最新の合成薬剤を含む複数クラスの抗生物質に耐性を持つ(抗生物質は作用機序や化学構造によっていくつかのクラスに分類される)。今回の発見は、薬剤耐性疾患が出現する仕組みを解明するための興味深い手がかりとなるものだ。

「臨床微生物学者たちは長年頭を悩ませてきた。新たな抗生物質を病院に投入すると、数カ月~数年以内という短期間のうちに必ず耐性が出現する」とカナダ、オンタリオ州にあるマックマスター大学の化学生物学者で、今回の研究を率いたジェリー・ライト(Gerry Wright)氏は話す。

「この耐性がどこから来るのかは、今なお大きな謎だ。これまで他のバクテリア、すなわち必ずしも病気を引き起こさないバクテリアに関しては、ほとんど誰も目を向けることを考えなかった」。

スチュアート・リービー(Stuart Levy)氏も次のように述べている。「これはニワトリが先か卵が先かという問題だ。微生物はまず抗生物質を作り出し、その後に耐性が発達したのか、あるいはその逆なのか」。洞窟に生息するバクテリアの場合、微生物同士が競争しあう「化学戦」の一環として、天然の抗生物質が生み出される可能性も考えられるという。


薬剤耐性菌は健康な人に影響を及ぼすことは少ないが、免疫が落ちた人や高齢者が感染すると、重症化して死亡するリスクが高まる。米国では年間3万5千人以上、欧州で3万3千人が死亡しているとの推計が発表されているが、日本は不明だった。
同病院AMR臨床リファレンスセンターの具芳明室長は「今後は他の耐性菌による死者数や後遺症の有無、入院期間の変化を調べて影響の全体像を把握したい」としている。

薬剤耐性菌対策に詳しい三鴨広繁・愛知医大教授(感染症学)の話 MRSAの死者数が減っていることから、抗生物質の適正使用を推進する病院を優遇するなどしてきた国の薬剤耐性菌対策が一定の効果を示しているといえる。
一方でフルオロキノロン耐性大腸菌の死者数は増加している。他の菌の影響も合わせれば死者数は1万人を軽く超えるのではないか。新薬の開発や、医師が治療に使う際の薬の選択の在り方について、議論していく必要がある。〔共同〕


抗菌剤を使う以前から耐性菌は存在する。そして、耐性菌は抗菌薬を正しく使っても発生するが、使い過ぎによって生まれやすくなり、拡大が加速される。近年、耐性菌による死者の世界的増加が指摘されていた。日本でも深刻な影響を及ぼしていることが明らかになり、抗菌薬の適正使用など対策の徹底が求められている。
医療関係者としては、「適切な抗菌剤使用」を強く意識し、知識を日々アップデートしながら対応していくしかないと考える。昨日の常識は、今日の非常識ということがままある。
しかし、ペニシリンを発見したフレミングが、ペニシリン耐性菌を予測し、憂えたように、正確な知識は、時間の壁を乗り越えて、正しく未来を予測することも可能なのだとも思う。 目指せ!!!フレミング!!!

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