てやんでい、べらぼうめ
今回は、“建設担当のしもべ”ライオン天使が主役です。
わたしが地図作りの旅に出ていたときのおはなし
バリバリと仕事をこなし、動物と自然を愛する“優しいしもべ”ライオン天使
住居から生活用品まで、なんでも作ってくれる職人さんなのです
住宅地の観光地化計画、そしてピザ店の経営から始まった、彼の実業家としての手腕は見事としか言いようがありません
イタリアまで出張に行ったりと、大忙しです
しかし。
本来の“建設担当”としての仕事はというと……。
橋脚(よみかた分かりません)を高架線路の下に設置する工事の依頼があっただけで、あとはぜんぜんさっぱりです。
…………
……
とある夜。
「うい~、ひっく。おいらは建築家だってんだ、コンチクショーめ」
ヤケ酒を飲んで千鳥足で歩いていると、木材を運んでいるエンダーマンに遭遇しました。
「お? どうしたんでい、こんな時間に」
「じつは…………」
エンダーマンは、コロナ被害で住むところを失った仲間たちのために街を作っているとのこと。
たったひとりで。
ただ。
技術も知識もないので、まだ街どころか一軒の家すら作れていません……。
「てやんでい、泣かせる話じゃねえか! よし、おいらに任せな!」
というわけで。
エンダーマンの仲間たちのため、街作りを買ってでたライオン天使。
「建材を集めにいく時間もねえし……」
「ご主人様(猫屋敷ねこねこ)の自宅のすぐそばに、街を作るとするか!」
わたしの自宅であり拠点である猫屋敷家には、建材のストックが豊富にあるのです。
まず手始めに、3階建てマンションを。
建材は、ねずみ色のテラコッタです。
「う~ん。いまいち、マンションっぽくねえなあ……」
「こんな時は……、チョチョイのチョイってなもんだ」
ハーフブロック(半分サイズのブロック)を使い、窓の大きさを半分にすることで見事解決!
※灯りがついてる部屋と消えてる部屋を表現するために、建物内の光源をちょっと工夫しました。
腰にさげた大工道具をかっこよく使い分け、どんどん住居を建てていくライオン天使
「粋なく~ろべい、見越しのま~つに♪」
徹夜の作業にもかかわらず、なんだか楽しそうです
…………
……
窓ガラスが無く、ちょっと廃墟っぽいマンション。
「ここからが、職人の腕の見せどころよ!」
建物の屋上を、サトウキビの避雷針とカボチャの貯水槽で装飾します。
「なんか変だぜ」
でも。
街としては、いい感じになってきました
夜景も
窓の灯りが均一じゃないので、本物のマンションみたいです!
さすが、“建設担当”です
…………
……
さらに翌日。
縦長の窓があるマンションを追加したり
すんばらしい!
エンダーマンの仲間たちのためだけに、ライオン天使が作った街です
※写真に写り込んでいるのはわたしの右手じゃなく、ライオン天使が右手で持っている大工道具の鉋(かんな)です。
猫屋敷邸から街までは、一本道です!
逢魔が時(おうまがとき)の風景
丑三つ時(うしみつどき)は廃墟みたいで、ちょっと不気味なニュータウン
ちなみに。
エンダーマンは、モンスターです
とうぜん。
その仲間も、みんなモンスターです
つまり。
この街に暮らす予定の、“エンダーマンの仲間たち”というのは……
ひとり残らず……。
みんなモンスターです
しかもしかも。
彼らモンスターにとって、敵といえば……
…………
……
こうして。
わたしの自宅のすぐそばに、モンスターたちが暮らす……文字どおり“ゴーストタウン”が完成したのでした
「しまった! おいらとしたことが」
おしまい