巨人の肩に立ちたいゲイ

30代ゲイのブログ。ゲイとしての考えたことをアウトプットしたり整理したりするような場にできればと思っております。やまとなでしこの頃の堤真一が好きです。

1LDKにキングサイズの男の理性

人の部屋を眺めるのが好きです。大学を卒業するまで長いこと実家暮らしだったこともあり、一人暮らしを始める時に自分の部屋をどうデザインするか、しばしば夢想していました。2chの部屋晒しスレなどを巡回しながら、このテレビ台はいいなぁとか、でかい観葉植物がおけるような広い部屋はうらやましいなぁとか、そんなことを考えていました。最近はtwitterinstagramで#部屋晒しとかいうハッシュタグでいろいろと画像が出てくるようです。

 

さて、こんなかんじでイメージトレーニングを積んできたわけですけど、いざ一人暮らしを始めようとすると、ディテールよりもまずは家具の配置を決めなくてはいけません。むしろ、狭い部屋ならほとんどそれくらいしかやることないですよね。んで。最初に配置を決めるのってやっぱベッドなんじゃないかと思います。出入り口に近いと邪魔だし、窓にドン付けしても出入りがなぁ。テレビやPCの配線を考えるとここだよなぁ。そこまで考えてふと、「ベッドのサイズどうしよう!?」という大問題に行き当たりました。

 

正直、小柄な僕はシングルでも全然問題ないわけですけど。ですけども。誰かと一緒に寝ることを考えるとさすがにシングルは狭い。彼氏と同棲という案件であれば、そんなの寝室分けてそれぞれ好きなサイズのベッドで寝ればいいじゃん、という意見なのですが、フリーで一人暮らしですよ。社会人になって多少はお金の余裕もある。誰かを連れ込むことを考えると最低でもセミダブルは欲しい。ダブルならあんなプレイやこんなプレイ、いろいろ挑戦できるかもしれない!夢はどこまでも広がります。しかし部屋の専有面積は有限ですので、都内で職場の近くに一人暮らしという状況を勘案してセミダブルがせいぜい、という落としどころにたどり着きます。というか、たどり着きました。性欲に正直でいたいと考えたとき、ゼミダブルには数万円の先行投資と部屋の広さを犠牲にする価値があるように思われました。

 

しかしまあ、それによって僕が何を手にし、何を失ったかというのはこの話の本質ではありません。冒頭でも申し上げましたとおり、僕は他人を部屋に招くより、他人の部屋を眺めるのが好きなのです。洗い物は嫌いだしアニメグッズを収納するのは手間だし、とにかく人を呼べる環境を保ち続けるのは本当に大変。それよりもお相手の部屋にお邪魔することで、その人となりをより深く洞察できるわけです。わくわくします。

 

こうして、ゲイライフを謳歌しているパリピな方々よりは随分と慎ましいでしょうが、様々なゲイ男性のお部屋へお呼ばれしてまいりました。もちろんお部屋に招かれるというのは、ほとんどの場合それ即ちセックスなわけでして、同じ回数くらいの行為を積み重ねてきたことになるわけです。で。ふとこれまでの経験を振り返ってみると、どうやらベッドのサイズとその上での寝技のテクニックにはかなりしっかりとした相関関係があるのではないかと思うに至りました。

 

自宅のベッドがシングルの人は比較的淡泊でバニラ派が多く、わりと自分を解放しきっていないタイプが多い。セミダブルくらいになると徐々に手馴れてきて、ダブルだと結構激しめなケースが増えてきます。がっつりアナルまでやりたがるイメージ。そしてこれまで3人いましたけれど、男の一人暮らしにクイーンサイズ以上という明らかにオーバースペックな寝具を揃えている層。3人ともまじでセックスうまかったわ。ああ、キスってやろうと思ったらこんなに柔らかい感じにできるんですね、みたいな。恥ずかしくて文章にするのも憚られますが、あんなことからこんなことまで、それはもうめくるめく体験でございました。

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それでもやっぱり、一人暮らしのダブルベッドはなんか気恥ずかしいのです

ゴルフでは、初心者がいきなり高価なクラブを手にしても使いこなすのが困難と言われます。そもそも14種類全てに習熟するのは至難ですし、ヘッドスピードが出ないうちにシャフトの硬いものを選んでも飛距離が伸びません。それと同じく、ベッドというのもセックスにおける技術が伴わぬうちは背伸びをして無駄に大きなものを揃えるべきではないのかもしれません。次から次へと新たな体位に移行し、マットレスの上を縦横無尽に転がりまわれるだけの経験値が伴わなければ、その広さは行為の最中であっても急に寒々しいものに感じられることでしょう。

 

さて先日、クイーンサイズ越えのベッドを有する、今でも時たまお会いする方のお部屋に行ってまいりました。近くの焼肉屋で僕の昇進のお祝いをしてもらったあと、既になじみの部屋に向かいます。1LDKの寝室はほぼベッドで占められていて、すごい存在感。僕はおもむろに、ベッド本来の向きとは垂直に寝転がってみます。身長160cm、これはクイーンサイズのマットレスの幅とほぼ一緒なのです。天然の定規ですね。ところがなんと、この家のベッドはそれを20cm近く上回るのです。180cm。驚愕のキングサイズ。ほとんど正方形のマットレスの上には宇宙が広がっています。

 

実のところ、この人はちょくちょく同棲している相手がいたりして、そのときはこのベッドで一緒に寝ているのだそう。それならまあ、無意味とも思える巨大な寝具にも一定の費用対効果が見込めるということでしょうか。ただやはり、シンプルなインテリアと言えば聞こえはいいけれど、ほとんど殺風景な1LDKにキングサイズのベッド。このアンバランスさが、普段はすごく紳士的な彼の内面に潜む特異さを物語っているようにも思えます。僕は、わずかにその人の体臭がするベッドに寝転がりながら、「きっと、つんく♂はセックスが下手だったのだろうな」と、どうしようもないことを考えていたのでした。

 

その日のエッチはやはり大満足でした。