(「天王山」からの続き)

 

目の前の視界が開け、私の目に飛び込んできた光景がこれだ!! 1.2.3(古)。

 

 

更にどんどん進んでいくと、これだ!! 1.2.3(もういいっての)。

 

 

 「そうか、夢が暗示していたのはこれか」と納得しながらも、「でも、少年は何処」。

 

 

 この子たちでは小さ過ぎるし、あの少年は12・3歳に見えたけど・・・。まぁ、そんな事は如何でも良いのです。でも、可愛い子達です。野生児ってとこでしょうか。

 

 私の子供の頃みたいです(笑)。この子達も今では30歳を超えているでしょう(もうオッサンだな)。

 

 さて、やる事は山ほどあります。歩測での測量、人の身長から高さの推測、鉱脈の潜り込み角度等で、正確な図面の作成と既に採掘された鉱量及び推定埋蔵量(可採埋蔵量)を計算します。

 

 通訳(国営企業の使える方ね)に鉱山の名前を聞くと、「無い」とあっさり。ならば、「この山の名前は何」と聞くと、ついて来た村人に訪ね「小白石山だそうです」。

 

 「え・・・」。「貴方の子供の山と言う意味になりますね」。「私の苗字に小を付けた山・・・」。

 

 中国では目下の者の苗字に小をつけますが、親と子供を区別する為に、子供に小をつけて呼ぶ事もあります。「なるほど」と私は因縁を感じたのですが、もうここに来ることは無いだろうと思ったのでした。

 

 見ての通りあまり綺麗な石ではありません(当時使用していたインドの石は純白でとても綺麗です)ので、まず期待出来ないでしょうが、折角来たのですから・・・。

 

 10個所からハンマーで叩いて割り、サンプルを採取(これは骨が折れます)。

 

 

 私に付いたギャラリーです(人気者はつらい)。って、ちょっと怖いですよ。何処に行ってもこれです。何が面白いのか。いたたまれず笑顔を向けると、皆満面の笑みで喜ぶのです。

 

 こんな何も無い村では人が訪ねて来るのも珍しいのに、外国人となると尚更なのでしょう。また、この鉱山は彼らの収入源でもあるのですから。やはり子供が前に来るのですね。

 

 私の持っている物全てが珍しい様で、バックの中をしげしげと覗くのです(決して取ったりはしませんが)。私がサンプル袋にマジックで字を書くたび喜んでいます。漢字を書くと「おー」って・・・。

 

日本も漢字使うんだぞ(プンプン)。  

 

 こんなやり取りが、後2個所の鉱山で繰り広げられたのですが、どの鉱山も期待が持てそうにないので、意気消沈する若き日の私でした。

 

 蘄春に戻り、例のズタボロの高級レストラン(本当にここしか無いのかよ)で遅い昼食です。意気消沈の私は食欲など無く、何を食べたのか覚えていません。

 

 昼食が終わり、蘄春の町ともお別れです(二度と来ないでしょう)。しかし、この貧しい街が5年後、北京↔香港鉄道の湖北省での開発拠点となり、急速な発展を遂げるとは・・・。

 

 再び長江をフェリーで渡り、大冶県に到着。前半戦最後の鉱山です。しかし、ここは商社のクレーム処理につき合わされた形(そもそもこの為にアドバイザーとして呼ばれた様なもの)で、興味ないのです。

 

 すでに4時近くですので、国営企業から鉱山調査は明日と言われたのですが、こんな所から一刻も早く逃げ出したい私は(だって武漢のホテルでゆっくり休みたいので)、商社のNさんと相談し、強行しました。

 

 これで前半戦の調査は終わりましたが、今晩の宴会が残っています。また茅台酒での乾杯の嵐かと思うと、気が重い私。26歳未だに独身でした(関係ないだろ)。 

 

(つづく)

 

 

 

 

 

 

 

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